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魔王の娘は破天荒すぎる  作者: 作者不詳
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第四話 旅立ち

第4話 旅立ち


「ハンカチもったかい?忘れ物はないね?」


金髪のグラマラスな美女はにこやかにキサラを見ながら頭を撫でる。


彼女の名前はジルオール、息子達とは違いただのジルオールとして名乗っている、元々ドラゴニックの姓は息子達が冒険者としての功績を作り、姓を名乗る事を許されたからこそ名乗っているだけで、本来竜というものは姓にこだわりはない、だが彼女の種族としての強さと畏怖をもって彼女の名は連綿と人界、天界、魔界に響いている、ちなみに息子二人は人間として人界を旅していたのであえて竜であることは信頼できる人間にしか教えておらず、二人は凄腕の冒険者としての側面しか多くの人に知らされてはいない。



「ジルオール母さん、大丈夫よ、シゼルお爺ちゃんの紹介状もあるし」


キサラはにこやかに言い返す、生まれ育った巨大な白亜の城に視線を向けて改めてにこりと微笑む。


「ちゃんとお小遣いと持ってく道具は大切に使うんだぞ」


「うん!ありがとう、シゼルお爺ちゃん!」


「ちゃんと勉強したことをすれば大丈夫だからね、たまには帰っておいで」


「父さん!うん!」


父と呼ぶべき大魔王、祖父と呼ぶべき謎の老人、母と呼ぶべき最強の竜に頷くと

「ミリア姉さん!ブライト兄さん!ジル兄さん!いくわよ!」


三人の兄と姉と共に風のように姿を消した




「行っちゃったね」


「そうだな、ベルセルク」


「まあ大丈夫だろ、うちのバカ息子達もいってるし」



三者三様ににこやかに笑いながら言うと同時に


「…魔王軍の皆にも声かけとかないとねえ」


「なんだかんだ奴らも溺愛してたからなあ」


「四天王なんかはもうすでに有給をとってあの子のサポートしにいってるみたいだしな」



「魔王のあの子もサポートだしね、心配だから彼にも声をかけておくか」



ベルセルクはかつて共に戦場をかけぬけた友人の顔を思い出しながら何事かを呟き手紙をサラサラと書くと同時に手紙を転移させた。





同時刻

人族最大の国

大和王国


初代勇者が召喚され産み出したとされる昔ながらの建築方法で作り出された純和風の国。様々な人種が住み、巨大な街並みは古くからある東の大陸の侍達が住むジパングとは隔絶された世界有数の大国。


様々な王の住まう中央大陸の中心とも言えるこの国の王…大魔王ベルセルク=ワーグナーと共に世界の平和に尽力した藤宮成樹ふじみやなるきが執務室で作業をしていた。


黒髪黒目の眼鏡をかけた穏和な雰囲気を纏った作務衣を着た青年、どことなく線が細く、美青年というよりは素朴な二枚目というような雰囲気だ。年は20と少し程度の見た目ではあるが、彼も見た目通りの年齢ではなく不老不死となっている、どのような条件になるかは様々な要素が積み重なるのでそれぞれの適正によって様々であるので解明はされていない、だが藤宮成樹とベルセルク=ワーグナーは自身の強さのみでここまでになったといえよう、そして彼にはそれ以外にも重要なファクターがある、それは彼が召喚された勇者であること、遥か昔にとある神によって転移させられたという事、彼の魂の属性が異質であった事もあり異端の勇者として召喚された事、そのせいで最初から世界の敵認定もされたが、彼の生来の優しさで逆に世界を味方につけ最終的にベルセルクと友になり様々な仲間と共に世界を救った英雄として彼はこの国の王として存在している。彼の物語はいずれ語るとするがそんな彼が懐かしそうに手紙を受け取った。



「…ベルセルクからか、彼女の娘も大きくなったろうな」


十年前に娘だと紹介しにきたベルセルクの娘、キサラを思い出しくすりと笑う。


「女性に対して鈍感な彼が子供を育てると聞いた時は驚いたものだけどね」


藤宮はにこりと微笑みながら手紙を見る。


「そうか、キサラちゃんは冒険者になるんだね、ブライト君とジル君にミリアちゃんか、優秀すぎるお供がいるけれど、ベルセルクの娘ならちょっと社会勉強しないといけないかもね」


藤宮はにこりと笑うと頷く。


「とりあえず、うちに来るみたいだから迎えをよこしてもいいよね、ベルセルクに手紙でただよろしく頼むといってるし、何よりキサラちゃんを懸想してるあの子がいるからね」


藤宮はくすくすと笑うと旧友に手紙をその場でしたため手紙を転移させた。




同時刻

南大陸ベルセルクフィールド


「さてここから楽しい大冒険がはじまるわけだが、キサラはどこまで世界の事を把握してる?」


「大体かな」


「そうか、じゃあある程度の知識はあるな、確認してもいいか?」


ブライトの言葉にキサラは頷く。



この世界の名前はインフィニティクラウン


神が名付けたのか悪魔が名付けたのか知らないがそういう名前として定着していた。そしてこの世界には創世記というものはなくただ神や超常の者達がいるというだけだ。


数少ない情報だけでもこの世界に住む者達はそれぞれに信仰を産み出し技術を産み出し子孫を繁栄し、争い滅び生まれを繰り返している。


失われた情報は時折発見されてはこの世界の失われた部分に補填されている。


大陸は


中央大陸 ユニゾンフィールド

西方大陸 ゴットフィールド

東方大陸ジパングフィールド

南方大陸ベルセルクフィールド


そして未知の大陸海向こうの正解無限大陸がある。


魔術に至っては


初級・中級・上級・最上級・神級・古代級・神話級がある。


そして属性について魂に宿る属性がもっとも適正が高く、基本的に全属性取得は可能とされる。だが最初から全属性適正を持つ者よりも習得が困難とされ生涯で全属性を使える者は少ないとされる。


属性としてあるのは


水・火・風・土・雷・氷・闇・光・木があり、そこから派生させた属性、また固有属性、複合属性等がある。


スキルについては習えば扱えるスキルから行動によって使えるスキル、また意志の選択によって魂の在り方ともよべる固有スキル、通称ユニークスキルというものが存在する。



キサラの説明を受けてジルは頷きながら


「そのくらいわかってれば後は実践してれば覚えるね、ギルドの関しては街についてからしようか」


「そうですね、お嬢様は常に勉学について真摯におられますから、学べる場所があればそのほうがよいかと」


ミリアの言葉にキサラは照れ、ブライトとジルはにこやかに笑った。


「さてこれから向かうのはミセスブランの街だ、名前に自分の街を入れるくらいだから、なかなかな奴だが、面白い奴だからそこにます向かおう」


「僕らのレベルで揃えるのなら適してるね」


「あの方にお嬢様を会わせるの不安もありますけどね」


「?」


キサラは首をかしげながらその話をきいていた。



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