表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北の陣 第3幕  作者: m
35/55

眠れる獅子


「がっはっはっはっ、ロウ君!中央地区と南地区が面白い事になっているぞ!」


ブル最高司令官はロウがいる部屋に入って来るなりロウにそう言った。


ロウはアントレイヤ邸から家出をした後、町外れにあるあの教会に行き修道女に事情を話し、それからセナを通して北地区に来ていた…


「はぁ… 面白い事ですか… 」


ロウは隣に座るセナと顔を合わせそう言った。


「がっはっはっはっ、そうだ!南地区と中央地区が面白い事になっているぞ!中央地区が派遣した南討伐軍が南軍にやられまくってるらしい!がっはっはっはっ、私は笑いが止まらんぞ!」


ブル最高司令官はロウ達が座るソファの前に座りそう言い笑った。


「南軍は計画通りに動いてるだけじゃないんですか?」


セナが笑っているブル最高司令官にそう聞いた。


「がっはっはっはっ、計画通りなら中央地区にあそこまで侵攻しないだろう、遂に南軍もあいつらに牙を見せたのだよ!がっはっはっはっ」


ブル最高司令官はそう言い笑った。


「じゃあ、南軍も本気で10分の1計画を潰そうとしているって事ですか?」


ロウがブル最高司令官を見て上目遣いでそう聞いた。


「そうだ!その通りだよロウ君!南の最高司令官… あの眠れる獅子バルがついに目を覚ましたのだ!あいつを起こすために私がどれだけ苦労した事か… 」


ブル最高司令官はそう言い思い出に浸る様に両腕を組み両目を閉じた。


「でも、そんな事したら… 人質の方は大丈夫なんですか?」


ロウは心配そうにそう言った。


「ロウ君、私が停戦中に何もしてないとでも思っているのかね?」


ブル最高司令官は片目を開けロウを見てそう言った。


「じゃあ、大丈夫だっていう事ですか?」


ロウは上目遣いでブル最高司令官を見たままそう言った。


「君も北月師団のジルの事を知っているだろ?」


ブル最高司令官がそう聞いた。


「はい、知ってます」


ロウはそう答えた。


「奴は工作、交渉の天才だ、中央軍には命懸けで南南詐欺で引っ掛けるわ、今回の人質解放作戦では私にも思いもつかない手で作戦を成功させやがった… 」


ブル最高司令官は感心した様子でそう言った。


「えっ?じゃあ、人質は解放されたって事ですか?」


ロウは驚いた様子でそう聞いた。


「あぁ、もう、とっくに解放されている、だから眠れる獅子が目覚めたのだよロウ君」


ブル最高司令官は大きく頷いた後そう答えた。


「そ、そうだったんですか… 何も知らなかった… セナは知ってたの?」


ロウはセナの方を見てそう聞いた。


「私も知らなかった… 」


セナも驚いた様子でそう答えた。


「がっはっはっはっ、極秘事項だから知っている者は少ない、セナ君、黙っていてすまなかったな… とにかく、これで南軍が本気で動き出した事が分かった」


ブル最高司令官はそう言い微笑んだ。


「ブル最高司令官はこれからどうするんですか?」


ロウは真面目な顔をしてそう聞いた。


「がっはっはっはっ、ロウ君、中央軍は南軍だけでも手一杯な状態だ、そりゃそうだ眠れる獅子バルは戦争に勝つ為なら何でもやる男だ、私も奴だけは敵に回したくない、敵に回せば私も奴にケツの毛まで抜かれる事だろう、がっはっはっはっ」


ブル最高司令官はそう言い笑いながら話しを続けた。


「まぁ、いい、その話しは置いといて… ロウ君、現時点で中央軍は南軍相手に一杯一杯だ、そこに北軍が攻め込んで来たら中央軍は一体どうなると思う?」


ブル最高司令官は不適な笑みを浮かべてそう聞いたのだった。

























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ