ガキからの恋文
吉田さんへ、
お願いがあります。
僕を吉田さんの彼氏にして下さい。
分かっています。本当は、直接言った方が良いなんて。そんなこと、吉田さんに叱られなくたって。
でも、僕はこの一言を伝える、その数秒さえも、胸が締め付けられて、息苦しくて、吉田さんの前にいる事ができそうになくて、こんな情け無い形にしました。
ラブレターなんて書いたことがなかったから、書き方をネットで調べてみたんです。
こう書けば気持ちが絶対に伝わるというような型が乗っているサイト、気楽に書きなさいと心構えが羅列されているサイトがありました。
掲示板は荒らされて、真面目な書き込みは殆どありませんでした。
でもこれは、吉田さんの言うように、僕等が恋を軽くみているからではありません。
僕等は、敏感になっているんです。メールで言葉を交わして満足できるくらい。直接話したりなんてしたら、顔が熱くなって逃げ出したくなるくらい。
お返事待っています。
お返事を頂けなくても、ずっと好きでいさせてもらいます。
吉田さんは、8歳という年の差を気にしているのかも知れませんが、僕は気にしていません。
僕等にはっきりしなさいと怒るんですから、吉田さんも嫌ならはっきり嫌ってくれますよね?
良いなら、良いって言ってくれますよね?
お手本見せて下さいよ。
「近所のガキ」より