1話:神様のミスでゴリラ似で転生した俺。ゴブリンと勘違いされ爆走逃走する羽目に…
「…おい。なんで1匹ゴブリンがいるんだよ…」
白く綺麗な石で作られた、広い空間。召喚魔方陣がゆっくりと消えていく最中に放たれたその言葉は、あからさまな蔑みを含んでいた。
発言したのは、腰に立派な剣を下げた金髪のイケメン、アーロンだ。
彼は私を睨みながら、剣に手を伸ばし始めていた。
俺の名前は、剛
現実世界で事故に合い、異世界へと転生されたのだが、どうやら事態は深刻らしい。
異世界に転生される直前、周りには白いモヤのかかった空間で、少し申し訳なさそうに言った。
『ごめん!マジごめん‼君の身体能力を大きくさせて、無限インベントリの能力を上げた際に、間違えてゴリラ似の顔にしちゃった!マジごめん☆』
今の俺はゴリラ似の人間なのだが、この世界ではゴブリンに見えるらしい。
「動くなよゴブリン。息の根を止めてやる」
「剣を構えろ。召喚事故でゴブリンが召喚されている。仕留めるぞ!」
アーロンに同調するように、もう一人の剣士・クラインが剣を抜き、弓使いのアイズレーンが矢を構える。
彼らも俺と同じ転生者のはずだが、彼らにとって俺は「召喚事故で召喚されたゴブリン」にしか見えないらしい。
「ま、待て!お前たち待つのじゃ‼」
王様が待てと言っても関係なしに、彼ら3人は俺を襲う。
俺も転生してすぐに殺されるわけにもいかないので、全力で逃げる。
「くぁwせdrftgyふじこ」
王様が何か言っているが、身体能力が強化された俺の速さには付いてこれず、何を言っているか分からない。
王様をまき、追手が来ない事を確認し、俺は一息つく。
「俺って人間だよな…。顔がゴリラ似なだけで何故こんな目に合わないといけないだ」
そんな独り言を言っていると、クラインが目の前に現れた。
彼は、何の戸惑いもなく剣を振りかざす。
以外にもクラインの剣裁きは大したことが無く、身体能力が強化された俺には避けるのが簡単だった。
クラインの剣を避け、軽く腹にパンチを浴びせると、思った以上に吹っ飛ばしてしまった。
「思っている以上に、あのポンコツ神様は身体能力を強化してくれてるんだな」
この王国に姿を隠していても、見つかれば追われ逃げる事になるだけだと思った剛は、王国から逃げる事にした。
「王国から逃げるにしても現在地も分からないしな。とりあえず城から遠ざかれば王国から出れるだろ」
こうして剛は城が小さくなるまで遠くに逃げた。
かれこれ1時間近くは走ったか。剛の目の前に大きな壁が現れた。
「いや、これ登れるか?身体能力が強化されているとは言え、これを登るって気が滅入るな。飛んでみるか…笑」
剛は本気でジャンプしてみた。
一瞬にして剛は高く宙に浮いた。
「まじかよ。俺ってこんなに飛べるの」
軽々と高い壁を飛び越えた剛は王国を抜け出し、目の前にある山に身をひそめる事にした。
逃げる為に沢山動いていた剛は喉が渇いていた。
「そういえば、ポンコツ神様がおまけでアイテムをくれたな。飲み水くらいははいってるか?」
剛は無限インベントリを開き、アイテムの確認をする。
「お!おまけでくれたアイテムの所持数無限じゃん!神様も良い所あるじゃん!」
アイテム名:おいしいポーション
効果:おいしい
剛はおいしいポーションを一つ取り出し、がぶがぶと飲み干した。
「ぷはぁ!このポーション旨いな!」
剛はまだ知らない。このポーションには、おいしい以外にも効果がある事を
渇いた喉を潤した剛は、森を進む。
険しい道を進むと村の様な物が見えてきた。
自分の顔がゴリラ似である事を忘れて、普通に村を訪ねた。
「キャ~~」
甲高い悲鳴が上がる。
「違うんだ!俺は人間なんだ!」
【次回予告】
村を訪れた剛は、相変わらずゴブリンに勘違いされる。
だが困った村人をゴリラ似の剛が救う!?
剛がおまけアイテムの貴重価値に気が付くまで後少し???




