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佐原くんはダンジョンなんて大嫌い! ~動物嫌いな最強テイマー、好きな子が猫化して大ピンチ~  作者: 無理です逆バリアー


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2/50

一話俺は超絶臆病者だ

「ワンッワンッ!」


うるさいですよー

今はクソ犬なんかに構っている暇はない

だがこういうクソは目を見ればすぐに黙らせられる

コツは自分のほうが格上と思わせることだ


「ワゥ……」


よし、黙ったな

俺の特技はこれだ……しょぼいと言うなよ


それで今日は高校の入学式だ、クラス分けにより俺の運命が左右される、そして俺は最寄りのバス停にやってきた


あいつがいる


「よう大晴、古華さんと同じクラスやといいな」


バス停の椅子の横で空気椅子をしているモテるためについこないだ金髪にした後藤に喋りかけられた

下の名前は健一だ

まあ後藤健一と覚えておくがいい、俺は忘れるからな


それでこいつは近所に住んでいる親友……そんなところだ

まあこいつのことは正直どうでもいい


古華さんと同じクラスになってくれーーー!!


俺、佐原大晴(さはらたいせい)には好きな人がいる

超絶清楚な美少女、古華律(こはなりつ)さんだ


まあ同じクラスなのを祈るしかないけどね

おっと、でかい乗り物が来たみたいだな






今日から俺たちが通う南舞鶴高校に着いた、すぐ隣にはダンジョンの検問場であるダンジョンハウス、ダンジョンの入り口であるダンジョンホール、それとバスターミナルがある


舞鶴と言えば海のイメージが強いと思うがここは山の中だ

ああ、それで忘れていた、自衛隊の基地もあったわ


そして俺と後藤は校内に足を進め……人がごった返していて名簿が書かれている掲示板が見えないではないか

これではどこのクラスかわからねえ


そんで掲示板の前でハイタッチしてるお前らはさっさと教室に行きやがれ!


「佐原っちおはよー、みんな二組やったで」


村山さんによるとみんな……中学からの六人組全員二組

ということは


よっしゃーーー!!


俺は心の中で叫んだ、古華さんと同じクラスだー!


「あー、後藤もいたんやな」


「おるわ!」


鞄に星のキーホルダーをつけている村山さんは後藤の幼なじみで俺たちのグループに入っている

二人の関係はあまり良くない……知らんけどな




それで村山さんによると、俺の古華さんはすでに教室にいるみたいだ


「なあ、なんか人多くね?」


確かに人が多い、しかもそこ俺らの二組よ……

これはもしや古華さんが超絶美少女だからなのか?

だとまずいねー


「ねえ、そこの新入生、佐原大晴ってやつ知らない?」


上級生のギャル女が話しかけてきた、っておーれぇー!?

古華さんじゃなくてー!?


「俺は知らないです、なあ?」


「はい、知りません」


反射的に知らないと答えてしまった、まあこんなのには関わらないほうがいいからね


「あっ!佐原くん、おはよう、一緒のクラスだね」


あっ、ちょっ超絶可愛い古華さん……


そのとき周りにいる上級生たちの目が獣のものに変わったように感じた


これは……逃げるしかねぇーーー!!


俺は教室から逃亡した






三年前、世界中にダンジョンが現れた、そしてそれは残念ながら舞鶴にも現れやがった


それに重ね俺はテイマーという強スキルを手に入れてしまった非常に残念な男だ


「一年二組の佐原大晴くんはテイマーではありません、テイヤーです、繰り返します一年二組の佐原大晴くんはテイマーではありません、テイヤーです」


「なあ?こんなんでいけんの?」


「さあ?」


テイマーというスキルは決して強いわけではないが世界の猛者パーティーには必須と俺の可愛い妹が言ってた

なので俺のスキルが欲しい人がたっくさんいるのだ

スキルだけね……


ほんでダンジョンハウスのセキュリティ甘々やな、俺の情報簡単に流出さすなや!

ダンジョンなんか行かんから大丈夫だろうって思ってたのが間違いやったわけやな







「佐原くん大変だったね」


俺が教室に戻ると上級生たちはいなかった、テイヤーを信じるお馬鹿さんだらけだったんですね、よかったー

放送してくれた先生にも感謝が足りねえぜ


だがそれ以上によかったのは俺の隣の席に古華さんがいるという事実、これはなんなんだ?運命か?

それじゃなければなんなんだ!?


しかも古華さんが俺のことを心配してくれていた、これは舞を踊って歓喜せざるを得ない状況なのではないか?

まあさすがに恥ずかしいのでさすがに踊りませんけどね


「それでテイヤーってなんなの?」


古華さんも信じてるーーー!?

しかしここで本当のスキルはテイマーだと言うのはダメだとわかっている、くっ……悔しいがしょうがない


好きな人に嘘をつく行為は許されがたい行為だが仕方ない


「ダンジョンに入るには生徒証明書が必要です、それを今からお配りしますね」


くそがーーー!!なんで初日に配っちまうんだよー!

まだ入学式もしてねえのによー


「佐原くん、一緒にダンジョン行く?」


なんだこのデートのお誘いは~!?

だがしかしダンジョンという場所は危険が多い、舞鶴ダンジョンではまだ深層でしか死人が出てないけど

俺はすぐ怪我しそうなのでものすごく行きたくない


あと古華さんも行ってほしくない、その白くてキレイな肌に傷を作って欲しくない、だけど強制はできない


だからと言って俺が古華さんを守るためにダンジョンへ行くのは……


結論が出た


「いってらっしゃい」


「……」


俺は超絶臆病者だ

臆病とは?

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