歴史の幕開け
3日後… 中央軍最高司令官暗殺作戦当日…
A地点にあるテント内にて最高司令官を含む第1北討伐軍による作戦会議が始まろうとしていた…
当初ドマの狙いでは幹部達の護衛をA地点に1人も通さない予定であった、だが何人かの幹部はだだをコネ護衛を引き連れて来ていた…
「そろそろ作戦会議を始める、皆席についてくれ」
ドマ師団長が会議の進行役として幹部達にそう言った後…
「護衛兵はテントの外で待機しててくれ」
ドマ師団長は幹部達が連れて来た護衛兵達に向けそう言った。
テント内にいた護衛兵達はテントの外に出て行き、ドマ以外の幹部達はテント内に用意してある自分達の席についた。
「作戦会議を始める前に、まずは君達に紹介したい人物がいる」
ドマ師団長が席に座る幹部達に向かって突然そう言った。
「ん?そんな話聞いてないぞ?」
最高司令官がドマ師団長にそう言った。
「まぁ、まぁ」
ドマ師団長が手のひらを最高司令官に向け、なだめるようにそう言い、話を続けた…
「パン、パン」
「入ってくれ」
ドマ師団長が2回手を叩きテントの外に向けそう言った。
そしてキューイとガゼがテント内に入って来た…
「こっちに来てくれ」
ドマ師団長が手招きをしながらそう言った。
キューイはガゼをテントの出入り口の前に残し最高司令官の座る席の斜め後ろに立った。
「ドマ師団長一体どうゆうつもりだ?」
斜め後ろに立つキューイを見て怪訝そうに最高司令官がそう聞いた。
「まぁ、まぁ」
ドマ師団長はなだめるようにそう言い… 席を立ったまま、最高司令官を含む幹部達の顔を見渡し… 堰を切ったように話し出した…
「お集まりの皆さん!今日のこの日は歴史に残る日となる事でしょう!皆様の死によって新しい歴史の始まりとなるのですから!」
「ドンッ」
ドマ師団長が大きな声でそう叫び机を叩いた…
「ズバッ」
その瞬間キューイとガゼの2人は剣を抜きキューイは最高司令官の首を一瞬で斬り落とした…
そしてキューイは事前に用意してあったドマの剣をドマに投げ渡した…
「貴様!」
幹部の1人がキューイを見てそう叫んだ。
「ドマ!裏切ったな!」
幹部の1人がドマを見てそう叫んだ。
「お前達!こんな事をしてただ済むと思うなよ!」
幹部の1人がドマとキューイ、そしてガゼに指を差しながらそう叫んだ。
「ズバッ、ズバッ、ズバッ」
騒ぎ始める幹部達をキューイとガゼとドマの3人は全て斬り殺したのだった…
だが同時にテント内の騒ぎを嗅ぎ付けた護衛兵達がテント内になだれ込んで来たのだった…
テントの外ではすでにキーナとドマの師団の兵士達がテント内に幹部達が連れて来た護衛兵達を入れまいと護衛兵達と殺り合っていた…
「ズバッ、ズバッ、ズバッ」
キューイはテント内で襲いかかって来る護衛兵達を次から次へと切り捨てていた… そこに…
「貴様らよくも最高司令官殿を!」
長髪を頭の後ろでひとくくりに縛ったひときわ目を引く兵士がテント内に転がった最高司令官の生首を見てそう言いキューイに襲いかかって来た…
「シャキィン、シャキィン、シャキィィン」
キューイと長髪の兵士が斬り合いになった…
「シャキィン、シャキィン、シャキィィン」
キューイと長髪の兵士が斬り合う中、テント内にいたガゼとドマも護衛兵達と斬り合っていた…
その時だった… キューイが長髪の兵士に気を取られていた為、自分に近づいて来る兵士に気がつかず…
「グサッ」
「ウッ」
キューイは後ろから護衛兵に思いっきり腹の辺りを刺されてしまった… さらに…
「ズバッ」
「ウォォォォォ」
長髪の兵士がその隙を逃さずキューイの胸の辺りを斬りつけた…
鮮血がキューイの身体から飛び散りキューイがフラつきながら腹を突き刺した兵士を斬り捨てた…
だが、キューイの後ろから長髪の兵士がフラつくキューイにトドメを刺そうと剣を振り上げていた…
それを見たガゼが…
「団長ーーー!」
そう叫んだのだった…