11.コボルトとかいう生物
コボルト怖い!
コイツら武器を使ってくるのは当然だが、全員が全員当たり前の様にダッシュ投槍してくる。
そして四足走行を活かしたスピードを使って襲いかかり、ジャンプ噛みつきor引っ掻き攻撃してくるのでかなりビビる。
しかもチームワークがウリなのか、片一方は足に噛みつこうとしてくるので、上下同時に気を使う必要がある。
取り敢えずは初見という事もあって範囲魔法で対処したけど、重力突き(仮)だけで戦っていくのは厳しいな。
……また暫くは修行だな。
人型は暫くは大丈夫かな、なんて思ってた余裕を返して欲しい。
……今日はもう帰るか。
………………
…………
……
(やっぱ、バイトのシフト減らして貰おうかなぁ……。)
鳥哲からの帰り道、そんな事を考えながら帰り道を歩く。
スライム漁をしていた頃と違って、ダンジョンに潜る時間も長くなってきた。
鳥哲で過ごす時間も含めると、PM8時半過ぎに帰宅する事になるので、タマゴと過ごす時間も減ってきている。
タマゴは幼少時のトラウマからか、臆病で決して外に出ようとはしないので、心無しか寂しそうだ。
……まあ、鳥哲に寄るのを止めれば良いだけなんだけど。
鳥哲での飲食は夕飯も兼ねているので、家に帰って手の込んだ料理をする必要が無くなるってのが魅力でもある。
家に帰ってからも茶漬けと沢庵で済ませれるから楽なんだよね。
……あれ? 俺って鶏肉と茶漬けと沢庵で構成されてないか?
……い、いや、シシャモとか獅子唐とかも食ってるし、椎茸……後、ウズラも食ってるから。
……コンビニで野菜ジュース買って帰ろ。
衝撃の事実に気付いた俺は言い訳しつつ、手頃な延命措置を図る。
最近はそこそこ稼げる様にはなってきた。
スライム漁も継続してるし、ゴブリン狩りでもそこそこの稼ぎにはなる。
短時間だから、バイト代程ではないけどね。
でも、勤務時間を探索に充てるなら充分以上に稼げるとは思うので、稼ぐだけなら寧ろそっちの方が良い説まで浮上している。
1日8時間を探索と戦闘に費やすのは心身ともにキツイけど、何もフルタイムでやる事も無いしね。
局長に相談してみるか……。
いつもの様にコンビニでビールとツマミを買い帰宅する。
ドアを開ければいつもの様にタマゴがお出迎えしてくれている。
毎日の事で代わり映えの無い事ではあるけれど、何かホッとする時でもある。
「ただいま」
「ニャーン」
あ、野菜ジュース忘れてた。
こうして、今日もうっかりと寿命を軽く減らしてしまうのであった。