都の首
「派手に殺す!派手にぶっ殺す!!!」
意識を失ったハッド師団長は兵士達に担がれて建物の一室に運ばれた、そして数時間後に意識を取り戻したハッド師団長は兵士にミーナの死の詳しい説明を聞いてそう叫んだ…
しばらくしてそこに2人の兵士達がハッド師団長に呼ばれ、部屋にやって来た。
「失礼します!ハッド師団長、何の御用でしょうか?」
呼ばれた2人の兵士がドアの前で敬礼しそう言った。
「お前は今すぐサウスの所に行って来い」
ハッド師団長は兵士が来るなり兵士の1人をいきなり指差しそう言った。
「そしてこう言って来い、ミーナ様の仇は俺が討つ、その次はお前の首を取りに行くってな」
ハッド師団長は兵士を睨みながらそう言った。
「はっ!えっ?サウス殿の首をですか⁈ 」
指を指された兵士は困惑しながらそう聞いた。
「ミーナ様を死なせた罪は重い、あいつがミーナ様を都に行かせなければこんな事にはならなかった……… あいつも同罪だ 」
ハッド師団長はそう言い、右手を腰にやり首を左右に振った。
「はっ!分かりました!」
指を指された兵士がこれ以上何か言ったらこの場で殺されそうだと思い、敬礼しそう返事をした。
「お前は今すぐ町に散らばったクロック師団の連中を集めてこう言え」
ハッド師団長はもう一方の兵士を指差しそう言った。
「ミーナ様の仇を今から討ちに行く、俺たちが狙う首が都に出来たってな」
ハッド師団長はそう言い右手の親指で自信の首を斬る仕草を兵士に見せた。
「はっ!分かりました!でも… 南討伐軍の方はどうするんですか?」
兵士は敬礼しそう聞いた。
「俺たちは今までずっと都に向け一直線に侵攻して来た、敵もそれを分かってて兵を配置している趣向がある、ちょっと遠回りになるが兵が少ない場所を選んで一気に都まで突撃する」
ハッド師団長は腕を組みそう言った。
⁈
「ハッド師団長、南軍で都に1番近いのは私達クロック師団です、確かに都まではその作戦で行けると思います… ですがその動きを南討伐軍に気づかれたら我々は都にいる兵士達と南討伐軍に取り囲まれてしまいますぞ!それだけじゃぁない……… 都には王族兵の……… あの鷹の十二騎士団だっているんですよ⁈ 」
兵士は慌てた様子でそう忠告した。
「あぁ、そうだな」
ハッド師団長は腕を組んだままそう返事をした。
⁈ ⁈ ⁈
「そうですか……… ハッド師団長……… ミーナさんの仇を討つ為にそこまでのお覚悟を……… 」
忠告をした兵士はハッド師団長のそっけない返事を聞いてハッド師団長が死を覚悟しているのを悟った。
「ならば何も言う事はありません……… 私達もお供しましょうぞ……… この命の炎が燃え尽きるまで!」
兵士はそう言い敬礼し涙を流した。
ハッド師団長は腕を組んだままその兵士の様子を見てその兵士に近づき…
「ザキルお前はいつもクサい事を言いやがって……… だが……… 今回ばかりは本当に派手に死ぬかもな……… 」
ハッド師団長は涙を流すザキルの肩に右手を置きそう言ったのだった。




