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~魔王無双~ 転生した俺、無双しちゃうけど構わない?  作者: 六波羅朱雀
第三章 〜商業国家ルーグリナ連邦国編〜
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3-7.手紙、そして次の戦場へ

題名は、戦場=いくさばです。


『ジャン・グレイスフィート様へ


 先日行われたクラッド・バーキンとの決闘の件、大勝いたしました。しかし、問題が生じまして、まずはそのことについてご報告いたします。


 実は決闘の際に使用した魔法が伝説級ではないかと思われているらしく、先生方が会議まで開いています。無秩序の(エンペラー・)皇帝(アナーキー)という魔法で、事前に発動させた各属性の上級魔法五つを組み合わせた複合魔法です。


 俺としてはそんな大した魔法ではありませんし、炎属性と水属性の上級魔法を発動させたのは俺ではなく使い魔です。俺がやったのはあくまでも土、空、光の上級魔法と、魔法を一つにする複合のための魔法、そして全てを一つの魔法として使用するための、先ほど挙げた魔法です。威力は強いですが、伝説級とは言えないと思います。ジャンさんに何かお話がいくかもしれません。面倒をおかけし、申し訳ございません。


 ところで、一緒に同封したプレゼントですが、王都へ友人たちと出かけた際に見かけたものでして、商人曰く隣国から取り寄せた珍しい品だそうです。ヴァルやグレイの言質も取っておりますので、確かかと思われます。質の高い銀の盃です。ぜひワインなどを入れて飲んでみてください。


 お金についてはご心配ありません。王都で絶対店側が勝つという賭博店を見つけまして、友人に言われて行ってみたところ、ヴァルが全勝したのです。大金を手に入れてしまって困っているほどでして。


 最後に、これからについてですが、有望な生徒は商業国家ルーグリナ連邦国との共同実習へ行けると聞きました。ぜひ志願してみたく思います。学院生活、まだこれからですので、張り切っていこうと思います。


クリストファー・ガルシアより』



 封をして、銀の盃の入った小包と一緒に置いておく。そして次の手紙を取り出した。


『父アラン・ガルシア様 母シエラ・ガルシア様 愛しき妹リーゼロッテへ


 学院生活、順調です。先輩との決闘には勝ったし、友人もできました。王都へ遊びに行った際に購入したプレゼントを同封して贈ります。父さんには高級なワインを。母さんには高度な技術で作られた鞄を。愛しきリーゼには、大きなくまのぬいぐるみを。


 王都にはいろいろな物が売られていて、おもしろいです。何か必要な物があれば、なんでも言ってください。実はヴァルがギャンブルに勝ちまして、大金を手に入れてしまったのです。使い道に困っていまして、何か良い気分でお金を使えればと。


 故郷を想い寂しくもありますが、家族やジャンさんの支援と応援のおかげでここへ来れたことを思えば、どれだけでも頑張れそうです。でもやっぱりたまには帰りたいので、長期休暇があればそちらへ向かう予定です。


 でもその前に、六月の初めに隣国ルーグリナ連邦国との共同実習というものがあるそうで、面白そうなので志願してみようかと思います。父さんと母さんは他国へ行ったこと、ありますか? どんな感じなのか、楽しみです。


 冬は終わりましたが、これからは暑くなる時期です。どうか身体にはお気をつけて。そしてリーゼ。勉強も運動も、遊びも!! 頑張るんだぞ!! 欲しいものがあればいつでもお兄ちゃんに言うんだぞ!!


 クリストファー・ガルシアより』


 封をして、小包みと一緒に置いておく。あとはこれを事務の人に頼んで、と。


「これでよし。いやぁ~、文を書くのは疲れるけど、みんなを思って書くのは楽しいな~」


 いろいろプレゼントを買ったのに、使った金は1000万ルプルもない。一番高かったのは銀の盃、次に大きなくまだ。なんでも、工業的な製造方法が乏しいこの世界では、大きなくまを効率よく作ることはおろか、質の良い糸や生地を大量使用すること事態が難しいらしい。


「ワインは長持ちだし、常温でいいからいいけど、他の食料はなあ。瞬間移動できれば届けられるんだけど……次の機会までに考えてみようっと」


***


 そうして授業をこなす日々は過ぎ、ついに五月終わり。


「ドラゴ先生、俺、ルーグリナ連邦国との共同実習に出たいんですけど」


 担当の先生の授業を終わり、一人最後まで教室に残って尋ねてみる。断られたところで、どうにかしてメンバーに加えてもらう予定だ。策はないが、ごねてやる。


「実力は十分だけれど……新入生なんだし、そんなに急がなくても来年があるわよ?」


 知ってる。俺もそう思う。でもなあ、マジェスティがご所望なんだよ。俺もちょっと、アイツのこと気になっちゃったりしてさーあー? 誰だって隠されると事情が気になっちまうもんなんだよ。それに、マジェスティのおかげでヴァルたちと出会えたともいえるし。面倒事に巻き込まれた気もするけど、感謝の面もあるわけで。ミラージュなんて、ほんと、あの人のおかげで生まれ変われたんだしさ。


 もっと言えば、単純に他国ってのに興味があるっていう。他国ってやっぱり住み着いている魔物も違うのかな。買い物の時間とか、あ、相手側からも戦力は来るんだよね。仲良くなれるかなあ。


「……分かったわ。他の教員も、先日の魔法の件を報告した先の委員会も、あなたの実力をもっとちゃんとはかりたいようだし。許可します。細かいことは、後日連絡するわ」


 よっしゃ、ごねる必要性なかったわ。


最近気が付いたんですけど、なんで題名、

~魔王無双~ 転生した俺、無双しちゃうけど構わない?

なんですかね。

普通、

魔王無双 ~転生した俺、無双しちゃうけど構わない?~

ですよねー。

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