1章:ふぇえ...学園ラブコメと異世界ファンタジーを両立するのは難しすぎるよぉ 8話(小郡空)
転送マシンから解斗が出てきたのを見て、空はほぼ無意識に立ち上がっていた。足が少し震えている。
ひとつ深呼吸して解斗のほうへと歩き出した。
「解斗」
それを聞いた解斗は肩を少し震わせながらきょろきょろしている。もう一度声をかけると私に気づき、てとてと歩み寄ってきた。
「小郡こおりさん、なんで...?」
解斗は少しおびえたように尋ねてくる。
「その、解斗がthaeDやってるって聞いたから私もやってみようかな、なんて」
つっかえつっかえで空はこたえた。だって2個も嘘ついちゃったんだからしかたない。すらすら嘘をいえるほど空のメンタルは強くなかった。
「そう、なんだ...」
「そうなの」
「.........」
「.........」
会話が途切れた。この雰囲気をなんとかしようと話題をひねり出す。
「あー、解斗はさっきまで何のクエストにいってたの?すごく遅かったけど...」
「暗黒龍ディアボロスの討伐。」
そう答える解斗の顔は暗く、聞いちゃまずかったかな、と思った。
そのまま解斗は空が謝る前に集会所から出て行ってしまった。一人取り残された空はどうすることもできなくて、ただぼーっとその出口を虚ろな目でみつめていた。