クロック師団の都入り
ミーナの死を知ったクロック師団は急きょ都に的を絞り突撃を開始した…
ハッド師団長の読みは的中だった…
南討伐軍は都までの一直線上の町に兵隊のほとんどを配置していた為、その線を外した町には見張りくらいの兵隊しかなく、大した戦闘もせずにクロック師団は都入りを果たしたのだった。
まさかこんなに早く都に攻めてくるとは思ってもいなかった都の兵士達は完全に油断していた為慌てた。
そして都の兵士達はあっという間に混乱に陥ったのであった。
都の住民もまさかこんなに早く都に攻めて来るとは思っていなかった為、誰も避難していなかった。
ハッド師団長は都の人間を皆殺しにするよう命じ暴れまわった。
ハッド師団長が都の住民さえも皆殺しにするよう命じたのは標的を殺りそこね自分達が討ち死にした場合であっても精神的に標的を追い詰める為だった…
「派手に死ねー!」
ハッド師団長は散り散りになっている都の兵士達を次々と斬り捨て、ドマを捜した。
そしてついにハッド師団長はドマを見つけたのであった…
「あっ、あっ、あそこにいる人がドマ師団長です」
ハッド師団長が痛めつけた兵士がそう言い指を指した。
都の兵士が指を指した方を見ると100メートル程離れた所に200人くらいの兵士に囲まれ1人だけ軍服の色が違う師団長らしき人物がいた。
「やっと見つけたぜミーナ様の仇を!」
ハッド師団長はその人物を見てそう言った。
そしてハッド師団長の周りにいた20人程のクロック師団の兵士達に…
「聞いたな?あそこにいる奴が俺たちの狙う首だ」
そう言った。
すると兵士達は頷いた。
「派手に行くぞ!」
兵士達が頷いたのを見るとハッド師団長はそう言い派手に装飾された黒い馬に乗りドマ達がいる場所へと馬を走らせた。
クロック師団の兵士達も馬に乗りハッド師団長の後に続いたのだった…
「派手に死ねー!」
クロック師団は200人程もいるドマの師団に20人程で 馬に乗ったまま突っ込んだ…
そしてハッド師団長は派手に装飾された黒馬でドマの兵士達を退けぞらせドマの前で馬から飛び降り剣を構えた…
黒馬はまるでハッド師団長の一騎打ちを邪魔させないかのようにハッド師団長とドマ師団長の周囲を走り回った…
「テメーがドマか?」
ハッド師団長は剣を構えたままそう聞いた。
「南軍のゴミ共がここが何処だか分かっているのか?」
ドマ師団長が腕を組んだままそう言った。
「お前、人の話しを聞いてるのか?俺はお前がドマかって聞いてるんだよ!」
ハッド師団長がそう聞いた瞬間数名のドマの兵士が黒馬を避け襲ってきた。
「ズバッ、ズバッ、ズバッ」
ハッド師団長は襲って来た兵士達を斬り捨てた。
「邪魔すんな!俺の邪魔をすれば派手に殺すぞ!」
ハッド師団長は周りの兵士達にそう言い剣をまわし威嚇した。
するとちょっと間が空いた後…
「私がドマだったらどうするつもりだ?」
ドマ師団長がそう聞いた。
「派手に殺して、南軍にお前の死体を派手に晒してやる」
ハッド師団長はドマ師団長を睨みつけそう言った。
「はっはっはっは、私はいろんな奴に恨みをかっているがお前は一体俺にどんな恨みがあるんだ?」
ドマ師団長はそう言い腕を組んだまま笑った。
「ミーナ様を殺ったのはお前だろ?」
ハッド師団長はドマ師団長に剣先を向けそう言った。
⁈
「ミーナ……… なるほど……… あいつの仇って訳か……… 」
ドマ師団長はミーナを殺した時を思い出した…
「そうだ!ミーナ様の仇だ!お前は自分がした事が一体どうゆう事なのか分かっているのか?」
ハッド師団長がそう聞くとドマ師団長が首を傾げた。
「お前が知る訳ないよなぁ!知ってたら殺せる訳ないんだからなぁ!」
ハッド師団長はドマ師団長を睨みつけそう叫んだ。
「さっきから貴様はなんなんだ?一体何がいいたい?」
ドマ師団長は怪訝そうな表情を浮かべてそう聞いた。
「じぁあ、教えてやるよ、ミーナ様はなぁ、幼い頃、命を狙われこの国を追われたこの国の……… この国の姫………ミザリナ姫だったんだよ!!!」
ハッド師団長は剣を一振りし再びドマ師団長に剣先を向けた。
⁈
「なっ⁈ 」
「何をバカな事を言っているんだ!ミザリナ姫はとうの昔に熊に殺され死んでいる!」
ドマ師団長は驚きながらそう言った。
「誰がそれを確認した?誰もミザリナ姫の死体を確認してないだろうが!それもそうだ!ミザリナ姫はあの山には行ってないんだからな!」
ハッド師団長はそう言うと剣を大きく一振りし剣についた血を払い、ドマ師団長に斬りかかった。
するとドマ師団長が剣を抜き、さらに周りのドマの兵士20人程がハッド師団長に一斉に斬りかかったのだった…




