【短編】婚約破棄されたらモテたけど「次は趣味の合う人と結婚します」
「ジェシカ、そなたとの婚約を破棄する」
学園の卒業式が終わり、若者たちが未来への夢を熱く語り合う舞踏会で、不穏な言葉が発せられた。浮かれて楽しげな雰囲気は一気に霧散する。
「聞こえておらぬのか。ジェシカ・ラングレー侯爵令嬢、そなたに言っておる」
居丈高なもの言いでレオナルド第一王子が、うつむいて震える赤毛の少女に言いつのる。
赤毛の少女は小刻みに揺れる手を胸の前で握り合わせると、レオナルド王子を見上げた。卒業生たちがハッと息をのむ。
ジェシカ・ラングレー侯爵令嬢。完全無欠令嬢とあだ名され、一度も弱音を吐いたことのない彼女が、泣いている……。
ジェシカの森林を思わせる碧の瞳から、ハラハラと涙がこぼれ落ちる。レオナルド王子はそれを見て、少したじろぐがキッと表情をこわばらせると言い放つ。
「ジェシカ、そなたの辛気臭い顔を見るのは今日で終わりだ。私は真実の愛をみつけた。このキャリーこそが私の隣にふさわしい」
レオナルド王子は隣でおずおずと王子の袖をつかんでいる少女を抱き寄せた。平民あがりで、無邪気な言動が人気のキャリー・ミルトン男爵令嬢だ。
「はい。聞こえております、レオナルド殿下。婚約破棄、謹んでお受けいたします。今までありがとうございました」
ジェシカは震えそうになる体をしっかりと立て直すと、レオナルド王子に見事なカーテシーをおこなった。
わっ
周囲から歓声が上がった。
何事かと目を丸くする、レオナルド王子とキャリーをよそに、貴族令息たちが次々とジェシカの周囲に群がり跪く。
「ジェシカ様、アーノルドと申します。ぜひ一曲お願いします」
「あ、お前ずるいぞ! ジェシカ様、ずっと憧れてました。僕まだ婚約者がいませんので、婚約、いえ、結婚してください」
「ジェシカ様、俺と一緒に馬乗りに行かないか。かわいい子うさぎが見れる野原を知っている」
レオナルド王子は目を白黒させて、大騒ぎしてる令息たちに詰め寄る。
「お前たち、いったい何をしている? お前たちもキャリーに惚れていたではないか」
「はあ? 本気なわけないじゃないですか。僕は公爵家の嫡男ですよ、男爵令嬢と結婚するつもりはありません。親になんと言われるか」
「そうそう、殿下がキャリー様に夢中になってジェシカ様と婚約破棄してくれたら、俺たちにもワンチャンあるかなって」
「うまくいってよかったな、お前ら。これからは正々堂々勝負だ。言っておくが、私は負けるつもりはみじんもない」
レオナルド王子とキャリーは青ざめて後ずさる。
「そんな、そんな、嘘よ。だって、みんな言ってたじゃない、ジェシカ様は堅物でおもしろみがないって。アタシの方がずっと素敵だって」
「そんなの社交辞令だから」
「本気にするとかダッセ」
「完全無欠令嬢のジェシカ様と張り合うとか」
「ジェシカ様の美貌と勝負する気だったのかよ」
「目がふし穴とはこのことか」
「キャリー様はマナーがアレだから恥ずかしい」
「一緒に食事すると食欲失せる」
「ジェシカ様の爪でもみじん切りにして飲んでおれ」
「ひどい、ひどいわ。レオ、なんとか言ってやってよ」
キャリーがレオナルド王子の首回りをつかんでガクガクゆする。
「お前たち、キャリーに失礼ではないか。控えよ」
レオナルド王子がややためらいがちに声をかける。そんな王子に側近が苦言を呈す。
「殿下、殿下には何度も申し上げました。王妃教育を真摯に学ばれるのはどちらの女性なのかと。既に学ぶことがない高みにあられるジェシカ様、基本の食事マナーでさえ危ういキャリー様。それでもキャリー様を選んだのは殿下です」
「ジェシカ様を王妃にできないのであれば、レオナルド殿下は王太子候補からも外されるでしょう」
それを聞いてレオナルド王子は顔色を変える。
「っな…………。ジェシカ、その、少し言い過ぎたかもしれん。もう一度話をしようではないか」
レオナルド王子がジェシカに手を伸ばす。キャリーは鬼のような形相でジェシカをにらみつける。
「いいえ、殿下。殿下とわたくしの道は、もう分かたれました。どうぞキャリー様とお幸せに。わたくしは心の傷を癒やすため、屋敷で療養いたします」
傷心のジェシカはふるふると首を振る。
「皆さんも、温かいお言葉をかけてくださって、ありがとうございます。わたくし殿下の隣に立つにふさわしい存在であろうと、夢中で今までやってまいりました。他の殿方の隣に立つ気持ちにはなれません」
ジェシカは愛を乞う令息たちに哀しげな眼差しを向ける。
「どうぞ、わたくしのことは捨て置いてくださいませ」
ジェシカはかすかに微笑むと、会場を後にした。消え入りそうなその背中のはかなさに、会場中の男のハートに火がついた。彼女は俺が幸せにする、男たちの心はひとつになった。
***
ジェシカは馬車の中で微動だにせず、一点を見据えて固まっていた。
もう少し、もう少しの辛抱だ。急いては事を仕損じると言うではないか。ジェシカはじりじりと馬車が屋敷に着くのを待った。
「お帰りなさいませ、ジェシカお嬢さま」
侍女のアルマと執事のロンがもの問いたげに少しソワソワしている。
ジェシカは口角を少しだけあげた。
パアッと一瞬アルマとロンの顔に笑顔が浮かんだが、ふたりはすぐに真顔に戻す。
「旦那様と奥様にお伝えいたします」
ロンが足早に二階へと登っていった。
ジェシカは部屋に戻ると、アルマの手を借りて、手早く室内着に着替える。
廊下に出ると、ロンが待っていた。
「皆さまお揃いでございます」
ジェシカはしずしずと廊下を進み、地下へと続く階段を降りた。いざというときの避難所である地下広間には、両親と弟妹が手をつないで待っている。その後ろには屋敷の使用人がずらりと並ぶ。
ジェシカはロンからシャンパングラスを渡された。喉が渇いていたので、ジェシカはひと息で飲み干す。すかさずロンが新しいグラスを渡してくれた。
「みんな、待たせたわね。やっと、やっとこの日が来ました。レオナルド殿下が、わたくしとの、婚約破棄を、卒業生たちの前で、宣言しました。…………自由に!」
「自由に!」
みんなシャンパンを一気飲みすると、それからは大騒ぎだ。身分も立場も関係なく、踊り歌い飲み騒ぐ。次々と料理が運ばれ、高級ワインが開けられていく。
誰かが楽器を持ち出し、ジェシカは歌って踊った。大きな声で笑い、肩を叩いて抱き合った。
ジェシカは幸せだ。
長く辛い王妃教育に耐え、アホなレオナルドのつまらない話に半笑いであいづちをうつ日々は終わったのだ。偽りの淑女姿に騙され、言いよる男どもをあしらう必要ももうない。
「わたしは自由だ」
ジェシカはワインを飲み干すと、笑いながら気絶した。飲みすぎである。
***
「うううう……飲み過ぎた。朝日が目にしみる……カーテンしめてよアルマ」
ジェシカは自分の酒臭い息に吐きそうになりながら、カーテンを開けたアルマに文句を言う。
「ジェシカお嬢さま、もう昼でございますよ。そろそろ起きてください。着替えてきちんとスープを飲めたら、お嬢さまにいいものを差し上げます」
ジェシカはひっつきそうになるまぶたを無理矢理こじあけてアルマを見る。誇らしげに掲げるアルマの手にあるのは、
「チケット! どれどれどれなになになに? ちゃんと着替えるから、スープも飲むから。お願い、教えてください、アルマ様!」
ジェシカが拝み倒すと、仕方がないなあと、アルマはため息をついた。
「ミッテラン劇団の新作、『太陽と月の女神』ですよ。原作もご用意しております」
ジェシカが薄い本を後ろから出した。ジェシカは手を伸ばすが、アルマはエプロンのポケットに入れてしまう。
「ほらほら、着替えてくださいな。舞台は今夜ですから。しっかり支度しませんと」
「アルマ大好き!!」
ジェシカはアルマに叫んで抱きついた。
「さ、酒臭いです、お嬢さま。スープの前にお風呂ですね。そんな酒臭い令嬢は、劇場に入れませんよ」
「そうね、その通りだわアルマ。二日酔いでミッテランの新作を見るなんて、神への冒涜だわ」
ジェシカはあちこちにぶつかりながらヨロヨロと浴室に入る。後ろでアルマがため息をついているが、気にしない。この屋敷には、ジェシカに淑女らしさを押しつける者はいないのだから。
***
アルマに磨き上げられて、二日酔いのヨレヨレから、憂いの淑女に早変わりしたジェシカは、劇場の侯爵家専用ボックス席でいまや遅しと舞台が始まるのを待っている。
ジェシカの趣味は観劇と読書だ。家にいるときは常に本を読み、外出するのは劇場か本屋である。
本をひとたび開けば、ジェシカはすぐその世界の住人になれる。言葉のひとつひとつを読みとり、味わい、本の中を生きるのだ。全ての本がジェシカの友だちであり家族なのだ。
自分の想像力で楽しむ本とは違い、誰かの夢の世界に招待される舞台は、また別の素晴らしさがある。
ジェシカは眼前に繰り広げられる、太陽神アポロンと月の女神ダイアナのめくるめく恋のかけひきに、ただただウットリしていた。
夢中になりすぎて、誰かがボックス席に入ってきて、隣の席に腰かけたことにはちっとも気づかなかった。その誰かが、舞台が終わる前にスルリと出て行ったのも、アルマがそのことを咎めなかったのも。
***
ジェシカは昨日見た『太陽神と月の女神』の劇評をカリカリと綴っては、線を引き、紙を破り、丸めて投げという作業をしていた。
一度試しにと乞われて書いたところ、読者に好評だったようで、ジェシカは舞台の劇評をよく依頼される。
ジェシカは愛ある劇評を心掛けている。悪いことは書かない。探せば必ず良い点があるのだから、そこに注目するのだ。良い点が少ない舞台だった場合は、劇評を書くのを断ることにしている。
中には、酷評や問題点を書いてこそ一人前の劇評家、などとのたまう人がいることも知っている。でもジェシカは褒めたいと思うのだ、文句なんて書きたくない。
毎日体を鍛え、発声や踊りの練習、美しさを保つためにたゆまぬ努力をしている俳優たち。そして、俳優を輝かせるための舞台装置、音楽、照明、衣装、さまざまな人が陰に日向に支えて舞台が出来上がる。引き込まれる脚本、そして舞台をまとめ上げる演出が重要なのは言わずもがなだ。
才ある人が、舞台のためにさらに努力して才能を磨き、皆の力が結集して最高のショーが出来上がるのだ。
そこに、上から目線で物申すなんてナニサマだ、ジェシカはそう思う。
だから、ジェシカは真摯に褒める。おべっかや媚はいけない。それは美しくない。彼らの本気の舞台に、ジェシカは一文字一文字、心をこめて応えたいのだ。それが夢のような時間へのお礼だと思うから。
「そういえば、アホのレオナルドは今もあんな感想を送っているのかしら?」
ジェシカはペンを指でユラユラしながら考える。
幼いとき、ジェシカとレオナルドは一緒に教育を受けることがよくあった。綴りの勉強のとき、教師が
「今日は好きな本や舞台の感想を書いてみましょう。あとで作家に送りますからね。いい勉強になります」
と提案したのだ。
ジェシカは好きな童話の作家宛に、つたないながらも一生懸命、丁寧に手紙を書いた。
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グレーン・ドランディさま
あなたの『泉の森の物語』はわたしのいちばん大好きな本です。
森でまよった女の子が、クマさんとおともだちになって、
ラズベリーをたべるところがたのしかったです。
わたしもクマさんとラズベリーがたべたいです。
あなたの大ファン ジェシカ・ラングレーより
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それを読んで、小さいときから偉そうだったレオナルドは鼻で笑ったのだ。そして、さらさらっと上手な字で書き上げた。
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グレーン・ドランディ
『泉の森の物語』はこんやくしゃにすすめられて読んだ。
わるくはないが、話のてんかいが子どもだましだと思う。
クマはラズベリーより人の子を食べるのではないか。
励めよ。
レオナルド・キングスレー第一王子
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これを読んで、ジェシカは激怒した。こんな感想はゴミ箱に捨ててしまえ、とレオナルドをののしってしまった。ジェシカは一ヶ月レオナルドと口をきかなかった。それ以来、綴りの授業は別々に受けることになった。
「ま、あいつ本読まないしな。書かないか。あんな感想なら書かない方がよほどいいわ」
やっと劇評の内容がまとまって、ジェシカは鼻歌まじりで書き上げると、アルマに渡した。
***
ジェシカは至福の時を過ごしている。王妃教育と社交が忙しくて、読めていなかった本を今日はひたすら読むのだ。
お気に入りの長椅子にクッションを置き、子どもの頃から使っているボロボロのブランケットをかぶると、本の世界に飛び込む。
五冊目を読み終わり、ジェシカは満ち足りたため息をもらすと、大きく伸びをした。
「読み終わったかい?」
ひうっ ジェシカは本を取り落とした。扉の前に立つのは、
「デイヴィッド叔父様!」
ジェシカは走り寄って抱きついた。
「いつ戻られたの? すぐに声をかけてくれればよかったのに」
ジェシカは小さな子どものように口をとがらす。
「ジェシカは本を読んでるときに話しかけても、聞こえないじゃないか。それに無理に邪魔すると怒り狂うし」
デイヴィッド叔父様が苦笑する。
「もう怒り狂ったりしませんわ。ちょっと不機嫌になるだけよ」
ジェシカはツンと横を向く。
「それより叔父様、お土産は? 素敵な外国の本を買ってきてくださったのでしょう?」
「ではお茶を飲みながら見せてあげよう。朝からずっと本を読んでいたのだろう? 体を動かさないと病気になるよ」
「だって、久しぶりの読書だったのですもの。まだまだ読む本があるのよ、嬉しいわ」
「まあ、ジェシカも大変だったみたいだし、しばらくはのんびりすればいいさ」
「デイヴィッド叔父様、約束通りわたしがんばりましたでしょう。褒めてください」
デイヴィッド叔父様はジェシカの頭にポンと手を置いた。
「よくがんばった。辛かっただろうに、投げ出さずに偉かったね」
「はい。殿下が婚約破棄を言ってくれて本当によかったわ。もしあのままあの、ア、アレな殿下と結婚したら、わたし頭がおかしくなっていたに違いないわ」
「はははは。ジェシカは本を読まない男性の点が辛いからなあ」
「本を読まない人とは結婚したくありません。まあ、もう結婚する必要もありませんけど」
「ジェシカにもそのうち、いい人が見つかるさ。本と舞台が好きなね」
「叔父様は? 叔父様はまだ結婚しないの? まだ好きな人をずっと思ってるの?」
「まあ、そうだね。どうかな、どうだろう。大人には色々あるのさ」
「叔父様はまだ髪もフサフサだし。お腹も出てないし。キレイなお顔をしているし。本も舞台も好きだから、いざとなったら私がもらってあげるわ。叔父様とは血はつながってないし」
デイヴィッド叔父様は父の弟だが養子なのだ。
「はははは。こんなおじさんがジェシカと結婚したら、国中の男に恨まれて、国にいられなくなるなあ」
「そんなこと気にしなくていいわ。そしたら私、叔父様と一緒に世界中を旅して本を書くわ」
ジェシカはいたって本気だった。
デイヴィッド叔父様はジェシカの十歳上で、ジェシカにとっては兄のようなものだ。昔はお兄さまと呼んでいたのだが、レオナルド王子との婚約が決まってから周囲にたしなめられて、叔父様と呼んでいる。
ジェシカはいつかデイヴィッドと結婚するのが夢だった。ジェシカに本の読み方を教え、初めて観劇に連れていってくれたのもデイヴィッドだ。
レオナルドとの婚約が王家から打診されたとき、ジェシカは断固拒否したし、家族も反対した。王家に半ば脅されて仕方なく婚約したのだ。
泣き喚くジェシカを慰めてくれたのは、やっぱりデイヴィッドだった。
「ジェシカ、ジェシカはこれからずっと演技をするんだ。舞台で見ただろう? 王女様を演じるんだ。そうすれば、きっといいことが起こる」
そして、ジェシカに森の中に住む女の子の話をしてくれたのだ。
女の子は森の中で毎日楽しく暮らしてる。妖精や動物が友だちだ。あるとき魔王がやってきて、女の子を城に連れて行ってしまう。女の子は毎日王女になる勉強をさせられる。女の子が完璧な王女になったとき、魔王は惨めになるんだ。
惨めって言うのは、自分より女の子の方がなんでもできるから、悲しくなるってことだよ。そうすると、魔王はイヤになって女の子を元の森に戻してくれる。
「ジェシカにできるかい?」
ジェシカは泣きながらうなずいた。デイヴィッドは悲しい目をして、いつまでもジェシカを撫でてくれた。
***
「デイヴィッド叔父様、今日はどんな舞台に連れて行ってくださるの? 題名も教えてくれないんだもの。わたし気になりすぎて、昨日はよく眠れなかったわ」
劇場のボックス席でジェシカがぷくーと頬を膨らませる。デイヴィッドは笑いながらジェシカの頬をつつく。
「もうすぐ分かるよ。ジェシカが気にいるといいなあ」
「あら、デイヴィッド叔父様のおすすめで、わたしが好きにならなかったものなんて、今まで何もなくってよ」
劇場が暗くなり、舞台に小さな少女が現れた。少女は軽やかに花の精や動物たちと踊る。舞台に稲妻が走り、魔王の登場だ。少女は塔の小さな部屋に閉じこもり、来る日も来る日も勉強する。素敵なレディになった少女を、魔王は森に追放する。森に帰った少女は友だちのクマに出会う。クマは王子の呪われた姿だったのだ。少女とクマだった王子は舞台をところせましと楽しげに踊る。
劇場に明かりが灯り、観客がゆっくりと出ていく。
デイヴィッドは隣に座るジェシカの手を優しく包んだ。
「お兄さまではなく、叔父様でもなく、ジェシカの伴侶になりたい。ジェシカ、結婚してくれるかい?」
「ええ、デイヴィッド。昔からずっと決めていたのよ」
デイヴィッドとジェシカはそっとキスをする。
***
社交界は衝撃的なうわさで大揺れだ。
レオナルド第一王子が王位継承権を第二王子に抜かれ意気消沈していること。
キャリー・ミルトン男爵令嬢が、王家に混乱をもたらした罪で平民に逆戻りしたこと。
完全無欠令嬢ジェシカ・ラングレーが、舞台観劇中に淑女らしくない大笑いを見せたこと。それがとても魅力的だったこと。
そしてジェシカ令嬢の隣に、大人の魅力あふれる男がピッタリと寄り添っていたことも。
<完>
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