変質者
北軍が占領した町での事………
北月師団最高幹部の一人ガゼと数十名の兵士が散歩がてらに夜の町を見回っていた所、遠くで変な叫び声が聞こえた、ガゼと数十名の兵士達は何事かと現場に向かうと5人程町の小さな路地で倒れその中に1人だけ突っ立っている男が1人いた………
その男はガゼ達に気づき歌いながらガゼ達に近いて来た。
「1つ、おいらが歩く時〜 ♪ 」
「2つ、みんなが叫び出す〜 ♪ 」
「3つ、なんで〜叫ぶの?と〜 ♪ 」
「4つ、質問してみれば〜 ♪ 」
「5つ、天からすぐ止む雨が降り落ちる〜♪ 」
「なんだこいつは?」
近くに来た男を見てガゼが隣にいる兵士にそう聞いた。
「さぁ?頭がいかれてる変質者ですかねぇ?」
兵士はそう答えた。
するとその男は咄嗟に後ろ手に隠していた剣を振り回した………
「ズバッ、ズバッ、ズバッ」
「うぎゃ〜」
「バタッ、バタッ、バタッ」
5人の兵士が一瞬でその男に斬られたのだった。
⁈
「なっ⁈ 何しやがんだテメー!ここで何してんだお前は!」
ガゼは咄嗟に剣を抜きそう叫んだ。
その男はガゼを見て不適な笑みを浮かべた、そして何食わぬ顔で剣に着いた血をハンカチで拭いた。
「き、気味が悪い」
ガゼの横にいた兵士がそう呟いた。
「なぁ、あんたら、ココは中央地区の町だぜ?北地区の人間が来る所じゃねぇんだぜ?お前らの方こそここで何やってんだ?あ?」
その男は剣の血が吹き終わるとそう言った。
「なんだと?お前は馬鹿か?この町は既に北軍が占領してんだよ!町の出入り口にも北軍の兵士がいただろうが!テメー、一体何処から入って来やがったんだ!」
ガゼは剣をその男に向けたままそう言った。
「へぇ、そうなんだ、この町は既に北軍が占領してたんだ、へぇ〜」
その男は不適な笑みを浮かべたままそう言った。
「ガゼさん、俺なんだかこいつ見てると気持ち悪くなって来ますよ、馬鹿を相手してないで早い所始末しちゃいましょうよ」
兵士はガゼに耳寄せし小声でそう言った。
「あぁ、そうだな早い所始末しておくか」
ガゼはそう言うと周りにいた兵士達にアイコンタクトを送った。
するとガゼの周りにいた兵士達は一斉にその男に斬りかかったのだった。
「ズバッ、ズバッ、ズバッ」
「うぎゃ、ぐぉ、ぴゃーっす」
「バタッ、バタッ、バタッ」
斬りかかった兵士達は全員その男に斬られた。
その男は目を閉じ顔を上に向け上から降って来る兵士達の血しぶきを・・・その血の感触を味わっている様だった。
そして血が顔に落ちて来なくなると静かに目を開けガゼを見た。
「なぁ、あんた、これ最高だと思わないか?ついさっきまで生きていた人間の血の感触、俺はこの暖かい血を浴びるたびに命を感じてたまらない、最高に贅沢なシャワーだよ」
その男は不適な笑みを浮かべそう言ったのだった………




