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魔王の娘は破天荒すぎる  作者: 作者不詳
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第五話 ミセスブラン

第5話 ミセスブラン


水晶を散りばめたような外観の都、水道が完備され、多くの娯楽施設や宿屋や様々な武器や防具、それらを作る工房が立ち並ぶ、ここはミセスブラン…この世界で一番の大富豪と目される淑女が作り上げた美しい街。




「久しぶりね、ブライト」


ミセスブラン町長室


目の前にいるのは茶髪のショートボブにどこか妖艶な雰囲気を纏うキャリアウーマンのような長身の美女、目元はくっきりとした奥二重に豊満な胸、ふっくらとした唇、見るものがどきりとするような妙齢の美女。


「そうだな、ミセスブラン、旦那は元気か?」


黒いソファーに座り出された珈琲を飲みながらブライトはにやりと笑う。


「旦那様は相変わらず元気よ、懐かしいわね、ブライト、貴方と三人で旅をした日々が」


「まあな、若かったからなあ、俺達も」


「それで弟君と、妹ちゃん、美しいメイドさんを引き連れて私に何のお願いかしら?」


ミセスブランはくすくすとブライトの隣に座るジルとキサラとその後ろに立つミリアを見ながら笑う。


「ジル君も会った事あったけれど、キサラちゃん大きくなったわね」


「会ったことあったっけ?」


「キサラちゃんの10歳の誕生日の時会ったことあるわ、キサラちゃんのお父様がたまたまこちらで商売しに来た時にね」


ミセスブランはくすくすとキサラに眼を向ける。


「やっぱりあの時あのおいしいケーキを作ってくれたお姉さん?」


「そうよ、今日も作ってあげるからね、それと今日一緒にお風呂入ろうか」


「おい、どさくさに紛れてうちの妹を手籠めにしようとするんじゃない」


「あら残念、このくらいからおいしくなれるのに」


ミセスブランは残念そうにつぶやく。



「ブライト様…」


「…分別はあるから大丈夫だ…だがこいつはどっちもイケるクチだからな」


「あら、怖い人みたいに言わないで頂戴、私も考えるわよ、本題きくわ」


そういうとミセスブランは珈琲を啜る。



ミセスブラン…


世界一の大富豪と呼ばれる前にとある小さな冒険者ギルドから生まれた元ランクオーバー冒険者、冒険者ギルドとは世界に散らばる財宝や謎を解き明かし、時に誰かを護り、誰かと戦う世界をまたにかける組織である。


冒険者にはランクが指定され一番最初からE.D.C.B.A.Sと階級があり、その最高のSを超えた者をランクオーバーと呼ぶ、人智を超えた能力を持つ数人の世界最高戦力、ミセスブランはその中でも最凶を誇り、引退した今でも恐れられている。そんな凄腕の元冒険者であるミセスブランと共にEランクから組んでいたのはブライト=ドラゴニックと彼女の後の旦那となる世界最硬のランクオーバーの男、組んでいたパーティ名は「三修羅」 

修羅の如く全てを殲滅した悪鬼のような三人、今でも語り草である。

そんなかつての仲間にお願いするのは。



「ああ、あの爺に紹介状かいてくれよ、そしてあのバカの使用許可も、シゼルの爺の紹介状はもうもらってある」


「グランドマスターの紹介状ね、シゼルさんが紹介状かいたならいいけど、正気?」


「シゼルの爺は、この子なら認められるだろとか言ってたけどな」


珈琲をチビチビ飲むキサラを見ながらブライトはカカカと笑う。


「…貴方も丸くなったわね、いいわ、その件は受理したし、グランドマスターもその子に会いたがってたしね」


「ああ、シゼルの爺同様、あの爺も孫のように考えてるからな」



ブライトはため息をついて珈琲を飲みほした。





とある黒い祠


「…戦いてえなあ」


巨大な獣達の骸の上で一人の眼光するどい黒髪の黒い着物を着た黒い大剣をもった少年が静かに呟く。


その瞳は暗くただ純粋な漆黒、強者を待つ武芸者の眼だった。







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