ガゼの訃報
翌朝………
「セナ!大変だ!」
北軍が占領した中央地区の町1つの建物にいたセナの所にジルが息を切らせやって来た。
「ジル、そんなに慌ててどうしたの?」
セナは息を切らせたジルを見てそう言った。
「はぁ、はぁ、はぁ、こっ、ここから30キロ先にある町でガゼがやられた、はぁ、はぁ、はぁ」
ジルはよほどの距離を走って来たのか汗だくになりながらセナにそう伝えた。
⁈
「えっ⁈ ガゼが⁈ 」
「……… 」
セナは一言そう言うと押し黙った、まるで始めから誰かが死ぬのは覚悟していたかの様に。
だが、覚悟はしていても感情は抑えられないのであろう、セナの目からは大量に涙が流れ出ていた。
ジルは押し黙ったまま泣くセナを見て目を赤く染めた。
「………今、団長がキーナを連れてガゼを殺った奴を狩りに行ってる……… 俺たちはその間の留守を頼まれた、どうする?動けるか?なんなら俺が1人で動くけど……… 」
ジルは目を赤く染めたままそう聞いた。
「………大丈夫、私も動くよ、団長達がいない間私達でしっかりと穴を埋めないとね………」
セナはハンカチで溢れ出る涙を静かに拭きながら震える声でそう言ったのだった………




