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寿司戦隊ニギリンジャーX  作者: 冷詞 奴
プロローグ 戦え!寿司戦隊
1/7

1話 出動!寿司戦隊

ある晴れた日曜日の午後、今日も寿町コトブキチョウには平和な日常が流れていた。しかし、その平和は突如として破られる。

町の中心で突如現れた巨大モンスターによって。市民たちは叫び逃げ惑う。


モンスターの名は「ガザンサザイ」

サザエの強固な殻に、凶悪なハサミを持ったヤドカリのような本体を持つモンスターだ。


「おいおい、あんなのどこから出てきたんだよ!?」

市民たちはパニックに陥っている。


その時、寿町の片隅にある小さな寿司屋の看板に光が差した。店の扉が開き、そこから現れたのは寿司戦隊、通称「ニギリンジャーX」だった。


「寿司と正義に燃える赤き炎……マグロレッドッ!!」

真っ赤なバトルスーツに身を包み、バイザーつきのメットを被ったリーダーが先頭に立ち、力強く声を張り上げた。


「寿司もバトルもクールにいこう。サーモンブルー」

続いて青いバトルスーツのサーモンブルー。冷静さを欠かさない口調で名乗る。


「寿司いっぱい食えりゃそれでええ!イカイエローや!」

黄色のバトルスーツ、戦隊一番の巨漢男・イカイエロー。


「ロマンと寿司を追い求める!ハマチピンクよ♪」

最後は紅一点。お色気?担当のハマチピンクだ。


「ニギリンジャーX」が現れたその瞬間、市民たちのパニックが一気に静まり、驚きと喜びの声が広がった。巨大なモンスターに対抗するため、彼らは覚悟を決めて立ち上がったのだ。


マグロレッドが手にした特殊な剣、寿司ソードを振り回し「みんな、いくぞッ!」と叫んだ。


サーモンブルーは冷静な視線でモンスターを見据え「時は来た。いざ、戦うとするか」と言い放つ。


イカイエローは大らかな笑顔で「寿司食って元気満タンや!これで行くで!」


一方のハマチピンクは妖艶な笑みを浮かべ「寿司のロマンと魅力、敵にも分かってもらうわよ」と語る。


マグロレッドが真っ先に飛びかかり、寿司ソードを勢いよく振り下ろす。鋭い切れ味で甲羅を突き刺すと、ガザンサザイは咆哮しながら反撃を試みた。しかし、サーモンブルーが巧みな動きでその攻撃をズラし、背後から閃光の如き蹴りをお見舞いする。


「やるな、ブルー!その調子だッ!」

マグロレッドが声援を送る中、サーモンブルーは冷静に戦況を見極めている。


「うわっ、硬いなぁ!でも、イカ力でぶっとばすで!」

イカイエローは豪快なパンチとキックでガザンサザイを圧倒し、一時的に動きを止めることに成功する。


そして、ハマチピンクはその隙をついて、美しくも華麗な動きでモンスターに接近。


「アナタの弱いトコ、見つけたわよ!」と言いながら、特製のワサビ爆弾をガザンサザイの体内に投げ込む。


爆弾がガザンサザイの体内で爆発し、その痛みによって悲痛な鳴き声を上げる。マグロレッドがその隙を見て、寿司ソードを振り抜き、一気にガザンサザイのハサミを切り落とした。


「これで終わりだ!ガザンサザイめッ!!」

マグロレッドの声が寿町に響き渡り、市民たちは安堵の表情を浮かべた。


しかしガザンサザイは片方のハサミを失ってもなお、怒りに満ちた目でニギリンジャーXを睨みつけた。


マグロレッドは息を詰まらせ「な、なんだ…この生命力は!」と驚愕しながら、周囲の状況を見渡した。


サーモンブルーは機敏に動き回りながら「ここは冷静になる必要があるな……新たな作戦を考えねば」と呟く。


イカイエローは大粒の汗を流しながらも、笑顔を振りまいて「まだまだかい…!ならこっちもや。火事場のイカ力、見せたるで!」と覚悟を示した。


ガザンサザイは再び雄叫びを上げると、残った片方のハサミで周囲を脅かし始めた。ニギリンジャーXはこの危機的状況に対して、再び連携を固める必要があった。


マグロレッドは深く息を吸い込み、リーダーとしての責任を感じながら、冷静に次の行動を考えた。ガザンサザイの生命力と攻撃力は予想以上であり、単純な戦闘では勝ち目が薄いことを理解していた。


「みんな、集中しろッ!」

マグロレッドが呼びかけると、サーモンブルーとハマチピンクがすかさず彼の横に集結する。イカイエローも大きな拳を振り回しながら、牽制している。


「待て。ガザンサザイの強さは予想以上だが、弱点を見つけたぞ」とサーモンブルーが口火を切る。


「あの硬い甲羅の内側を狙う。あそこからなら攻撃が通るハズだ」

「なるほど……しかしあの甲羅を突破するには、寿司ソードを更に強化する必要がある。ピンク、ワサビ爆弾をもっと強力に調整できるか!」

マグロレッドが尋ねる。


ハマチピンクは微笑みを浮かべ「ええ、ワサビのエキスとアブラムシの粘りを調合すれば、より強力な爆発が期待できるわ。ちょっと時間をちょうだい!」と応じた。


「それにしても、予想以上に頑丈だな。だが強度にも限界があるはずだ」とサーモンブルーが呟く。


マグロレッドはこれ以上、戦略を練る時間が許されていないことを理解していた。ガザンサザイの怒りが増す中、ニギリンジャーXは次なる行動を迫られていた。


「ブルーの提案、実行するぞ!ガザンサザイの弱点はあの硬い甲羅の内側だ!寿司ソードを強化し、その弱点に一気に攻撃を仕掛けるッ!」

マグロレッドが決意を示し、ハマチピンクは急いでワサビ爆弾の調整を進めた。


「ワサビとアブラムシの混合は、爆発力を飛躍的に高めるはずよ!」

ハマチピンクが満足げに笑みを浮かべながら言うと、サーモンブルーがさらに補足を加えた。


「ガザンサザイの甲羅は強固だが、内部には爆弾が効果的だと判明している。その隙を突いて集中攻撃だ」


イカイエローは力強く頷き「ワイがパンチを叩き込んで、甲羅を開けたるで!」と意気込んでいた。ガザンサザイは再び脅威を示す姿勢を見せ、市民たちは心配そうな表情でその様子を見守っていた。


「ニギリンジャーX!いざ、全力で攻撃を仕掛けるぞッ!!」

マグロレッドが合図を送り、仲間たちは一斉に行動を開始した。サーモンブルーは敏捷な動きでガザンサザイの攻撃をかわし、おびき寄せる。その隙にマグロレッドは、自分の全寿司エネルギーを寿司ソードに集中させる。


イカイエローのパワフルな一撃が甲羅の一部を開け、そこからハマチピンクが強化されたワサビ爆弾を、ガザンサザイの内部に投げ込んだ。その爆発は市街地に轟音を響かせ、ガザンサザイの激痛の叫び声が空を裂いた。


「レッドはん、今や!!」

イカイエローが叫ぶ。


「――――来たッ!!寿司エネルギーフルチャージッ!!」

マグロレッドの寿司ソードは、宇宙の彼方まで届かんほどの光を発していた。


「究極奥義ッ!!レッド・トロ・スラッシュッ!!」 


マグロレッドが叫びながら、寿司ソードを振り下ろす。寿司ソードから放たれた光はガザンサザイを包み込み、強化された寿司エネルギーは爆発的な力を発揮し、ガザンサザイを容赦なく一刀両断した。


ガザンサザイは激しく咆哮しながら、その巨大な体が崩れ落ちる。市民たちは安堵の息をつき、ニギリンジャーXの勝利に歓喜した。


「やったで、レッドはん!その攻撃、最高やで!」

「さすがリーダー、見事なトドメだったな」

イカイエローがマグロレッドを称えると、サーモンブルーも満足そうに笑みを浮かべた。


「みんなの協力があってこその勝利だ。ありがとう、ブルー、イエロー、ピンク」


その時、ハマチピンクがふと店内を見渡し、小さな寿司屋の店主が感激の涙を流しているのを見つけた。


「あら、お店のおじさんも喜んでるわね。私たちの勝利、この街のお寿司にとっても大切なことなの」

「そうだな。この街の人々に安心と笑顔を届けることが、俺たちニギリンジャーXの使命だ」

マグロレッドが言いながら、寿司屋の店主に向かって歩み出した。


店主は感激のあまり、言葉に詰まってしまっていたが、顔いっぱいに満ちる感謝の意を示した。マグロレッドは優しく手を差し伸べる。


「今日はみんなが助けてくれたおかげで、街を守ることができた。この感謝の気持ちを、俺たちの寿司エネルギーでお返しするよ」と語りながら、店主に手渡した。


店主は体に満ちていくエネルギーを感じながら「本当にありがとうございます。あなたたちがいなければ、私の店もこの街も…」と声を詰まらせた。


マグロレッドは寿司屋の店主に手渡した寿司エネルギーが、彼の店の味を更に美味しくし、客たちに幸せな時間を提供することを願った。店主は涙を拭いながら、深く頭を下げ、ニギリンジャーXに敬意を表した。


「本当にありがとうございます、ニギリンジャーXの皆さん。この街の平和を守ってくれて本当にありがとうございます」と涙ぐんでいる。


マグロレッドは笑顔で頷き「寿司の力は強い。そして、この街の皆さんとの絆もまた、強いんだ」と言いながら、仲間たちと共に寿司屋を後にした。


ニギリンジャーXはさらなる平和を守るために、日々戦い続ける……彼らの勇気と結束が、街の安寧を支え続けているのであった。


【次回予告】


次回、ニギリンジャーXは新たな敵に立ち向かう!その正体は、宇宙からやってきた暗黒寿司師アサリガー!彼の目的とは一体…?ニギリンジャーXは果たしてどのようにして彼を迎え撃つのか?次回もお楽しみにッ!!

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