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北の陣 第3幕  作者: m
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クロック師団の孤立


中央地区に侵攻を続けていた南赤星師団の師団長サウスの元にクロック師団から使いの兵士がやって来た。


「ハッド師団長からの伝言です」


兵士は敬礼した後サウスにそう言った。


「言ってくれ」


サウスは腕を組みそう言った。


「ミーナ様の仇は俺が討つ、その次は……… 」


兵士はそう言い最後まで言うのをためらった。


「ん?その次はなんだ?」


サウスは怪訝そうな表情を浮かべてそう聞いた。


「そっ、その次は……… 誠に言いにくいのですが……… サウス様を殺しに行くと……… 」


兵士は困った様子でそう答えた。


「そっ……… そうか……… 分かった……… なら、奴に言っといてくれ、本当にすまなかったと……… この戦争が終わった後、もし俺が生きてたならお前に死んで詫びようと……… 」


サウスは下を向きそう言った。


「はっ……… はい……… そう伝えておきます……… 」


兵士は驚いた様子でそう言った。


「ミーナを殺されたのを知った時、ハッドはどんな様子だった?」


サウスは兵士を見てそう聞いた。


「そっ、それはもう……… 大変でした……… いきなり気絶するわ、部屋で暴れるわで……… 今頃、中央の都で暴れてると思います……… 」


兵士は冷や汗を垂らしそう言った。



「なんだって⁈ 今頃中央の都でだと⁈ 」


サウスは驚きそう言った。


「はっ、はい、南討伐軍の裏をかいて直接都に突撃すると言ってましたので……… 」


兵士は困った様子でそう言った。


「バカな⁉︎ そんな事をすればクロック師団は南軍から孤立して南討伐軍と都の兵士達に囲まれて全滅するぞ!」


サウスは兵士の胸ぐらを掴みそう言った。


「くっ、ハッド師団長はクロック師団の全滅も全て覚悟の上で都に向かって行きました!こっ、これも全てあなたのせいですよ!」


兵士はそう言うと胸ぐらを掴むサウスの手を払った。


「くっ……… あっ、あいつ……… ミーナの後を追って……… 自分も死ぬつもりなのか⁈ 」


サウスは独り言の様にそう言ったのだった。




ーーー




「ギール師団長!大変です!ドマ師団長はすでに討たれたみたいです!」


都の南門へと馬に乗って向かっていたギールの元に馬に乗った兵士がやって来てそう報告した。



「なんだって⁈ ドマが討たれただと⁈ 」


ギールは驚いた様子でそう言った。


「はいっ!ドマ殿の師団兵がそう言ってました!」


兵士は冷や汗を垂らしそう報告した。


「くそっ、ひと足遅かったか……… それで?クロック師団の連中は今どこにいる?」


ギールは兵士を鋭い目で見てそう聞いた。


「はいっ、ドマ師団長を殺した後、しばらくして退却して行った様です!」


兵士はそう報告した。


「そうか……… さっき見た赤い煙は退却の合図だったのか……… 」


ギールは独り言の様にそう言った。


「ギール師団長どうしますか?クロック師団を追撃しますか?」


兵士はそう聞いた。


「 ………そうだな、追撃するフリくらいはしとかないとな……… 」


ギールは独り言の様にそう言った。


「えっ⁈ ギール師団長今なんて言いました⁈ 」


兵士は今聞いた言葉が聞き間違いじゃないかと思いそう聞き返した。


「いやっ、なんでもない……… じゃあ、クロック師団を追撃しに行くぞ」


ギールは周りにいる兵士達にそう言ったのだった………






























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