第十二話 超常の者達
第十二話 超常の者達
種族として全てを逸脱した者達がいる、それは生来の者であったり後天的に限界を超えてきた者達だったり、色々だ。
だがブラックマンは気づいてしまった。
彼はまだ成長の余地もあるしこれからS級、もしくはランクオーバーにもなりうる逸材だ。
だからこそ彼は気づいてしまった。
今の自らでは太刀打ちできない化け物を瞬時に倒したこの者達の底知れない力に、何より面倒を見られているはずのあの少女が一番底が知れないという事に…。
彼女はこれから成長していくだろう。
それは恐ろしい速度で。
今いるランクオーバーすらも超える最強の王として。
彼女はそれだけの力を有している。
名前を聞けばなるほどと思った。
この世界でもっとも知られており最強であり最凶の大魔王。
ベルセルク=ワーグナーの娘。
であるならばそう考えても仕方ない。
血の繋がりはなくとも、世界の理として家族と認めたものには魔力の繋がりが生まれる事がある、彼女は生来の能力に加え大魔王の恩恵も受けたのだろう。
礼儀作法もいいし性格も良さそうだ。
マーロックすらも嬉しそうに頬をほころばせている。
周りの者も嬉しそうだ。
彼等二人、ブライトとジル兄弟は怒らせたら大陸さえも滅ぶとされている猛者、彼等は恐らく人ではない、纏う生命力というか力というものが紛れもなく人ではない、恐らく竜種だと思われる、あえて何も言ってないがわかる奴にはわかるという奴だ。
そして黒衣の少年も紛れもなく人ではない、隠してはないのだろうが、覇気が違う、何よりレベルが違う、彼は見た目通りの年齢ではない。
紛れもなく武具精霊か、それより上位の剣精の類だ。
もうこの人達怖い。