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北の陣 第3幕  作者: m
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薔薇のルカ


中央地区の都の南の玄関口の近くの家の2階でその男は寝ていた…


すると外がやたらと騒がしい事に気づきその男は目が覚めた…


その男は何事かと思いベッドから起き上がり部屋の窓の外を覗いた…


すると大勢の兵士が大声をあげ都に突入している光景をその男は見た…


そんな光景を目の当たりにしたにもかかわらずその男は慌てる事もなく部屋のカーテンを閉めたのだった…


そのカーテンを閉めた男の手の甲には薔薇バラの入れ墨がしてあった…


この入れ墨は花好きの彼女の誕生日に花を用意して来なかった罰として彼女の父である彫師に入れられたものであった…




ーーー




都に住むある家族は兵士達が都に突入した事を知るとすぐに家の鍵を閉めずっと家の中に避難していた…


だが、その家族の家にもついに兵士達が乱入して来たのだった…


兵士達は家のドアを壊し家に乱入してくると震えながら部屋の隅に隠れていた若い母親と5才くらいの娘を発見した…


「都の人間は皆殺しにするように言われてる悪く思うなよ」


兵士はそう言うと剣を抜き母親と娘に斬りかかった…


「きゃーーー」


母親と娘がそう叫んだ時だった…


「うぎゃーーー」


家に押し入っていた別の兵士達が次々と叫び声をあげ大きな物音を立て倒れたのだった…


親子に斬りかかった兵士が驚いて後ろを振り向くと髪は金色の長髪で、身長が150センチくらいの小柄な男が刀を握って立っていた…


(ん?この母親の子供?)


兵士はそう思った。


「お兄ちゃん!!!」


少女が涙を流しながらそう叫んだ。


「大丈夫だったかい?」


小柄な男が少女にそう声をかけ微笑んだ。


少女は涙を流しながら小さく頷いた。


「今、この悪い兵隊さんをやっつけてあげるから安心してね」


小柄な男は少女にそう言った。


少女は小さく頷き、母親に抱きつき不安そうに小柄な男と押し入って来た兵士を覗くように見ていた。


「お前は何者だ?」


兵士は小柄な男の方に剣を構えそう言った。


「これだからよそ者は… 」


小柄な男はそう言いため息をひとつついた。


「あん?お前は何者だって聞いてんだよ!早く答えろや!」


兵士は怒った様子でそう叫んだ。


「その軍服を見るところ、お前達は南軍だな、南軍がもう都にいるって事は南討伐軍は壊滅したって事か?」


小柄な男が怪訝そうにそう聞いた。


「ちげーよ!バーカ!俺たちの狙う首が都に出来たから先回りして都を落とす事にしたんだよ!クロック師団なめんなよ!コラッ!」


兵士は剣を構えながらそう叫んだ。


「そうか… 南討伐軍は壊滅してないか… あぁ、よかった、俺たちの仕事が忙しくなるかと心配しちゃったよ」


小柄な男はそう言い金色の長髪の髪を右手でかきあげた…


「お前、マジで舐めてんな?ふざけんなよ!コラァ!」


兵士はそう叫んだと同時に小柄な男に斬りかかった。


「ズバッズバッズバッ」


物凄い速さで兵士は腕を落され足を落され首を落された。


「こういうシーンで悪党が勝った試しある?」


小柄な男はそう言い刀を腰におさめた。


「バタバタバタン」


兵士は即死しその場に倒れた。


すると安心した様子で胸をなでおろした親子が…


「ルカさん、なんとお礼を申し上げたらよいか……… 」


「ルカお兄ちゃんありがとー」


立ち上がりルカにそう言いお辞儀をした。


「たまたま休日でよかった、お隣さんのピンチを救えたので」


ルカはそう言い手を差し伸べ…


「とりあえずここは危ないんで一緒に避難しましょう」


ルカはそう言うと少女の手を取り、母親と家の外に出た。


家の外に出ると家の前には30人くらいの兵士が血を流し倒れていた…


母親と娘がその光景を見て驚いて足を止めた…


そして親子の2人が手を口にやり驚いた顔をしたままルカを見た…


「いっ… いやぁ… 兵士達があなた達の家のドアを壊そうとしてるのを見て、助けに来たらそこらにいた兵士達が襲って来たもんで……… ポリポリ」


ルカはそう言い困った様子で金色の長髪の髪を右手でかいた、その右手の甲には手の甲いっぱいに綺麗な白い薔薇の入れ墨がしてあったのだった…



















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