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佐原くんはダンジョンなんて大嫌い! ~動物嫌いな最強テイマー、好きな子が猫化して大ピンチ~  作者: 緑ノ妖精Ⅲ


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13/50

十二話古華さんが猫化した

「よう、大晴久しぶり」


もう十一月も半分を過ぎている、完全に冬だ

バス停には二ヶ月ぶりくらい?会ってない後藤っぽいのがいる


「無茶苦茶久しぶり」


「ごめんな、コローニャで全身痛くてな」


コローニャに感染すると全身が痛くなりひどい人は半分猫化、ヒトネコ化してしまうそんかやべー病気だ

そしてこのウイルスはダンジョン産なので大嫌いだ


「いつから休んでたん?」


「十月半ばからやな、だいたいみんな同じ時期やな、あとそろそろ古華さんとかも来るんちゃう?」


頼む、そろそろ会いたい






俺は教室にやってきた


「おはよう古h……」


「おはよう佐原くん!」


古華さんの頭の上にふさふさな耳……それとちょろっとしっぽが見えている……


「佐原くん私ヒトネコになっちゃった」


「……バタンっ!」


「佐原くん!?」






嫌な夢を見た

それで俺はなぜ保健室の天井を見ているのだろうか?


「佐原くん!!」


「……」


おかしい……古華さんに耳としっぽが……

いやおかしいそんなわけがない、俺を騙しているんやんな

そうそう、ゲームでよく騙してくる古華さんならやりかねない


しっぽを引っ張ってとってやる


「ぎゅっ」「ひゃっ、佐原くんなにするの!」


ちょっと待って取れないんだが……というかこの触ってるこれなんか生暖かくて気持ち悪い……



俺は急いで手を洗いに洗面台へ向かった

そしてしわの一つ一つに染み渡るように石鹸で洗うのを三十回ほど繰り返す


「……」



「ふー、お清め完了」


「佐原くん……私のこと嫌いなの……?」


「は!?大好きに決まってるやろ!!」


あっ、ちょっと待って間違えて言っちゃった

俺は人間の古華さんが好きやのに


「よかった!大好き!ぎゅーっ」


ちょっと待って耳が顔にして密着して……


「うぎゃーーー!!」






また保健室の天井だ……


「大晴大丈夫か?」


「全然大丈夫じゃない」


今度は後藤か、まあこいつならいいだろう


「古華さん泣いてたぞ」


「え?なんで!?」


「お前が急に倒れたから」


「え?なんかおかしくない?」


「俺もおかしいと思う、古華さんってお前のこと好きやったっけ?」


「そっち!?」


後藤っぽいやつによるとヒトネコになると好きな人をマーキングするとか感情の上下が激しくなるとか性格が変わることもあるのだそう、古華さんもそんな感じだ


あとヒトネコ同士だとどこにいてもすぐ交尾しだすとか……言ってたわ、後藤がな


後藤がな!!


「というかなんか対策とかないん?」


「かわいがる、以上」


「いやいやいや、なんかあるやろ、猫でいうとなんやっけあれ枕木やっけ?」


「マタタビな、でもあれヒトネコには効果ないらしい」


「じゃあどうしたらいいねん」


「お前古華さん好きなんやしええやろが」


「嫌や、人間の古華さんがいい」


「まあ頑張れよ」


「おう……」


体調が悪くなったので部活は休むことにした






次の日、遠藤さんと阪本が復活した


「おはよう佐原くーん!ぎゅっ!」


「……」


俺が座っていたので耳が当たらなかった、だからましだ


「え!?律、どうしたん?」


「これヒトネコ化の影響」


「え!?こんななんの!?」


「じゃあね佐原くん!」


「……」


前に席替えがあったので席が離れている、隣の席なら……

もっときつかったことだろう


「よう佐原、って大丈夫か!?顔青いぞ」


「大丈夫じゃない……」


「健一、佐原どうしたん?爆発すんのか?」


「違う、こういうことがあってな─」


「へー、佐原爆発しろ!」






授業中はいい睡眠時間になった、昨日は床で寝たから首は痛いし寝れてないしきつかった

そして今日もベッドで寝られない……いや規制解除してベッドで寝るか……


たぶんこれからずっとやしベッドもレッドゾーン入りやな

(レッドゾーンとはちょっと汚くてもいいスペースのことを表している)


しょうがないか、というか勉強できてないんやが




来週からテストなんや、それで俺は二学期最初のテストのとき停学になってたから赤点の倍の全教科七十点取らないと学年上がれないんだが……どうしろと、いや


「佐原くん、停学取消の特別措置で今回のテストの点数が倍になるから頑張ってね」


って言ってたような……まあできるだけ頑張るか




で今日は部活軽くやって帰るか


「佐原くん、一緒にダンジョン行こ!」


「ダンジョンとか絶対行かへんし聞きたくない」


「私のこと嫌いなの……?」


「いやいやダンジョンが嫌いなんや」


「ってことは私のこと嫌いじゃないんだよね!」


今の古華さんは嫌いになりつつあるが元の古華さんが好きすぎて嫌いとは言えない


「嫌いなわけないやん」


「じゃあ行こ!」


「え?」


ちょっと待って力強い、助けて遠藤さん

首を横に振るな!!






「こんにちわ」


受付のお姉さん助けて、ダンジョン行きたくないのに連れてかれそうなんや、助けて!!


「身分証の提示お願いします、佐原くんは大丈夫ですよ」


そうやった、前の不法侵入のやつをなくすために俺だけダンジョン顔パスなってもうたんやった


「ではどうぞ」


頼む、なんとかしてくれー、ダンジョンに入りたくないんやー!!目をそらさないでくださいよー!!お姉さーん!


「佐原くん、そんなに受付のお姉さんを見つめてあの人が好きなの?私嫌われちゃった……?」


「いやいや古華さんが好きやで」


「よかった、ぎゅっ」「ちゅっ」


耳に当たらないようにちょっとしゃがんで避けたつもりが古華さんのおでこにマスク越しでちゅってしてしまった、事故です


「佐原くん……するならここにして、んー」


古華さんはもじもじしながらマスクを半分はずし口を突きだしてきた

遠藤さん、どうしたらいい?


遠藤さんは両手を走るときのように振りダンジョンの外を指さした

えっとダンジョンの外に代走?ってこと?


遠藤さんは首を横に振った、ごめんわからん



「佐原くん……やっぱりできないよね……だって佐原くんって小心者だもんね」


それはひどいです古華さん




そしてダンジョンに入らない希望は聞き届けられず

ダンジョンの中に入ってしまった、なにかが起こりそうでとても怖い


ダンジョンに入った瞬間過呼吸になってしまった


「佐原くん大丈夫!?」「佐原、深呼吸深呼吸」


「すーはーすーはーすーはー、ちょっと落ち着いた」


「佐原くんおんぶしてあげる、よっと」


「うぎゃー」


古華さんにおんぶされてしまった

そして顔にひっついてるのはふさふさの耳だ


「ぐたっ……」


ふさふさの耳は駄目……

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