三十八話体育祭の乱
「パァン!!オーエス!オーエス!オーエス!─」
体育祭が始まった、ニブルさんが風邪を引いていたときはずっと勉強、ニブルさんが戻ってきたらダンジョン
そんな苦しい生活を続けていたら体育祭になっていた
「さはーらは全競技出るのよね」
今からちょうど二週間前、俺は毎日家庭教師に夜中まで勉強させられ寝る時間が確保できていなかった、だがニブルさんが風邪を引いたことにより授業中を睡眠時間に当てたのだ、しかしそれが篤井先生の逆鱗に触れた
村山さんと遠藤さんが反対したが多数決で負け全競技出ることになってしまった
やっぱあの先生俺には都合が悪かった
それでクラスメイトたちは負けたら全て俺のせいにするのだろう、なんてやつらだ
そしてこれが俺が出る競技の一覧だ
朝の部
綱引き、玉入れ、借り物競争、大玉転がし、百メートル走、障害物競争、ハードル走
昼の部
部活対抗リレー、クラス対抗リレー、騎馬戦、色別リレー
殺しに来てると思うだろう?俺もそう思う
だが俺だけではない、後藤とか村山さんも全部出るそう
まあ毎日学校も含め丸十時間勉強させられているやつがやっていいことではないだろう
「さはーら、頑張ろう!」
さて、まず綱引きだ共鳴モードを隠して使い最速で終わらせる
「オーエッス!!」
綱が千切れた……失格
玉乗りでは……玉投げでは籠を破壊し怒られた……失格
全然うまくいかない、二つともこんなことがあろうかと道具の予備がたっぷりあったので体育祭は進む
それで共鳴モードがバレて使えなくなった
スタミナとの勝負だ、とはいえ家に帰っても夜中まで勉強が待っているのだが……
「位置について、よーい、パァン!!」
俺は地面に落ちている紙に向かって走る、これだっ!!
好きな人
「チッ……」
俺には選択肢が一つしかない
「ニブルさん!」
「私?」
俺はニブルさんの手を引きゴールへ向かって走る
まだギリギリ一位だ、共鳴モードを使っていなくても魔夜さんにバフをもらっているのでそこそこの速さがある
「ばたんっ……ごめんなさい……」
「ニブルさん!!」
チッ……ニブルさんがつまづいて転んだ、このままじゃ一位は愚か二位にもなれない、すでに二つの種目で失格になっているので絶対に一位にならないとならないのに!!
やるしかない……
「ニブルさん!」
「ひゃっ」
俺はニブルさんをお姫様抱っこしてゴールへと走る、俺は一位争いをしながらゴールテープを切った
どっちだ?
「さはーら残念だったねー」
「そうやな……」
負けた、借り物は一位争いはしたものの四位、大玉は五位
百メートル走と障害物競走とハードル走は後藤と知らん一組のサッカー部のやつに負けて三位だった、確実にスタミナの限界が近づいてきている
それで今はお昼休憩中だ、もちろん休憩時間は短い
「じゃあ行ってくるわ」
「頑張ってねー」
「佐原っち大丈夫?」
「まあな……」
全然大丈夫ではない、だがやらないとならない
部活動対抗リレーは副部長だから必ず出なければならない、こんなところに影響が出てきてしまったか……
それでこれに出るメンバーは部長の恩光先輩、後藤っぽいの、実は速い村山さん、それと古華さん、とアンカーの俺だ
阪本はクラスでぼっちなのでサボったらしい、あと遠藤さんたちは足が遅い、後輩二人も遅い
「パァン!!」
写真部なので一位になる必要がない、だからここだけ気を抜いて走ることができる、ここでいかにスタミナを使わないかが大事だ
なんか俺の前走の古華さんがサッカー部の男子と一位争いをしているんだが……
って古華さんがタックルされている……許せねえ
ちょ待ってアンカーが例のサッカー部やん
「クソ佐原、お前だけには負けねえ、俺の彼女を取りやがって」
こいつの元カノはあの暴力事件の三人組のどいつかだ
こんなやつにさっきから負けていたのかよ、疲れとかどうでもいい、こいつには絶対に勝たせない
サッカー部が先に来た、そのすぐ後ろに古華さんがつけている、バトンミスさえしなければ全然射程圏内だ
「佐原くんっ!」
「古華さんっ!」
俺は古華さんからベストなタイミングでバトンを受け取り走り出した、絶対あいつには負けてやらねえ!
ヘッドスライディーーーング!!
「佐原マジナイス!」
俺はギリギリ勝利した、最後ちょっとだけ共鳴モード使ったけどバレてないよな?
「ただいまの結果、一位サッカー部、二位陸上部─」
あれ?
「写真部はコースをはみ出したため失格です」
「……」
あれこれ俺じゃないな?
「ごめんなさい、たぶん私……」
古華さんか……あいつかサッカー部!!ゆるせん!!
次の次の騎馬戦で絶対に勝ってやる
あいつ出るそうやし!
「佐原くん……ごめんね……」
古華さんは悪くない、あいつらが悪い
俺は古華さんのため……
ダメだ、余計なことを考えるな!!
「さはーら、私がパスするからねー」
「頼むで」
俺の前走はニブルさんだ、また一組のあいつ俺に合わせて来やがった、絶対負けねえ
「パァン!!」
ここでも俺がアンカーだ、体力テストでいい記録を出したからだが、そろそろ出番だ
ニブルさんが走ってきた、その後ろからまたあのサッカー部かよ、隣のやつと共謀してるんか?
それでまたタックル、ニブルさんは外側に避けたからどうもなかったけどあいつ嫌なやつやな!
「はぁはぁ、さはーらー!」
サッカー部に少し遅れてやってきた、ホントにギリギリ射程圏内だ
「ニブルさん!」
「「あっ!!」」
「コロンコロンコロン……」
俺とニブルさんの呼吸が合わずバトンが落下した
「ごめんなさい……」
失格にはならなかったが三位だった、またあいつに勝てなかった、だがまだ騎馬戦がある、そこで勝負だ!!
俺は下やけど
その前に女子の棒引きだ
あっちでは遠藤さん同士の対決だ、幽霊遠藤さんが力強いな、まあこっそり極限進化させたからね
こっちではニブルさんと古華さんで棒を引き合っている
頑張れ古h……ニブルさん……
結果古華さんの一人勝ちだった
「勝てなかったー」
「まあ古華さん相手によくやった」
「聞きたかったことあるけど、古華さんとさはーらはどういう関係?」
「……」
「あっ騎馬戦始まるよー」
「そうやな行ってくるわ」
「……」
さて、今回こそは勝たせてもらう
下やけど
「ちゃんとしろよ佐原!」「ホンマに!」
「こんだけやらかしてんからいい加減にせえよ!」
周りのやつの声が痛い、でも実際無茶苦茶やらかしてるから言い返しようがない、それで上は楠くんだ
こいつはあんまり文句を言ってこない
それであいつらとは最後らしい、頑張って勝とう
「佐原速すぎ!みんなに合わせろや!」
お前らが遅いんじゃボケェー!!
「佐原遅い!もっとはよしろや!」
お前らに合わせたってんねんけどなに言っとんねん!!
そんなこんなで全敗、全部俺のせいらしいわ
お前らもちゃんとやれや!って言いたかった……
「おらっ!!」「こんやろ!」「死ね!」
「浮気者が!」「お前のどこが強いねん!」
「クズ男め!」「あ~妬ましい、この!」
「俺も彼女欲しい!」「消えろ!」「クソが!」
なぜ俺は殴られ蹴られ、なんでこんな目に合わないといけないんやクソが……
目が覚めると保健室の天井、それとニブルさんだった……
「さはーら……」
俺は騎馬戦で敵味方関係なくボコられ大怪我を負った




