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北の陣 第3幕  作者: m
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パトラ様


「ん⁈ 南地区のおかげでだと?なんでウチの地区のおかげなんだよ!それは一体どうゆう事なんだ⁈ 」


ハッド師団長はノートと兵士の顔を交互に見ながらそう言ったのだった…


「ここを見て下さい」


兵士はハッド師団長が持っている分厚いノートのページを数枚めくりノートのある場所を指差しそう言った。


ハッド師団長がその場所を見ると、そこには南地区と言う文字が書かれその横には数字が書かれてあった…


「これは南地区からこの町へと送金された金額です… このノートを端から端まで見てもらうと分かるのですが毎月この額が南地区からこの町に流れていた様です… 」


兵士は怪訝そうな顔をしてそう言った。


「だっ、だから何で南地区が敵である中央地区の町に金を送金してんだよ!それを教えてくれって言ってるんだよ!」


ハッド師団長は苛立った様子でそう聞いた。


「それはですね… 」


兵士はそう言いかけ、もう一冊の分厚いノートをハッド師団長に見せた。


「こちらのノートを見て下さい、これを見ればポルドール王国が誰に金や物を渡しているのかが分かります… 」


兵士は真剣な表情を浮かべそう言った。


ハッド師団長がそのもう一冊のノートを見るとある人物の名前が書かれてあった。


そしてその人物の名前が書かれてある受領書が各ページに挟まっていた…


「パトラ?こいつは一体何者だ?」


ハッド師団長はノートと受領書に書かれたその名を言いそう聞いた。


「 … バル殿の奥様ですよ」


兵士は答えるのをためらった後、そう答えた。



「はぁ?ウチの最高司令官の嫁だと⁈ こいつは一体どうゆう事なんだ… 」


ハッド師団長は受領書をまじまじと見ながらそう言った。


「分かりません… ただ… 敵である筈の町にウチの地区から金を送り、この町から同盟国を使って同盟国にいらっしゃるパトラ様に金や物が流れていたのは事実です… 」


兵士は真剣な表情のままハッド師団長にそう言い分厚いノートを丸テーブルに静かに置き…


「ハッド師団長… 私が思うに… どうやらこの戦争には裏がありそうですよ… 」


そう言った。


「そうか… なんでウチの最高司令官の嫁が同盟国にいるのかもよくわからんが、まぁ、いい… 考えるのも面倒くさい、俺たちはさっさと次の町を制圧しに行こう」


ハッド師団長は手に持った分厚いノートを丸テーブルに叩きつけそう言った。


「はい!分かりました! … ですが、このままでいいんでしょうか?この事についてバル殿に真相を確かめた方がいいような気が… 」


兵士は丸テーブルに乗った分厚い2冊のノートを見ながらそう言った。


「バーカ、そんな事出来るわけないだろ!裏で悪い事やってる奴に、あなた裏で悪い事してますよね?って聞くのか?相手はウチの最高司令官だぞ?そんな事を聞けば俺はまた追放されちまうわバカたれ!」


ハッド師団長はテーブルの上に置いてある分厚いノートを手で叩きそう言った。


「いや、別に悪い事じゃないかも知れないじゃないですか?ただ私は真相が気になってですね… 」


兵士は分厚いノートを見ながらそう言った。


「バーカ!裏でこそこそやってんだから悪い事に決まってんだろ?それにな、こんな事はハナから俺たちには関係ない事なんだよ!いいか?よく聞けよ?お前だけに特別に教えてやるが、このシーンは読者に向けてのただのヒントなんだよ」


ハッド師団長は不適な笑みを浮かべ兵士にそう言った。


「えっ?読者?読者って一体何ですか?ハッド師団長、急に訳の分からない事を言わないで下さいよ… 」


兵士は困惑した様子でそう言った。


「何だ?お前にはココにいる読者が見えないのか?今も俺たちの事をニヤニヤしながらアホ面浮かべて俺たちの事を見てるんだぞ?」


ハッド師団長は不適な笑みを浮かべたままそう言った。


「えっ?そうなんですか?」


兵士はそう言い辺りを見回し、誰も居ないのを確認すると…


「いやっ、誰も居ませんが… ハッド師団長、熱でもあるんじゃないですか?」


そう言った。


「そうか… お前には見えないのか… あのアホ面が……… そうか… お前には見えないのか… あのアホ面が… まぁ、いい、俺たちは次の町を派手に制圧しに行くぞ!」


ハッド師団長は兵士にそう言いうと部屋を後にしたのだった…


























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