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北の陣 第3幕  作者: m
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龍の逆鱗


ハッド師団長が剣を抜きルカに向かって歩き出した所だった…


急に都の南門の外側からいくつもの発砲音が聞こえ緑色の煙が上がったのだった…


「思ってたよりも早く南討伐軍が到着したようだな……… 」


ハッド師団長は緑色の煙を見てそう呟いた…


その時だった、ハッド師団長達がいる後方より馬に乗ったクロック師団の兵士達が数十名やって来た。


「ハッド師団長!大変です!あの中央軍の精鋭部隊、スペード師団の連中が我々を追撃しに来ました!」


馬に乗った兵士がハッド師団長に向かって大声でそう報告した。


「はっはっはっはっは、都の外には南討伐軍、俺たちの後ろにはスペード師団、そして目の前には薔薇のルカか、やっぱり都は暴れがいのある所だなぁ」


ハッド師団長は血だらけの髪をかきあげそう言った。


「ハッド師団長!後方から来るスペード師団は我々に任せて下さい!」


スペード師団が近くまで来ていると報告を受けたクロック師団の副師団長ザキルが後方よりハッド師団長に向かってそう叫んだ。


「おぉ!ここにいる兵隊を連れて派手に暴れて来い!」


ハッド師団長はザキルに向かってそう叫んだ。


「はっ!」


ザキルはそう返事をした後、馬に乗り20名程の兵士をその場に残しスペード師団を撃退するべくハッド師団長の元から去って行ったのだった。


「忙しそうだな」


一連のやり取りを見ていたルカがハッド師団長にそう言った。


「お前には関係無い」


ハッド師団長は剣を一振りしそう言った。


「確かに……… 」


ルカはそう言い冷酷な表情を浮かべ刀を構えた。


「ふっ、さっきまでの子供のような表情は作り顔か……… 人斬りの本性をあらわしやがったな」


ハッド師団長も冷酷な表情を浮かべそう言った。


「都の住民にまで手を出したのが間違いだったな、兵隊同士の戦いなら俺は見物してただけだったかもしれないのにな 」


ルカは冷酷な表情を浮かべたままそう言った。


「ふっ、そうか……… 的を殺れなかった場合の保険がどうやら龍の逆鱗に触れちまったみたいだな」


ハッド師団長は冷や汗を垂らしそう言った。


「怖がらなくてもいい、一瞬であの世に送ってやる」


ルカはそう言い刀についた血をひと舐めした。


「誰が怖がってるって?派手に死ぬのはお前の方だぜ?」


ハッド師団長はそう言いルカに斬りかかったのだった…


「派手に死ねー!!!」


















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