ミーナ・報告と報復
アントレイヤはボル最高総司令官の命令の元再び中央軍の最高司令官の職に就いた。
そしてアントレイヤはすぐに中央軍を再編成し北討伐軍20万を編成したのだった。
この編成により都にはスペード師団、キルメール師団、そしてドマの師団だけが残ったのであった…
中央軍は北討伐軍を編成し北軍にぶつけたが北軍の勢いは止まらず中央地区は次々と侵略されていった…
そして中央地区は南からも侵略され続けていたのだった…
そんなある日の事、南軍のミーナの元にある報せが入ったのだった…
「ミーナさん、ドマが中央地区の都にいるらしいですよ」
ミーナの前に1人の兵士がやって来てそう言った。
「それは本当か?」
ミーナは驚いた様子でそう言った。
「いやっ、自分で確かめた訳じゃないんで分からないんですが、痛めつけた中央軍の兵士からそういう話しを聞いたんで、一応ミーナさんに報告しとこうと思いましてね」
兵士は建物の壁に寄りかかってそう言った。
「そうか… 」
ミーナはそう言いあの道端で無惨に殺された少女の事を思い出していた。
「なんなら俺たちで調べて来ましょうか?今なら南討伐軍の隙を見て突破するのも訳ないんで」
この時、南赤星師団は南討伐軍の1師団を壊滅させ町を占拠したばかりであった、その為、南討伐軍が体制を整えるまでの猶予があったのだった。
「それなら私も一緒に行こう、ドマが都にいるならそのまま奴を葬ってやる」
ミーナは腕を組みそう言った。
「暗殺ですか?敵の本拠地ですよ?それはさすがに無理じゃないですかねぇ?探りを入れるくらいならこの町で手に入れた中央軍の制服を着て行けば訳ないですが」
兵士は険しい表情を浮かべてそう言った。
「なに、暗殺はドマに隙があった時の話しだ、隙がなければ諦める」
ミーナはそう言い微笑みを浮かべた。
「それなら… 」
兵士は頷きそう言った。
「ミーナ、それは許さん」
会話を聞いていたサウスがミーナの後ろから近づいて来てそう言った。
「お前もくだらない事言ってないで早く後処理を手伝ってこい」
サウスは壁に寄りかかっている兵士にそう言った。
「くだらない事だって?サウス、お前は俺がどれだけあいつらのせいで苦しんだと思っているんだ?」
ミーナはサウスをにらみそう言った。
「お前が苦しんだのは分かっている… だが、俺たちには今しなきゃいけない事があるだろ?南討伐軍を壊滅させれば自ずと次は都だ、それまで我慢しろ」
サウスは真剣な表情を浮かべそう言った。
「ふん、我慢しろだと?この俺に我慢しろだと?俺はずっと我慢してたんだ!そしてやっと奴の居場所が分かったんだ!サウス、何も言うな!俺は奴を殺りに行く」
ミーナは顔を赤く染めそう言った。
「都は敵の本拠地だぞ?危険過ぎる、死ぬかもしれんやめとけ、それにドマが都に本当にいるのかも分からないんだろ?」
サウスはミーナを見つめそう言った。
「危険だと思ったらすぐに逃げてくる、心配するな」
ミーナはそう言うと壁に寄りかかっている兵士にジェスチャーで『行くぞ』と合図をしてその場から立ち去ったのだった… 後の悲劇になる事も知らずに…




