ENDINGPHASE02 おかえり
GM:では、第4話最後のシーンに入ろう。
ルーン:長かった…
スイレン:前後編の後編ですからね。
GM:君たちが遺跡から脱出すると、ちょうと日の出の時刻だったようだ。水平線から顔を出した眩しい朝日が、君たちを優しく包み込んでくれる。
フィル:遺跡に突入したのが日没だったから、夜の間ずっとダンジョン作ってたことになるのか…。
ワット:そう考えると急に眠気が襲ってくるな。
GM:たしかにな(笑)…でも、そんな眠たげな君たちとは逆に、あの子の目は覚めたみたいだぞ。
ルーン:お。
GM:「う、うーん」…昼間から閉じっぱなしだった瞼をようやく開いたテールは、その目にルーンの姿を映した。
ルーン:…おはよう。テールちゃん。
GM:「おはよ」う、と言いかけたテールだが、その声は「テールっっ!!」と叫び、目に涙をにじませながら愛娘に抱きついたノーチルによって掻き消されてしまう。「あぁ、良かった…無事でいてくれて、本当に……」
フィル:お父様……(苦笑)
GM:テールはちょっと困ったような、恥ずかしいような…申し訳ないような顔になるね。「お父さん…みんな、心配かけて本当にごめんなさい」
フィル:やだなぁ、そんなこと気にしなくていいんだよ。
スイレン:そうですよ。と言いながらテールちゃんの頭を撫でてあげます。……あ、ノーチルさんが邪魔になって撫でられないかな?
GM:いや、君たちが近づいてきたらノーチルはテールから離れるよ。思う存分に会話してくれ。
ルーン:なるほど。じゃあ、テールちゃんの正面に立って言います。…友達を助けるのは当然のことだよ。それに、"黄香子"がいくら強くても、テールちゃんが拐われたなら、私たちはどこまでも追いかけて、絶対に助け出す。….だって私たち、『テールちゃんを取り戻し隊』だもん!!
ワット:いつ聞いても酷い名前だよなぁ…(笑)
スイレン:気にしない気にしない。
GM:…ルーンの言葉を聞いて、テールは…(セリフを言おうとして)…いや、ここは口より先に体が動くだろうな。テールは勢いよくルーンに抱きつきます。その目にはあふれるような涙が。
ルーン:…えっ
GM:「怖かった…このままどこかに連れて行かれて、みんなともう会えなくなるんじゃないかって、不安で不安で仕方なかった。…でも」…心の奥底から、テールは叫ぶ。「ルーンちゃんなら助けてくれるって信じてたから…!だから、だから最後まで諦めないでいられたんだよ…!!」
ルーン:テールちゃん…
ワット:そりゃ、怖かったろうな…。今までかなり大人びたというか、余裕のある言動が多かったけど、実際はまだ12歳の女の子だもんな。
GM:それだけじゃない。前にも言ったけど、"黄香子"は過去にファット大神殿で大量殺人を犯しているんだ。そのころテールはまだ生まれてなかったけど、あの神殿で仕事をしている以上その話は絶対聞くことになるからね。そんな超危険人物にさらわれたとなれば大人でもとんでもなく怖いはずだ。それでもテールはくじけなかった。今もテールは…涙でぐちゃぐちゃだけど…君たちに笑顔を向けている。「…ルーンちゃん、みんな、本当に、本当にありがとう。私を…取り戻してくれて」
フィル:テールちゃん。一晩中捕まってたもんね…。ごめんね、もっと早く助けられればよかったのに…。
スイレン:でも、本当によく頑張りましたね。えらかったですよ、テールちゃん。
ルーン:もう大丈夫。怖いことは何もないよ。……おかえり、テールちゃん。
GM:…その言葉を聞いてテールは、また、笑った。「……ただいま。みんな!!」