第3支部マスター シキ
「クッ、このイカレヤローが!」
ガゼはそう言い男との間合いを詰めた。
「はっはっはっはっ、俺がイカレヤローだと?俺の何がイカレてる?」
男は剣を構えそう聞いた。
「お前みたいになぁ、人殺しを楽しんでる奴の事をイカレてるって言うんだよ!何が最高だバカ!」
ガゼは間合いを詰めながらそう吐き捨てた。
「はっはっはっは、それを言うならお前らの方こそイカレてるぜ?人殺しを楽しまないでどうする?戦争で敵を1人殺すたびにお前らは悲しむのか?それこそ正気の沙汰じゃねぇ」
男は準備運動をするかの様に剣を一振りした。
「クッ」
ガゼの言葉が詰まった。
「それになぁ、人殺しは人間の本能なんだよ、天敵のいない人間が人間を殺さないでどうする?人間が増え続ければ自然は壊れ食べ物はなくなり最期はどうせ奪い合い殺し合うだろうが!違うか?あ?
」
男は剣先をガゼに向けそう言った。
「なるほどな、だがな、それでもなんとかしようって考えるのもまた人間じゃねぇのか?」
ガゼは怪訝そうにそう言った。
「はっはっはっは、そんな事誰が本気で考てる?それに考えた所でどうする事も出来まい、増えすぎた人口は戦争によって減らすしかないんだよ、歴史がそれを証明しているだろが、人間はこの先もずっと戦争を起こし続ける、人間の本能によってな、お前みたいに綺麗事を言えるのは満たされてる時だけだ、食べ物や飲み物がお前の前から消えた時、初めてお前も俺の言ってる事が分かるだろう」
男はそう言い手についた血をすすった。
「だからって人殺しを楽しむ奴は許せねぇ!お前が今斬った奴らにだって家族がいるんだ!この戦争が終わって無事に帰って来るのを待っている家族がな!死にやがれこのイカレヤロー!」
ガゼはそう言いその男に斬りかかった。
「ズバッ」
「ぐぉ」
「ズバッ」
「ぬぅぅぅ」
「ガタッ」
ガゼはその男に2度斬られ地面に片膝を着いた。
「ガタイがいいだけあるじゃねぇか、俺に2度も斬られて生きてるなんて」
その男はガゼの血を味わった後にそう声をかけた。
「はぁ、はぁ、はぁ、なっ、なんじゃあこの血はー!おっ………俺が斬られただとぉぉぉ⁈ そっ、その剣さばき、お前、只者じゃねーな、なっ、何モンだテメーは!」
ガゼは息を荒げそう叫んだ。
「俺か?俺は鷹の十二騎士団、第3支部マスターのシキっていう者だ、冥土の土産に聞けて良かったなぁ」
シキはそう言うと剣に着いた血をハンカチで拭き始めた。
⁈
「なっ⁈ なんだとぉぉぉ、お前みたいなイカレヤローが王族兵だとぉ⁈ しっ、しかも第3支部の頭⁈ 」
ガゼは驚きそして呆気に取られた。
「なぁ、あんた、この町には一体何人くらい北軍の兵が来てるんだ?ん?それを教えてくれれば今回は特別にあんたを見逃してやってもいいんだぜ?」
シキは笑みを浮かべそう聞いた。
「そっ、そんな事を聞いてどうするつもりだ?」
ガゼは息を荒げたままそう聞いた。
「勿論、北軍の兵士をこの町から叩き出すつもりだ、そんな事聞かなくても分かるだろ?」
シキは笑みを浮かべたままそう答えた。
「この町から北軍を叩き出すだって?お前1人でか?そんな事無理に決まってるだろ」
ガゼは息を荒げたままそう吐き捨てた。
「はっはっはっは、俺が1人でか?はっはっはっは、はっはっはっは、1人な訳ないだろ、第3支部の連中をこの町の外に待機させている、俺が今1人なのはちょっと偵察しようとここに来てな、そしたらお前達に見つかっちまってなぁ」
シキは剣に着いた血を拭き終え剣を腰にしまった。
「なっ、なんだとぉ⁈ お前1人なら話しは分かるがなんで他の王族兵達がこんな所に来てるんだ!お前達の管轄は都だろうが!」
ガゼは息を荒げたままそう言った。
「はっはっはっは、確かにあんたの言う通りだよ、そりぁこんな所に王族兵が来たら驚くよなぁ」
シキはそう言い微笑んだ。
「なっ、なんでココに来た?目的はなんだ?それを言えばこの町にいる北軍の兵士達の人数をお前に教えてやる」
ガゼは斬られた胸を押さえながらそう聞いた。
「………仕方ない、ココだけの話しだぜ?この件は極秘で動いてるからな」
シキは1つ溜め息をついた後そう言った。
「俺達がココに来た理由はなぁ、お前達北軍が余りに勢い良く中央地区を侵略するもんだから俺の親父が焦っちまってなぁ、このままだと中央軍が負けちまう、どうしようって俺に泣きついて来てなぁ、それなら俺に任せろって鷹の十二騎士団には内緒で俺の支部の連中を引き連れてここまで出張って来たって訳だ、陰で中央軍を助けてやる為になぁ、あぁ、ちなみに俺の親父は中央政府のトップ、ボル最高総司令官だぜぇ」
シキはそう言い不適な笑みを浮かべた。
「さぁ、俺がココにいる理由は教えてやった今度はお前が教える番だぜ?」
シキはそう聞いた。
「お前がボル最高総司令官の息子だと?そいつはお笑いぐさだな、まぁ、いい教えてやるよ俺の答えはこうだ!」
ガゼはそう言い咄嗟に片膝を着いたまま剣をシキに向かって振った。
「ヒュン」
シキは咄嗟にガゼの剣を避けた。
「何のマネだ?」
シキは驚きながらそう聞いた。
「お前みたいな奴を生かしてこの町から出す訳ねぇだろ」
ガゼはそう言うと剣を杖がわりに使い立ち上がった。
「やめとけ、そんな傷で俺に勝てるわけないだろ……… まぁ、どっちにしろお前は殺すつもりだったがな………」
シキはそう言い不適な笑みを浮かべ剣を抜いた。
「ズバッ、ズバッ、ズバッァァァ」
「ぐぉぉぁあー!」
「ドサッ」
ガゼはシキに何度も斬られた、まるでわざと血しぶきをあげているかの様に・・・そしてシキの顔には血の雨が大量に降り注いだのであった………




