CLIMAXPHASE02 vs"黄香子" 業の石防衛戦 前編!!
2017/10/5 誤字訂正
GM:さて、戦闘前に少し演出を挟もうか。最深部へと続く通路を移動中の"黄香子"と、気絶しているテールのシーンだ。
ルーン:テールちゃんまだ気絶してるのか…私たちがあれだけ大暴れしたんだからそろそろ起きてもいい頃だと思うけど。
GM:いや、テールは起きないよ。少なくとも"黄香子"が近くにいる間は。
一同:は?
GM:現在テールの意識は"黄香子"が作り出した精神世界に閉じ込められている…もう少し分かりやすく言うと、強制的に夢を見させられている状態にあるんだ。
フィル:いや全然分かりやすくねぇよ!?え、何?"黄香子"ってそんなことまでできるの!?
GM:それどころか『条件』さえ完璧に整えばガーデナースキルで天変地異を起こしたりイリュージョニストスキルで他人を操ったりまでできる設定。今回は無理だけど。…因みに、ワットたち錬金術師団が赤の他人であるカリーを信頼しきっていたのもこの類のスキルの影響を若干ながら受けていたからだね。
ワット:………怖っ
GM:…で、この場面ではそんな夢の中のテールの描写を少しだけ入れようと思ってな。
ルーン:テールちゃん…一体どんな悪夢を見させられているのか……
GM:テールは夢の中で、陽の光に優しく照らされた透明度の高い美しい泉のほとりにちょこんと座っているよ。
一同:ド平和じゃねーかっ!!??
GM:まぁ、"黄香子"からしたら『尻尾の少女』は貴重な存在だからな。わざわざ悪夢を見せて精神的に追い詰める理由もないし。…で、そんな尻尾の少女さんだが、退屈なのか裸足になって水をちゃぷちゃぷさせて遊んでるね。
ワット:この状況で!?
スイレン:ノー天気ですね…
ルーン:テールちゃん……
GM:まぁ、そう思うのは君たちだけじゃない。テールの夢の中を覗き見ることのできる"黄香子"も、緊張感が一切感じられないテールを見て呆れているようだ。「随分と余裕だな。自分が拉致されている自覚があるのか?」
フィル(テールになって):「あなたこそ、私に話しかけてる余裕なんてあるのかしら?」(一同爆笑)
GM:「フッ…当然だろう。お前1人を運びながらダンジョンを突破するくらい造作も…ぐわぁっ!?」(一同大爆笑)
スイレン:もうやめろ(爆笑)キャラ崩壊が止まらないから!!
GM:お、おう。そうだな。続き…えー、そんな感じで"黄香子"が弱ってきていることに、テールは既に気づいている。
ワット:ほぉ?
GM:「…最初のころは泉の水が冷たかったけど、今はもう何も感じない。感覚が鈍ってきてるってことは、夢が覚めかけてるということ。…何故夢が覚めかけているのか、それはあなたが弱ってきていること以外に考えられない」
一同:…………
GM:「…来てるんでしょ?ルーンちゃんたちが」
ルーン:…テールちゃん、やばっ
ワット:賢いなぁ
GM:テールのその言葉に対し、"黄香子"は舌打ちする。「…あぁ、そうだよ。君のお友達が地獄の淵から這い上がって来て、私の邪魔をしてくるんだ…全く鬱陶しい限りだ……だが」
ルーン:?
GM:「…だが、奴らが調子に乗っていられるのもここまでだろう。私には分かる。この先の部屋に『業の石』が眠っている…! 君のお友達も、私がそこまで到達すればもう、正面から立ち塞がるしかないだろう。転移さえされなければ私が奴らに遅れをとるはずがない。君のお友達もこれまでだ」
スイレン:…大人気ないですね。12歳の子供…それも女の子に言うことではないでしょう。
GM:しかし、テールの表情は穏やかなままだ。まるで何の心配もしていないかのようにね。
フィル:…へぇ。
GM:"黄香子"もそのことに気づく。その気になれば人心掌握すらやってのけるコイツからしたら、この状況でテールに怯えも恐怖も心配も見られないのは異常事態だ。…故に、こう尋ねる。「…大事なお友達が危機に瀕しているというのに、どうしてそんなに落ち着いていられる?それとも、君にとってあのお友達はそれほど大切な存在ではないということなのか?」
ルーン:…………
GM:それに対して、テールはここでようやく、水をちゃぷちゃぷするのを止めた。「…ルーンちゃんたちが大切じゃない?…そんなわけ、ないじゃない。…それに実際、見た目ほど落ち着いてないよ。ルーンちゃんに傷ついてほしくないし、危険な目に遭ってほしくないし、心配してるし、心配させてるし……でもね」
テールは泉のほとりで立ち上がり、広く晴れ渡った空を仰ぐ。
眩しい陽光がいつも元気な彼女と重なり、それを見ているだけで自然と勇気が湧いてくる。
だからテールは答えられる。
これから彼女と対峙するであろう、自分を攫った強大な敵からの質問に対し、怯えることなく、本心から答えてやることができるのだ。
「私はルーンちゃんを、信じているから」
……それが、全て。
いつも私ばっかり助けられていることに負い目を感じなくはないし、頼りすぎるのも良くないと思うけど…
…それでも、ルーンちゃんが友達のために全力を尽くしちゃうことを、私が一番良く知っているから。
GM:…だから、怯える必要はない。テールのその答えに、"黄香子"は押し黙った。
フィル:テールちゃん…
ルーン:りっぱになったねぇ(しみじみ)
フィル:お兄ちゃんは嬉しいよ(しみじみ)
GM:なんでしみじみしてんだよ!?てかフィルは『お兄ちゃん』でいいのかよ!?
フィル:それは『友達じゃないの?』という意味か?それとも『お前を"男"とカテゴライズしていいの?』という意味か?
GM:あ?後者に決まってんだろ(一同爆笑)
ワット:ま、まぁ。続き続き。
GM:あぁ、はい。そうだな。…じゃあ、一旦君たちサイドにカメラを移そうか。
□■□
GM:さて、最深部に転移して来た君たちの視界にまず映るのは、宙空に浮き、ゆっくりと回転している正八面体の光り輝く宝石。『業の石』だ。
ルーン:なんで正八面体?
GM:特に意味はない(断言)
ルーン:お、おう…
GM:で、その『業の石』の直下に『理不尽砲発射装置』があって、そこでノーチルが苦しそうに呻きながら作業を続けている。
フィル:あぁ、MPが尽きかけてるんだっけ?じゃあ一応声をかけるかな。ノーチル神官長、手伝いに来ましたよ!
GM:「おぉ、フィルくんか。ダンジョンの方はもういいのか?」
フィル:もういいどころかとっくに終わりましたよ。今"黄香子"がこの最深部に向って来ています。
GM:それを聞いてノーチルはひどく慌てる。「なんだと…!?…くっ、早く…この装置を作動させなければ……」
ワット:まぁまぁ落ち着いて。俺らが手伝いますから。…って、手伝うことってできるんだよね?GM。
GM:できるよ。FS判定が必要だけどね。
一同:………は?
スイレン:……今なんて?
GM:FS判定。
スイレン:今クライマックスですよね?
GM:はい。
スイレン:"黄香子"は?
GM:来たら戦闘になりますよ。
ルーン:………………えっと?
GM:まぁよく聞け。FS判定も戦闘も、アリアンロッドのシステム上『ラウンド進行』で処理しているだろう?…なら、同じラウンドで戦闘とFS判定、両立できるよな?
フィル:(ぶっと吹いて)お前マジで言ってるのか!?両立できるって言っても、相手40レベルのエネミーだぞ!?
GM:まぁ、そうだな。だから前のシーンでも言ったけど、ノーチルの手伝いをせず全員で"黄香子"にぶつかるって選択肢も用意されているんだ。
ルーン:どっちを選ぶかは私たち次第…と。
一同:………………
フィル(じっくり考えて)…いや、当初の予定通り、ルーンちゃんとワットくんが戦闘している間に他の2人でFS判定をやっちゃおう。《マドリガーレ》を使えば筋力判定も器用判定もたぶんどうにかなるし、仮にどうにもならなそうだったら後衛のワットさんに手伝ってもらえばいい。それにボクたちが"黄香子"の攻撃対象になったら耐えきれる望みがカケラほども存在しないから、多分、前に出ちゃマズイ。
スイレン:…そうですね。それで行きましょう。
GM:OK、方針は固まったな。では戦闘前に…1ラウンドぶんだけ、事前に準備をする時間をあげよう。
一同:お?
GM:各自、移動や回復、支援などが必要なら今この時間にやって良いとする。…ついでにここで"黄香子"が通路を通り抜ける時に入るHPMPロスを出しておこう。今回は16Dだよ。
ルーン:(ダイスを振る)…62点HPロス!
ワット:(ダイスを振る)…52点MPロス!
GM:ガフっ…お、おう…やばひ……(一同爆笑)
スイレン:クライマックス前に何をやっているんだこのラスボスは(爆笑)
フィル:一回だけ行動とっていいのかー。…じゃあ、全員まとまったエンゲージで《マドリガーレ》を発動して判定に+6点!
スイレン:《プロモーション》は…まぁ、あとで良いでしょう。
ワット:あとはフィルくんとスイレンさんが『理不尽砲発射装置』のエンゲージに入って…
フィル:ワットくんも入っちゃって。
ワット:あ、了解。
ルーン:…で、私が20m前に出れば良いんだな。
フィル:そうだね。…よし、これで戦闘準備完了だ。
GM:…OK、ではこれより戦闘を開始するぞ。普通とは違う形式での戦闘となるので、しっかりと考えて動くように!!