2 2.死の気配
新たにマサやんをメンバーに迎え、再び遺跡探索へとやって来たはの良いのだが、二時間くらい探索しても尚、肝心のスキルスクロールは未だに見つからない。
でも、その代わりと言ってはなんだが、武器庫を発見したので使えそうな武器は運び出し、後で回収し易い様にメイン通路脇に置いておく。
これだけでもそれなりのお金にはなるし、まだまだ未確認の部屋は有りそうなので期待したい。
だが、あくまでもスキルスクロールがメインなのだ。
決して捜査の手は緩めない。
まあ、どちらかと言えば俺達は泥棒側なんだけどね。
そう考えると、スケルトンさんが襲ってくるのも正当な権利の行使だよね。
何かサーセン。
「んー、この部屋も無いねえ。」
「こりゃハズレかもな。 どことなく宗教施設っぽいし、そういう施設にはあんまスキルスクロールは置いてないかもしれん。」
「でもよ、宝とか置く所くらいはあるんじゃねえか? 金持ってそうな施設だしよ。」
「金貨とかがザックザクの宝箱とか見てみたいよね。」
そんな会話を挟みつつ、その後も片っ端から部屋を漁っていくが相変わらず見つからず、半ば締めムードが漂い始めた頃、過去のお偉いさんが使っていたであろう重厚な机を漁っていた加茂が、明らかに金が掛かったであろう凝った意匠の鍵を発見した。
「おっ!? おい、それっぽい鍵を発見したぞ。」
「おおっ、これは確かに宝箱の鍵っぽい。」
「って事はやっぱり、この場所のどこかにある筈だよな。」
段々と下がり気味だったテンションは一気に上がり、探索の勢いは再加熱する。
そして暫くすると、通路脇に地下へと続く階段を発見したので降りて行き探索していると、一番奥の部屋でこれまでとは一線を画した重厚な扉を発見した。
扉には翼を拡げたグリフォンの様な異界の生物が象られており、赤や緑の宝石がそのグリフォンの周りに美しく散りばめられていた。
扉そのものだけでも、かなりの芸術的価値があるであろう事に疑いの余地は無く、そんな圧倒的な存在感の扉を目の当たりにし、三人とも思わず立ち止まって呆然と眺めてしまっていた。
この芸術的趣向や重厚さ……これは期待出来るかもしれん。
「……おい。」
「お、おお、 今開ける。」
我に還ったマサやんが加茂に軽く肘打ちし、先程発見した鍵で扉を開ける様に促す。
鍵を差し捻ると『ガチャリ』と重そうな解錠の音が鳴り、思わず互いの顔を見合わせ頷く。
そして俺とマサやんは其々の重厚な扉の片側に立ち、両手で押し開く。
するとそこには━━
「「「うおおおおおお……。」」」
片側には古めかしく分厚い書物が詰まった書架が立ち並び、もう片方には槍や剣等といった武器が立て掛けられていた。
そして、それらはあくまでもオマケであると言わんばかりの宝箱が、白金色の輝きを放ちながら正面に鎮座していた。
……もしかして俺ぇ、今日死んでしまうん?




