九話写真部の先輩
「失礼にお邪魔します」
「え?」
「うぇ?」
「え...?」
「ええ!?」
なんか間違えたようだ
俺がやってきたのは南舞鶴高校三階、写真部の部室
部員は三年生二人、二年生一人の合計三人だ
「やあこんにちはこんばんわ、君たち入部希望かな?」
いきなりやけど癖つえー、たぶん部長だろう
「せんせーじゃーん、この子たち見学ぅー?」
この人も癖つえー、副部長?そして作業に集中してる人がもう一人いる、って写真部全員女子やん
「見学をしにきた新入部員です」
なんか後藤っぽいやつの様子がおかしい気がする
というか新入部員ではないだろう、入る予定ないし
どっちか言ったら...どっちか言ったら...どわすれした
「新入生の佐原くんと後藤くんです」
それや、新入生
「後藤健一、趣味はネットサーフィン、好きな食べ物はナポリタンです」
え?そんなかんじでいくん?じゃあ俺も
「佐原大晴、趣味はゲーム、好きな食べ物は揚げ物全般です」
「君たちおもしろいねー、私は部長の原田恵子、趣味はカメラ、好きな食べ物はこんにゃくかな」
こんにゃく...こんにゃく!?
「わたしはー副部長の佐藤砂糖、趣味はカメラ、好きな食べ物はカレーだよー」
え...シュガー、まあ星よりはましか
「私は次期部長の恩光祐子、趣味は編集、好きな食べ物にこだわりはない」
この人が二年生か、いまいちよくわからんな
「私は顧問の堀口広子、趣味は内緒で好きな食べ物はハンバーグです」
堀口先生か、覚えました
「そして我らが写真部は現在廃部の危機に陥っています、写真部を存続するにはあと部員が三人必要なので入ってもらえるとうれしいです」
「俺は写真部に入部したいです」
おい、後藤なっぜそうなる?まだ活動内容さえ聞いてないんやぞ
「ありがとう、よろしく頼む後藤くん」
「はい、よろしくお願いします」
「その前に活動内容は?」
一応ね聞いとこうね、入るつもりないけど
「うちの写真部は写真だけじゃなく動画も撮影してるんだ、そうだ佑子ちゃんあれを見せてあげよう」
「ちょっと待ってください、どうぞ」
動画を見せられた、結構なクオリティだった
でも
これダンジョンの中なんよなー
「どうでしたか?」
「結構良かったですね」
「そうそう、これ自信作なんですよー」
「それ私が撮ってー、佑子ちゃんが編集したやつだよー」
「そして私がその監督をしたのだよ」
たぶんこの部長なんもできない系の人だ
さすがこんにゃく
「それで佐原くんはどうするの?」
「大晴、写真部入ろうぜ」
「ダンジョンに入らなくていいならいいんですけどね」
「動画編集とかダンジョンに入らないでできることもあるから入ってみない?」
あるんかー、でも
「ちょっと考えさせてください」
他にも部活はあるからな、俺は写真部を去った
さようなら後藤
っぽいやつ