MIDDLEPHASE08 "黄香子"のダンジョンアタックA
この話は時系列的には次話『MIDDLEPHASE07 だんじょんつくーるA』の後の話となります。
PCたちが作った意外性の高いダンジョンをGM視点から楽しんで頂くためにこの順番での掲載とさせて頂きました。
是非お楽しみ下さい。
2017/9/3 誤表現修正
GM:(部屋に戻って来て)…そろそろ終わったか〜?
フィル:OK!ダンジョン完成したよ!!
GM:よし、それじゃあこれより"黄香子"のダンジョンアタックシーンを開始しよう!…というわけで"黄香子"が部屋Aへとやって来たが…どうやら彼はこの部屋に到達するまでにいくつかトラップに引っかかり、多少HPやMPが削れてしまったみたいだね。
ワット:さすがトリコダンジョン。
GM:というわけでHP、MPに2Dずつロスが入ります。(ダイスを振る)…5点HPロスと7点MPロス。
スイレン:あと、私たち4人は全員モニタールームから部屋Aの様子を監視しています。そしてその間に《プロモーション》でルーンちゃんの《スラッシュブロウ》のSLに+1。
フィル:ボクは《マドリガーレ》を全員へ。
GM:…よし、事前にやっておくべき処理はこれで終了だな。では早速部屋に入って行くとしよう。
ルーン:では、通路を歩いてくると"黄香子"は10mほど前が行き止まりになっていることに気がつくね。
GM:ほぅ?(なるほど、部屋の入口を塞ぐ方向で来たか)…ではまぁ、とりあえずその行き止まり地点まで進んでみるよ。
スイレン:では一歩踏み出したところで危険感知!!トラップ『落とし穴』が発動します!!
GM:ファッ!?…待って?部屋の外にトラップ仕掛けたの?
ルーン:いいえ、部屋の中です。
GM:え、じゃあどうやって…
ワット:こうなってます。
GM:10mってそういうことかーーーいっ!?(一同爆笑)
フィル:そう、部屋の中に『通路の続き』を10m作ったんだ。これで部屋の外に出なくても通路にトラップを仕掛けることができる!!
GM:小賢しい手を…(笑)…だが危険感知に成功すればいいだけのこと。(ダイスを振る)…達成値14!
スイレン:難易度は12なので成功ですね。
GM:「おっと、危ない」"黄香子"は落とし穴に気づいてすんでのところで立ち止まった。…で、これ落とし穴飛び越えるしかないよね?
フィル:そうだね。難易度10の跳躍判定どうぞ。
GM:(ダイスを振る)…あぶね、出目が低いけど達成値10でギリギリ成功。テールを抱えたまま穴を跳び越えます。
フィル:では"黄香子"は穴を跳び越えた先にあった『クリアウォール』に勢いよくぶつかります。
GM:ぶっ!?
ルーン:そしてこの位置でクリアウォールにぶつかったことによりそのまま落とし穴にも落下します。
GM:容赦ねぇぇぇぇええっ!!??(一同爆笑)
スイレン:当然でしょう。こちらは殺す気でトラップを仕掛けているのですから。クリアウォールは(ダイスを振る)…9点貫通、落とし穴は(ダイスを振る)…8点貫通ダメージです。
GM:いってぇ!?だいぶ入ったぞおい!!??
ルーン:まだ1マスなのにね〜
GM:ほんとだよ!マップが進まねぇ!!急いで先に進むぞ。
『登攀』の判定を成功させ、落とし穴の外に脱出した"黄香子"は破壊不能のクリアウォールを突破するため《テレポート》を使用。無事2マス目に転移することに成功したのだが…
フィル:2マス目に転移したね?ではランダムトラップ『アコライトインタラプション』が発動します!!
GM:ぶっ!?
説明しよう。『アコライトインタラプション』とは!
トリコさんが作り出したオリジナルトラップで、シナリオ間アコライトのスキルである《プロテクション》《ヒール》《アフェクション》のうちどれか一つを使用不可能にできるというトンデモ効果を持つ。因みに効果は重複し、3回受けると3つのスキル全てが使用不可能になる。
スイレン:指定は《プロテクション》…さぁ、まずはその装甲を剥がすところから始めていきましょうか。
GM:くっ…仕方がない。"黄香子"はここから先 《プロテクション》が使えなくなりました。だがこの程度で止まるナゲット団幹部じゃないぞ。自分の得意な防御魔術を封じられても怖気付くことなく先に進む。差し当たっては進路を確保するため目の前の壁をレイピアで破壊じゃー!命中判定(ダイスを振る)…成功!ダメージは固定値が44点あるんだけど…?
ワット:壁の耐久力は物理防御とHP合わせて15点なのでぶっ壊れますね。
ルーン:ここで壁に仕掛けてあった『エクスプロージョン』が発動します。難易度13幸運判定をどうぞ。
GM:このタイミングでかよっ!?(一同爆笑)まだ2マスしか進んでいないのに!!
スイレン:まぁ、初手ぶっぱは基本。
GM:くそ…(ダイスを振る)…達成値13。どうにかエクスプロージョン不発に抑えました。
ルーン:ふむ。では次に壁が壊れたことによる難易度13の筋力判定をどうぞ。
GM:げっ、それはもしや…?
スイレン:えぇ。2話と同じ、崩れてきた壁に押しつぶされないかどうかの判定です。
フィル:同じ遺跡の同じ壁だもんね。同じ効果は持ってるハズだよ!
GM:うーん、まぁ理論は通ってるな。いいだろう、その効果受けてやる(ダイスを振る)…達成値14。OK、下敷きにはならなかったよ。
スイレン:うーん、中々上手くはいきませんね。
ワット:さすが40レベルといったところか。
GM:(…ギリギリなんだよなぁ)(苦笑)
…と、そんな感じでPCたちの殺意のこもったトラップ群を抜け切った"黄香子"しかし続く3マス目では『コンシール』によって隠された『壁』にぶつかり『スペルキャスター』を発動させてしまう。
『壁』にぶつかることによって出たダメージは2D貫通。達成値9点のダメージが通った。
しかし『スペルキャスター』の方は26点もの魔法ダメージを叩き出すも…
GM:26点の『魔法』か…ダメージは0ですね。
一同:は!?
40レベルに恥じない圧倒的な魔法防御力を見せつけ、その場を乗り切った。
そしてその後道なりに進んだところで……
GM:壁を壊して道を切り開きます。(ダイスを振る)…命中、ダメージは51点物理、筋力抵抗も成功。
フィル:では"黄香子"は少し開けた場所に出ました。
ワット:そこには宝箱が2つ置いてあり、奥には通路が続いています。
ルーン:そして…
スイレン:ドヤ顔のルーンちゃんが、仁王立ちして立っていますね。
GM:……………………へ?
GM:「な、なぜ貴様がここに…数時間前に海の藻屑となったはず…」"黄香子"は仮面の下で驚いたような顔をするね。
ルーン:ドヤ顔で仁王立しています。
GM:…反応なしか。なるほど、GM的にはだいたい察したけど…問題は"黄香子"が気付けるかどうかだな。
スイレン:うーん、では難易度12とかの感知判定どうぞ?
GM:なるほど、これに成功すれば気付けるか。(ダイスを振る)…あ、達成値10で失敗。どうやら"黄香子"はあのルーンちゃんを本物だと思ってしまったようです。
ルーン:お。
※既に多くの方はお気づきかと思いますが、このルーンちゃんはPCたちの手によって用意された『一般オブジェクト』です。
喋らないで仁王立ちしているのはそれが理由。
しかし"黄香子"はこのルーンが偽物であると見破ることができなかったため、ここからしばらく茶番になります。どうかお付き合い下さい。
GM:では"黄香子"はルーンに一方的に語りかけよう!!「あの状況から生きて帰るとは素晴らしい生命力だ!刀使いの少女よ!!」(一同爆笑)
ルーン:(笑いながら)わっ、私の像は反応することなくずっとドヤ顔しているわけで…w
フィル:遺跡内にはただ"黄香子"の声だけが響き渡る。
ワット:なんだこれ、虚しい(笑)
GM:「しかぁし!!こうして私の前に無防備に出てきてしまったのは致命的な判断ミスだ!!なぜなら貴様はどう足掻こうと私に殺されるのだから!!くらえーーーーーーーっ!!!!!」と、ムーブとマイナーで全力移動。メジャーでルーンにレイピア刺突(一同大爆笑)
ルーン:1人でガチ戦闘始めちゃったよ(笑)
スイレン:しかもセリフが雑魚っぽい!!!
当然この攻撃でルーン(の像)は粉々に砕け散った。
GM:レイピアをビッ!と振り払いながら言います。「フッ…他愛ない」
フィル:そっか。ではその直後のイニシアチブプロセスに《進化版テレポート》を発動。4人全員で"黄香子"のエンゲージに転移してきて奇襲攻撃を仕掛けます。(一同爆笑)
ルーン:やっほよ☆ 奇襲攻撃しに来たよ!
GM:お前らやることがエグすぎるわぁぁあっ!!?
GM:…じゃあ、奇襲攻撃の処理に入ろう。各自メインプロセス1回分の行動をどうぞ。行動値順にね。
ワット:まずは俺からか。敵が至近距離にいるのでレールガンは使わず素手で殴ります。
GM:ワットさんCQCも使えるのか…
ワット:ムーブマイナー無し、メジャーで《ワイドアタック》+《インベナム》ルーンちゃんを巻き込んで範囲攻撃!!
GM:なんだそれ!?…あ、《ワイドアタック》のダメージ+2点を入れに来たのか!?
フィル:そのとーり!今回の攻撃はレールガンによるものではないのでルーンちゃんの耐久力があれば余裕を持って耐え切れるはず!!
ワット:命中判定は《マドリガーレ》込みで2D+12(ダイスを振る)…達成値18。
GM:奇襲ペナルティでリアクションダイスが1Dになっているので回避不可能です。ダメージどうぞ。
ワット:《ピアシングストライク》(ダイスを振る)…21点の物理ダメージ+【毒2】を付与!!
GM:痛ってぇ!??アホみたいなダメージ入ったぞ!?特に【毒2】が痛い!!
フィル:あれ?《バッドステータス無効》は持ってないの?
GM:持ってないんだ。いくつか《抵抗:〜》系のスキルを持っているから効かないバッドステータスもあるんだけどね。
ワット:なるほど。でも【毒】は有効なんだな。いいこと聞いた。
GM:因みにルーンちゃんの方にもダメージ入るけど…?
フィル:そこはもちろん《プロテクション》
ルーン:10点だけ軽減してくれればいいよ。
フィル:OK、5Dで10なら楽勝(ダイスを振る)…ぶっ!?
GM:(出目を数えて)…8点ですね。2点+【毒2】が通りまーす。
ルーン:おいっ!?(一同大爆笑)
フィル:ご、ごめんよルーンちゃん、許して!!
ルーン:まぁ、私は今回 《トゥルーアイ》が使えるから7点ダメージ軽減できるんだけど…まぁ、後で回復すればいいか。そのダメージは受けておきます。
GM:はいはい。では至近距離から"黄香子"に対し攻撃を行ったワットにここでイベントが発生。
ワット:?
GM:即座に"黄香子"のドロップ品決定ロールを行うことができます。
一同:なんだって!!??
GM:まぁ、倒したわけじゃないから金銭的に価値のあるものがドロップしたりはしないのだが、代わりに"黄香子"のステータスを下げることができたりする。まぁ、頑張って高い出目を出してみなさい。
フィル:なるほど、それは重要だな。ここはフェイト1点くらい使ってもいいかもしれない。
ワット:そうだね。後々のことも考えてフェイトを1点…
スイレン:待った。ここはフェイトより先に《ブリッツセンス》!ダイスロールに+1Dです!!
GM:なるほど。シーンに1回使える《ブリッツセンス》の方がこの場面で使うのに適しているな。
ワット:では『目利き』も合わせて4Dで(ダイスを振る)…おぉっ!!??
一同:うおっ!!!!
GM:出目5,5,6,6っ!?合計22って…嘘だろ!??いきなり最高値ドロップしたぞ!?(一同爆笑)
"黄香子"ドロップボーナスロール
22…光る剣
GM:えー、ドロップしたのは『光る剣』…"黄香子"がさっきまで使ってたレイピアだ。
フィル:『光る』っていうのは?
GM:えーと、覚えてるかな?君たちはアミーが一緒にいるから関係ないんだけど、基本的にこの遺跡内は『暗闇状態』なんだ。
スイレン:あぁ、そういえば。暗闇下で水中戦闘とかやりましたね。
GM:だから"黄香子"にも光源が必要だったのだが…今回ランタンの代わりに使っていたのがこの『光る剣』…猫が持ち帰る前に《進化版ウェポンクリエイト》で作っておいた特別品だ。因みに"黄香子"以外には使えないのでこいつを装備しようとかは思わないように。
スイレン:なるほど。この暗い遺跡の中で光源を失ってしまいましたか(ここで、ニタァと笑う)…生きて帰れるといいですねぇ…
GM:…まぁ、一応"黄香子"は《暗視》のエネミースキルも持ってるよ。だから暗闇のペナルティは受けないが…いや、この話は後にしよう。先に奇襲の処理を片付けちゃおうか。
スイレン:あ、はいはい。次は私の行動ですね。
ここから怒涛の3連撃が始まった。
スイレンは「魔法は効かないから」と、所持していた『赤き斜陽の剣』で"黄香子"を斬りつけた。
白兵攻撃があまり得意でないスイレンだが、今回は《マドリガーレ》による支援もあったため攻撃を当てることに成功。8点のダメージをもぎ取った。
続くルーンは全力全開。《スマッシュ》《スラッシュブロウ》で本気の攻撃を叩き込んでくる。
そこにスイレンの《チェックメイト》とフィルの《ディスコード》も乗ったが、出目が振るわず最終的なダメージは56点にとどまった。
最後にフィルの行動。スイレンからお下がりでもらったダガーを使い"黄香子"に斬りかかる。出たダメージはなんと11点。それなりに傷を残すことに成功した。
そしてそれぞれドロップロールで
ナゲット×5
《模倣版インタラプト》のスキル珠
《模倣版ファイトソング》のスキル珠
をドロップさせ、奇襲攻撃は終了となった。
GM:さて、ようやくセットアッププロセスだ。"黄香子"は突如現れ奇襲攻撃を仕掛けてきた君たちに対し怒りを露わにしている。「貴様ら…タダで帰れると思うなよ!」《ガーデン:洞窟》《キープガーデン》を発動して君たちもろとも洞窟の中に閉じこもります。
フィル:へー。因みに"黄香子"さん、行動値の方は?
GM:11デス。
ワット:……あ、俺の方が速い。
GM:へ?嘘だろっ!!??(一同爆笑)
スイレン:お、ではもう一撃入れられそうですね。
ワット:ですね。行っちゃいます。《ピアシングストライク》!!!
スイレン:《チェックメイト》!
フィル:《ディスコード》!!
ワットはこの攻撃で31点のHPをもぎ取った。
GM:やばい。思ったよりHPがマッハで減ってる。このままじゃまずい。とりあえず"黄香子"のメインプロセスで最大火力のルーンを潰し…
フィル:その前にイニシアチブで2回目の《進化版テレポート》を発動!全員で逃げます!
ルーン:ばいちゃ☆…ビュン!
GM:……あ、はい。洞窟に1人残されるカリーさん……(一同大爆笑)
スイレン:(爆笑しながら)やばい!なんだこれ!!可哀想すぎる!!
お前らがやったんだ。
GM:ともかく、これで戦闘は終了だ。ルーンと"黄香子"には【毒】のHPロスが入るよ。
ルーン:あ、しまった。回復忘れてたな。
フィル:まぁ、あとでいいよ。
GM:それじゃあ、部屋の先に進もう。…というか、もう出口でいいよね?
フィル:あ、出口に行く?
GM:うん。
フィル:では『コンシール』で透明になった『壁』にぶつかります。2D貫通ダメージ。
GM:(←頭を抱える)
ルーン:そしてこのタイミングで3回目の《進化版テレポート》及び奇襲攻撃を…(一同大爆笑)
スイレン:も、もうやめてあげてーーーっ!!
こうして先ほど同様に全員で一斉攻撃を仕掛けることによって"黄香子"から合計で106点のHPをもぎ取った取り戻し隊の面々は、"黄香子"から取れる最後のドロップ品、"黄香子の十字架"を手に入れ、4回目の《進化版テレポート》で帰って行った。
……本当に嵐のような奇襲作戦であった。
GM:(こいつら手際が良すぎるな…)…では、最後に出口のところにある壁を"黄香子"が遠隔から《クラッシュガーデン》でぶち抜いて、出口が露わになったところでこのシーンを終了しよう。奇襲攻撃を受け、仮面の奥に隠れた"黄香子"の表情は、君たちに対する"怒り"で、完全に染まった。
フィル:まだまだ。お楽しみはこれからだよ!