MIDDLEPHASE07 だんじょんつくーるA
この話は時系列的には前話『MIDDLEPHASE08 "黄香子"のダンジョンアタック』より前のものとなります。
GM:それじゃ、俺は部屋の外に出てるからみんなで相談して作ってくれ。…あ、録音だけは絶対止めるなよ。リプレイ書けなくなっちまうから。
一同:はーい。
GM:それじゃ、10分後に戻ってきまーす。
フィル:(GMが出ていったのを確認して)…さて、それじゃあ作り始めようか。
ルーン:まずどうする?
フィル:さっきから考えてたんだけど、『一般オブジェクト』をルーンちゃんの形にして置いておかない?
ルーン:?…なんで?
フィル:急に目の前にルーンちゃんが現れたら"黄香子"はどうすると思う?
ワット:まぁ、警戒するだろうな。ただルーンちゃん相手に逃げることはないだろうから、攻撃してくるかも。
フィル:そう。だから本物そっくりなルーンちゃんの像を設置しておけば、きっとその像に向け攻撃を空撃ちしてくれるハズ。
スイレン:なるほど。その隙に私達が一斉攻撃でも仕掛ければ100点くらいHPをもぎとれますね。敵の防御力にもよりますが。
フィル:そこはたぶん『エクスプロージョン』が通る程度の防御力しか無いはずだから大丈夫だと思う。…というか、それ以上防御が高いと倒せないし。
※因みに、3話でも少し触れましたが"黄香子"は基本的に鎧を装備していません。そのため物理防御力は40レベルのクセに5点しかなく、物理ダメージは弱点だと言えるでしょう。
ルーン:…さて、じゃあ私の像を設置するのは確定として、他はどうする?
スイレン:とりあえず『ランダムトラップ』何にするか決めようか。
ワット:あぁ、コレか。
ルーン:じゃあ、代表して私が振ろうかな?
スイレン:いや、表見てて思ったんだけど、これ確実に選択した方が強い。見てみろ、63,64の項目。
フィル:『アコライトインタラプション』か。なるほどな。そういえば"黄香子"はアコ系のスキル使ってたっけ。
スイレン:《プロテクション》と《テレポート》しか見てないけど、一応使える。となると《アフェクション》も《ヒール》も使えると考えていいでしょう。
ワット:そうだね。せっかく与えたダメージを回復されたりしたら元も子もない。
ルーン:じゃあ『ランダムトラップ』はそれで決定で。
フィル:あとは仕掛け方だな。『アコライトインタラプション』は入口付近に置いて早々に"黄香子"を無力化しておくべきだと思うんだけど…
ワット:入口付近はとくに警戒されるから、難しいかもね…
ルーン:確実にヒットさせたいなら"黄香子"に《テレポート》させて、その転移先に『アコライトインタラプション』を仕掛けておけばいい。
フィル:おぉ!なるほど。それはたしかに避けようがない。よく思いついたね。
スイレン:(実はあのGMが前にやった手段だったり…)
※『運命のドロップ品決定ロール』参照です。
フィル:あとはどうやって《テレポート》を使わせるかだけど…
ワット:破壊不能の『クリアウォール』を上手く使うしかなさそうだね。
スイレン:……そうですね、他のオブジェクトで足止めをするのは中々難しそうです。
ワット:ただ、クリアウォール1枚しかないんだよね。部屋の中だとわざわざ《テレポート》使ったりしないで普通に回り込まれたりしないかな。
ルーン:だったらそこを部屋の中と思わせなければいい。入口から『壁』をつなげていけば部屋の中に通路の続きが作れるよ。
フィル:なるほど、それはいいね。ついでに『落とし穴』も仕掛けちゃえ。
スイレン:入って2マスの中に落とし穴とクリアウォールとアコライトインタラプションと…(笑)
ワット:容赦ないなぁ(笑)
ルーン:よし。どうせだし2マス目に『エクスプロージョン』も仕掛けちゃおう(一同爆笑)
スイレン:ひ、ひどい(笑)
ルーン:そのあとは方向変えながら『壁』で適当に通路の続きを作って……宝箱も適当に置いておこうか。
スイレン:では宝箱に『毒ガス』と2つ目の『エクスプロージョン』を仕掛けておきましょう。…まぁ、"黄香子"が宝箱に興味を示すかどうかはわかりませんけど。
ルーン:私の像(一般オブジェクト)もこのへんに置いておこうか。…なるべくドヤ顔で仁王立ちしている感じがいいな(一同爆笑)
ワット:それは…その像を見たら"黄香子"もかなり焦るだろうな(笑)
GM:(部屋の外から)残り3分ーー!!
ワット:おぉっと、ヤバイヤバイ。そんなこと話してる場合じゃない。
フィル:あと余ってるのは?
スイレン:『スペルキャスター』と『コンシール』×2、あと
フィル:コンシールかぁ…何を隠そう。
ワット:(少し考え)壁を透明にして擬似クリアウォールを作り出すのはどうだろう?
一同:それだっ!!
フィル:じゃあ壁2枚に『コンシール』をくっつけて透明にしよう。置き場は…
ルーン:1マス目、2マス目が終わった後にも絶望を見せるため3マス目に置くことを推奨。
ワット:ではそれで!
スイレン:じゃあ1枚はそこで。もう1枚は…
フィル:出口に置いておけば壁があると気づかずにぶつかってくれるんじゃない?
スイレン:いいですね。ではそれでいきましょう。
ワット:あとは…『スペルキャスター』か。
ルーン:時間がない。そいつも3マス目に突っ込んじゃえ!!
スイレン:お、OK。えーと、じゃあ完成形は…
ルーン:……中々にカオスだな。
フィル:…これはさすがに無傷で突破はできないでしょ。
スイレン:これらのトラップに加え、ルーンちゃんの像に気を取られてる隙に私たちの奇襲が入るわけですからね。
ワット:そういえばどうやって奇襲するの?
フィル:《進化版テレポート》でいいと思う。最も安全に奇襲できるし、しかも4つあるから2往復できる。
ワット:なるほど。たしかにそれがベストだね。
ルーン:……と、そろそろ10分かな?
GM:(部屋に入って来て)…終わったか〜?
フィル:おー!終わったよー!!
ルーン:(ニコニコしている)
GM:どうやら中々アホみたいなダンジョンを作ったらしいな。顔に書いてある。
フィル:まぁ、それは自分の目で見て確かめてくれ。
GM:それもそうだな。ではこれにてこのシーンは終了、さっそく"黄香子"のダンジョンアタックシーンに入って行こう!!
一同:おーーー!!
…このあと、1部屋だけで"黄香子"のHPが200点以上削れてしまうことを、この時はまだ誰1人として予想していなかった……