MIDDLEPHASE05 トリコ式最終防衛作戦
2017/8/31 誤表現訂正
GM:それでは次のシーンを始めよう。君たちは2話クライマックスの部屋に入ったよ。
ルーン:トリコさんは?
GM:部屋の奥で白目むいて泡吹いて倒れてる。
フィル:よし、すぐ駆け寄って《ヒール》…いや、この場合 《ファーストエイド》かな(ダイスを振る)…成功。
GM:OK。ではトリコはどうにか意識を取り戻した。「う…お、おぉ…お前たち、助けに来てくれたのか……」
フィル:え?あ、う、うん。
ワット:べつにトリコさんを助けることを目的として来たわけじゃないんだけどな。
ルーン:倒れてたから助けただけで。
GM:まぁ、トリコからしたらそれでも構わないだろう。ただ、立場上だれかれ構わず助けを乞うというわけにもいかない。故にノーチルの方を見て「そちらは?」って尋ねてくる。
フィル:ノーチルさん若干怪しまれてるの笑えるんだけどww
GM:ノーチルはそんなフィルを横目に「ゴッホン!」とわざとらしく咳払いをすると…
フィル:(ニコニコしながら)どーしたんですか神官長、お風邪ですか?
喜々として上司を煽る神官見習い(妖精、男の娘)
GM:(フィルを無視して)「お初にお目にかかります。守護獣トリコ殿ですね? 私はファット大神殿第31代神官長ノーチル・プロミーゼと申します。ファットに課されし使命を果たすため、参上しました」それを聞いてトリコさん「おぉ、ファットの神官長殿でしたか、これは心強い!きっと『業の石』を守りきることもできましょう」
スイレン:うーん、まぁ、それは心強いのでしょうが…
ルーン:ねぇトリコさん、テールちゃん見なかった?
ワット:尻尾の生えた女の子を。
GM:「尻尾?」トリコは少しだけ考えるが、すぐに思い出した。「おぉそういえば最後に来たナゲット団の奴がそんな娘を抱えていたような…」
フィル:その子です。今どこにいるかわかりますか?
GM:「いや…すまぬ。情けないことにワシはそのあとすぐに気絶してしまっての…その後どうしたかは見ておらぬ。…だがまぁ、ここから先に進んだとすれば、道はただ一つのみ」そう言ってトリコは部屋の奥にある、さらに下へと続く階段を見た。
フィル:それはオープニングで言ってたやつ?
GM:そう。元々《進化版ウェポンクリエイト》のスキル珠が置かれていた台座を"黄香子"が破壊したことによって出てきた隠し階段だ。
ワット:……あのトラップ地獄のダンジョンの続きかぁ…嫌な予感しかしねぇ……
ルーン:そんなこと言ってる暇もないだろう。この先にテールちゃんがいるってわかってるなら行くしかないもんね。
GM:うん。君はそう言うと思った。だがトリコさんは「待て」と君を止める。「この先の通路にはワシが仕掛けた大量のトラップが息を潜めて待っておる。いくらお前さんたちとはいえ、生きてそこを通り抜けるのは不可能だ」
ルーン:それじゃあトリコさんが『トラップ解除』しながら進んでよ。
GM:「そうしたいのはやまやまじゃが、生憎先ほど受けた傷のせいでまだ手先が震えておる…今そんな器用な作業をするのは無理じゃ。…それに……」ここでトリコは真剣な顔つきになる。「尻尾の少女を連れていた仮面の男、ヤツは異常だ、強すぎる。ここにいる全員で束になってかかっても、十中八九勝てぬじゃろう…」
ルーン:そんなことはわかってるよ。でも、それで友達を助けに行かない理由にはならない
GM:「行ったところでお前は死ぬだけじゃ。馬鹿正直にぶつかっては、ヤツには勝てぬ」
フィル:でも、ボクたちが行かないと『業の石』も取られてトリコさんの使命も果たせなくなっちゃうでしょう?…それはどうするつもりなんですか。
GM:「ワシに考えがある」…トリコは言い切った。
一同:……………
GM:「これはヤツを倒すための作戦じゃ。成功すれば『業の石』を守った上でテールとかいう娘も救うことができる。しかし、この作戦にはお前たちの協力が不可欠じゃ………協力、してくれるな?」
ルーン:…なんだ、そんな良い作戦があるならもっと早く言ってよ。
フィル:この状況じゃ、乗らない理由はないね。
スイレン:私たちの力だけではどうしようもないのも事実ですしね。
ワット:その点、あの殺人ダンジョンを作り出したトリコさんの作戦なら心強い。
GM:「……ありがとう、これで守護獣としてのワシの使命を全うできる」トリコは深々と頭を下げた。
ルーン:そういうのはいいよ。もう私たち友達でしょ?
GM:「ガッハッハ!そうじゃったな!!」
フィル:…………で、その作戦ていうのは?
GM:「それについては"向こう"で説明しよう」トリコはそう言って、部屋の隅の壁に向かい歩き出した。
ワット:……向こう?
GM:ガコン!…トリコが壁の一点を押すと、その一点を中心に上下に裂け目ができ、ウィーンと音をたてて左右にスライドし始めた。
ルーン:………カラクリ厨め……
GM:そしてその奥に隠されていたのは…青く輝く5つのスキル珠。
スイレン:お?
GM:トリコはそのうち1つを右手に持ち、残り4つを器用に左腕に抱えると、君たち4人+ノーチルのところに戻ってきた。
フィル:トリコさん、それは…?
GM:「使えばわかる。お前たちも付いて来い。《進化版テレポート》!!」
一同:ちょっ……!?
GM:ビュン!!瞬間、青い光に包まれてその場にいた全員が一斉に転移した。
一同:ええええええっ!!??
フィル:いや、転移って…ど、どこに!?
GM:君たちは気がつくと、薄暗い部屋の中にいた。その部屋にはいくつものモニターがあり、遺跡中を監視できるようだった。その中の一つには気絶したテールを抱えた"黄香子"の姿もある。
ワット:な、なんだこの技術……
ルーン:てか監視してたのか…悪趣味な……
GM:因みにだけど2話時点で既にダンジョン内にモニターは出てきてたからな?その時はツッコミなかったけど。
スイレン:あぁ、そんなものもあったよーな…
フィル:…で、こんなところに連れてきて、いったいどんな作戦を決行するつもりなの?
GM:ふむ、では早速本題に入るとしますか。トリコは「こいつを見てくれ」と言ってとあるモニターを指差した。どうやら『牙の遺跡』の奥地、これから先"黄香子"が進むルートのマップのようだ。
一同:………?
GM:右上が先ほどまで君たちがいた2話クライマックス部屋。"黄香子"は現在そこから部屋Aに続く通路を移動中だ。
フィル:なるほど。まだ最深部に行くには余裕がありそうだね。
スイレン:……で、これと作戦とにいったいどんな関係が?
GM:トリコが答える。「敵が最深部に到達するまでに、大きな部屋が3つあるじゃろう?」
スイレン:ありますね。
GM:「じつはな、通路部分はワシが大改造してトラップがたくさん仕掛けてあるのじゃが…部屋の部分はまだ改造前でトラップが1つも仕掛けられておらんでな」
一同:えっ!?
GM:「どんな鬼畜な仕掛けにしてやろうかと考えてるうちにどんどんインスピレーションが湧き上がって来て完成形が決められなくての…」
ルーン:いやいやいや!!まずいでしょう!!どうやって"黄香子"止めるのさ!?
GM:落ち着け。トリコはトラップを『仕掛けていない』だけで『用意していない』わけではない。
ワット:……………というと?
GM:「お前たちがこのトラップを使って『ダンジョン』を作れ」
一同:……………………………
ルーン:………………は?
GM:「聞こえんかったか?既に用意してあるトラップを用いてダンジョンを作り上げ、"黄香子"を迎え撃つのじゃ」
フィル:えっとそれってつまり…?
スイレン:『PCがダンジョンを作って…』
ワット:『…GMが潜る』……?
GM:(ニッと笑って)その通り!!今回のコンセプトは『PCたちがダンジョンを攻略しに来るラスボスを迎え撃つ』だ!!!これこそがトリコさんが考え出した"黄香子"に対抗するための作戦である!!!「というわけでお前たち、後は任せた!!!」
一同:完全に人頼みじゃねーかぁぁぁあっ!!!??(GM大爆笑)
GM:なーっはっはっは!!ひとまずこのシーンは終了だ、次のシーンでこの『ダンジョン作成ルール』についての説明をしていくぞ。
ワット:えぇっ!?ちょ、待……ほんとにやるの!?