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魔王の娘は破天荒すぎる  作者: 作者不詳
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第十話 次の場所へ

第10話 次の場所へ


「あら、ケーキを作る前になってしまったわね」


ミセスブランは残念そうにそう呟く。


「ああ、こいつがいらん騒ぎを起こして俺達の事を勘繰る奴が出てきたからな」


「すまぬ」


ブライトはため息をついてカゲロウを見る。


「まあいいじゃないですか、兄さん、結果的にディーが仲間になったわけだし、あの面倒な国に行かなくてもいいわけだし」


「追手は来そうだけどな、まあ冒険者ギルドの登録だけに済んだのはいいことだ」

不穏な事をいいつつもブライトは肩を竦めて


「次はグランドマスターのお膝元大和王国に向かう、キサラも会ったことがあるだろう?王は?」


「成樹おじ様?」


「そうだな、ベルセルクの旦那と世界を救ったあの勇者王だ、もっとも本人は勇者なんて言わないだろうがな」


「[喰う者]の藤宮成樹か、あいつは敵に回したら詰むな、俺でも戦い方が限られる」


「ディー、お前は最初から喧嘩で考えるな」


ブライトはため息をつくと


「俺達はこれから向かう事にするよ、すまないな」


「いいわ、騒々しくなったからね、また遊びにきてくれれば」


ミセスブランはにこりと笑うとそう言い返した。




「まあ、あれだけの事をすれば凄腕のパーティーには眼をつけられるわね」


見送った後にミセスブランは苦笑をする。




「おい見たか?」


紅いバンダナをつけてミスリル製の白銀のコートにレザースーツとレザーパンツをつけた、茶髪のどこか軽薄そうな青年はにやりと笑った。


「見た見た」

露出の激しい踊り子服を纏った整った顔立ちの紫髪の女も頷く。

その二人を見ながら苦笑を浮かべる人の良さそうなスキンヘッドの僧侶服を纏った青年は肩を竦めている。


「運が向いてきたぜ、あの女の子をうちのメンバーにいれたらランクオーバーも夢じゃない」


「ジーン、お前はいつもいきなりだなあ、殲滅王と冥王が妹と呼んでいた女の子を仲間にするなんてどうすればいいんだ?それにお付きのメイドもあの少年も只者じゃないぞ」


「ルーカス、そりゃ先輩としての手ほどきをしておいおいだよ、そしたらお兄様達も」


「そうそう、やってみなくちゃ!」


「カチュア、君もか、やれやれ困ったな」


ルーカスと呼ばれた僧侶は踊り子のカチュアを見ながらリーダーの盗賊ジーンに眼を向ける。



「まあ、なんだかんだ良縁にするのが我らがリーダーだからな、次の街でコンタクトをとるか、大和王国に向かうなら次の街はミネルバだろうからな、話を聞く限りじゃグランドマスターのとこで登録をするみたいだからな」


「話がわかるな!そうだぜ!俺達はお友達になりにいくんだ」


「そうそう!!いずれ大物になりそうなルーキーにね」


「はたから見たら怪しい事この上ないがな」


そう言うと三人はミセスブランの街から飛び出て先回りをするために行動するのだった。



ミセスブランから歩いて1時間の街道


「ここは景色がいいわね」

「港町ミネルバへ向かう街道だからな、ここは整備されていて魔物除けやら駆除を率先して行われているから比較的安全だ」


ブライトの説明にキサラはふむふむと頷く。


「だから子供達も安心して歩けるのね」


「ここには守護竜もいるからな、人を愛し人を伴侶にした特異な竜の眷属が、ミネルバにも確かいたな、その竜の四男が、竜と人とのハーフだから、半竜人という所か」


「マーロック=ミネルバ、その街の町長だよ、兄さん」


「そうだったな、俺は面識はないがジルは面識あったのか」


「そうだね、懇意にしているよ、あの町は魚もおいしいからね」


「んでこいつはいつまで連れてくんだ?」


「荷物持ちにいいだろう?」


ディーに声をかけられびびるカゲロウを見ながらブライトは笑う。


「まあ人相手ならそこそこいけるし、剣術は最高峰だからな、キサラの先生にもいいだろう」


「先生にするにはちょっと不潔ですから身ぎれいにしませんとね」


「はいいい!!」


ミリアの射殺すような瞳にまたカゲロウは叫び声をあげる。



「まあ楽しくいこうか」


空を見ながらブライトはにやりと笑った。




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