ハッド登場
ロウが家出をして数ヶ月後…
中央地区、某所にて…
南赤星師団長サウスの前にミーナが歩いてやって来た…
「あの男、凄い活躍してるみたいじゃないか」
サウスは木箱の様な物に座りながらミーナにそう声をかけた。
「そうみたいだな… 」
ミーナはそっけない様子でそう答えた。
「隣国に追放されてた奴を、わざわざ呼び寄せた甲斐があったな」
サウスはそっけない態度のミーナにそう言った。
「そうだな… 」
ミーナはあまりその会話をしたくない様子でそう言った。
「どうした?元ミーナ親衛隊の隊長が南軍の師団長に大抜擢されて活躍してるってゆーのに嬉しくないのか?」
サウスは疑問に思いながらそう言った。
「ミーナ親衛隊は止めろ、そんな親衛隊なんて存在してない、それに奴は血の気が多過ぎて好かん」
ミーナは顔を横に振りそう言った。
「はっはっは、相変わらずミーナは固いな、別にいいだろ?お前を慕っているあいつらを親衛隊として認めてやれば?」
サウスは薄ら笑いを浮かべながらそう言った。
「いや、それは駄目だ、ミーナ親衛隊なんて作ったらネタバレにつながる恐れもあるからな」
ミーナは真面目な顔でそう言った。
「はっはっは、もう親衛隊の連中も読者も気づいてると思うけどな」
サウスは薄ら笑いを浮かべながらそう言った。
「えっ?嘘?気づいてるのか?」
ミーナは驚きながらそう言った。
「あぁ、とっくに気づいてるはずさ、だからあいつらは親衛隊としてお前の側を離れないんだろ?」
サウスはミーナを見上げながらそう言った。
「そうか… あいつらも読者も気づいていたのか… このままじゃ、俺の正体もバレそうだな… 」
ミーナは真面目な顔をしたままそう言った。
「安心しろ、お前の正体は俺と元ミーナ親衛隊の隊長… ハッドしか知らない、奴も俺も口が固い… 豆腐くらいにな… だから安心しろ」
サウスは薄ら笑いを浮かべながらそう言った。
「そうか… 豆腐くらいに固ければ安心だな… 」
ミーナはそう言い微笑したのだった…
ーーー
「ズバッ、ズバッ、ズバッ」
「派手に死ねー!」
そう叫んだ男の前にいた中央軍の兵士達が血吹雪を上げ次々と倒れて言った…
そしてその叫んだ男の所に数十名の南軍の兵士が中央軍の兵士達の死体を避けながら走ってやって来た。
「やりましたね!これでこの町も完全に制圧ですよ!」
南軍の兵士が叫んだ男にそう言った。
「はっはっはっはっ、そうだな!だが、この町の中央軍も相変わらず歯応えがない連中ばかりだったな… 俺様はもっと派手に制圧したかったんだがな」
叫んだ男が残念そうにそう言った。
「まぁ… それはしょうがないですよ!中央軍なんて殆ど実戦経験のない連中なんで」
南軍の兵士が叫んだ男にそう言った。
「そうか… それもそうだな… よし!次の町を制圧しに行くぞ!このハッド様に続け!」
ハッドはそう叫んだ。
そこに…
「あの〜、この町はどうしますか?」
南軍の兵士がそう聞いた。
「ん、ん?そんなのは今まで通り他の師団に任せればいい、とにかく俺様の師団は攻めて攻めて攻めまくるんだ!北と同じ様に停戦になんてなったら暴れられなくなるだろ?今の内に暴れるだけ暴れまくってやるんだよ、派手にな!」
ハッドはそう言い金銀で派手に装飾された黒い馬にまたがった。
他の南軍の兵士達も馬にまたがった…
「では、他の師団にその様に報告して来ます!」
南軍の兵士の1人がハッドにそう言った。
「おぉ!派手に報告して来い」
ハッドはそう言った。
「はっ!」
兵士はそう言い馬を走らせた…
ハッドはしばらく辺りを見回した後、
「町に散らばった兵士達に伝えろ!クロック師団はこれから次の町を派手に制圧しに行くとな!」
そう叫んだのだった…




