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1章:ふぇえ...学園ラブコメと異世界ファンタジーを両立するのは難しすぎるよぉ 9話(三国解斗)
いったんログアウトした解斗は回転椅子のうえでくるくる回りながら考え事をしていた。
...小郡さんに垢がわれた。ということはリアルの人たちに自分の存在が知れ渡るかもしれない。それは解斗にとってあまりいいはなしではなかった。もし学校の人たちと関わりを持ったらまたあんなことに...。
「どうした?浮かねえ面して」
うわさをすれば、というやつである。アイツ、零が目の前で幽霊みたいにぷかぷかういていた。零の容姿はドッペルゲンガ―、というやつを想起させるほど、解斗とうりふたつだった。
「...うるさいな、出て行ってよ」
解斗の言葉を聞いた零はニヤニヤ笑いながらいった。
「ほんとはもう気づいてるんだろ。それを受け入れたくないだけ、違うか?おまえが...」
「...だまれ!」
解斗の怒声が零の声を遮った。
解斗はそのままベッドに倒れこんだ。もう何も考えたくない...。
そのとき、eiDの新着メールの通知音がなった。