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ENDINGPHASE01 だべー

2017/8/5 誤字訂正

GM:さて、それではエンディングフェイズに入ろう。ゲームが終了すると《ガーデン》の効果も切れたみたいで、フィールドが草原からトレーニングルームに戻る。しかしその様子は戦闘前とは一変していた。大量の水が室内に流れ込んで来ていたんだ。


フィル:ごぼぼぼぼ…


ルーン:フィルくーん?大丈夫かー?


フィル:だ、だいじょーぶだよ〜


GM:そうか。…ところで君たち何か忘れてないか?


一同:えっ?


ルーン:なんだ?マイケルさんが船の外にいるってことか?


GM:いや違う。別にそれは忘れてても構わない。


フィル:テールちゃんは回収したし、アミー含むスキル珠は盗られてないし、レールガンも回収したし…


ルーン:アミーいたっけ?


GM:ルーンちゃんが持ってるんじゃない?レータスの店で防水加工しなかったから、マイケル一家に乗って海に出た頃からずっと石の中にこもって出てこないけど。


ワット:そっか。水あったら出てこれないもんな。


スイレン:でも今も部屋の中まで浸水しているのでしょう?


フィル:つまり、アミーもう出てこれないね。


GM:はい。アミーは今話ではもう出て来ません(一同笑)


ルーン:かわいそうに。


GM:…って、違う違う。お前らに「何か忘れてないか?」って聞いてたんだった。


フィル:忘れてるって言われてもなぁ…そもそもボクたちはテールちゃんを取り戻しに来たわけだし、既に目的は達成したわけで……あれ、テールちゃんいるよね?


一同:……………………


ルーン:戦闘開始時にはいたはずだけど…


ワット:そういえば行動値も提示されてたな…


スイレン:あれ?でもテールちゃん行動してないよ?


一同:……………


フィル:GM、テールちゃんは?


GM:さぁ?少なくとも君たちと同じエンゲージにはいないよ。


一同:まじかあああああっ!?


フィル:じゃあアイツだ、"黄香子(イエロー)"はどこいった!?きっと《ガーデン》を操作するなりなんなりしてアイツがテールちゃん攫って行ったんだろ!!


GM:おお、よくわかったな。正解だ。"黄香子(イエロー)"は先程と同じ位置から君たちを見下ろしているよ。ただし、気絶したテールちゃんを抱えながらだけどね。


フィル:やっぱりか!!


ルーン:卑怯な奴め…


GM:さて、では沈みゆく船の中、"黄香子(イエロー)"は《ガーデン》から出てきた君たちを見て「あぁ、お前たちが勝ったのか…」と意外そうに言います。「ケチャップが出てくるのを待っていたのだが…そうか、あいつもやはり使えない…か」


ルーン:まぁ、部下にやられるようなやつだもんなー。


フィル:ルーンちゃん、可哀想だからそのことは黙っててあげようね。


GM:「しかし…101対4という不利を覆したことを考えると…ますます君をナゲット団に迎えたくなるな…ワット」


ワット:…………


フィル:あいつワットさんに目つけやがったぞ。


ルーン:人を見る目はあるようだ。


スイレン:唯一の常識人ですからね。




全くである。




GM:「…最後のチャンスだ。ワット、もしお前が今の仲間を捨て、ナゲット団に加入するというのなら、お前だけはこの場から逃してやろう」


フィル:うわーっ、そう来たかぁー!!これは選択肢としてだいぶキツイな……


ルーン:一応、"黄香子イエロー"はワットさんの恩人だからな…まぁ、このことは私らは知らないんだけどw


ワット:……どうしよう。正直迷う…(笑)


GM:うん。ここでどちらの道を選ぶかによってこれからの展開が変わってくる。大いに悩むといい…と言いたいところだが、船が沈んで行っているので時間制限を設けよう。あと1分以内にどうぞ。


ワット:ぶっ!?


スイレン:ふむ。では…私はワットくんがナゲット団に勧誘されている理由を完璧には理解していませんが…ワットくんが助かる道があるなら、ここはこう言ってあげましょう。


ワット:?


スイレン:ワットくん。あなたはアルディオンから私の護衛として尽力してくれましたが…その契約は、ここで終わりにしましょう。


ワット:…え


スイレン:あとは…自分の進みたい道を歩みなさい。


フィル:おぉ。スイレンさん攻めるなぁ


GM:"黄香子イエロー"…カリーは、そんな君たちの様子をただ静かに眺めている。彼からしたら『水霊の憩い』の娘とそこを裏切った錬金術師がこのような話をしているのは奇妙に映るだろう。


スイレン:…私たちはまだ、お互いの過去を知らないので。


ルーン:さぁ、これに対してワットさんはどう答えるのか!


ワット:俺は…




過去の恩人か、現在の仲間か…

難しい選択を強いられたワットは、しかし、既に覚悟を決めていたかのように、こう答えた。




ワット:…俺は、まだみんなと一緒に冒険を続けたい…かな。


ルーン&フィル:そうこなくっちゃ!!


スイレン:(笑顔で)…では、これからもよろしくお願いしますね!


GM:カリー…いや、"黄香子(イエロー)"はその言葉を聞いてただ一言「残念だ」と呟いた。そしてすぐさま《テレポート》の詠唱を開始する。


ルーン:おい、待ってろよ"黄香子(イエロー)"!!テールちゃんを取り戻して、絶対お前とも友達になってやるからなーーーっ!!


GM:「友達?…バカげたことを。お前達はこのまま船ごと海へ沈むのだ。もう、顔を合わせることもないだろう…」ここで、《テレポート》の魔法陣が強い光を放つ。転送準備が完了したんだ。「では、さらばだ。来世では私と敵対しないよう、せいぜい願いながら逝くことだな…」そう言い残し、テールを抱えたカリーはビュンとどこかへ転移して行った。


フィル:…とりあえず、ボクたちも早く船から脱出しよう。"黄香子イエロー"を追いかけるのはそれからだ。


スイレン:そうですね。まずは今の状況からの脱出が先決…


GM:…が、しかし。ここで壁が割れて大量の海水が一気に流れ込んで来た。これによってトレーニングルームは完全に水没。君たちにはもう呼吸ができるスペースが残されていない。


一同:げっ!?


ルーン:それはマズイ。とりあえず天井を斬って脱出を…


GM:いや、既に船は大きく傾いており、もはやどちらが上かもわからない。天井を斬っても上には行けず、それどころか状況がさらに悪化する可能性すらあるぞ。


ルーン:そんな!?


スイレン:じゃあ、どうやって脱出すれば…?


ワット:FS判定とか?


GM:そんなものは用意していない。君たちが船内でいくら足掻いても、脱出は難しいと思った方がいいね。


ワット:嘘っ


フィル:あれ?これもしかして…ヤバイんじゃ…?


GM:もしかしなくても超ヤバイよ。てか、君たち普通にそろそろ窒息する。


一同:はぁっ!?


GM:肺が酸素を欲し、呼吸したくなる衝動を必死に抑えて水を飲まないようにする。賢明な判断だがしかし、だんだん脳に酸素が回らなくなり、ゆっくりと意識が薄れて行き…手足が痺れてきて…


フィル:ごぼっ、ごぼぼぼぼ…


GM:…もうダメだ。そう思った瞬間、君たちの耳に、不思議な『声』が聞こえた。


スイレン:…まさか、救いの女神か!?


ワット:人魚か何かが助けてくれる展開とか


ルーン:いや、ここはクジラとかでも構わない。とにかく誰か助けてくれるなら…


フィル:(怪しむように)…ちなみにどんな声?


GM:(エコーのように)「だべー」「だべー」「べー」「ー」…(一同大爆笑)




…はい。過剰演出おわり。




GM:と、まぁそんな感じで君たちはマイケル一家に救われた。


ルーン:いや、たぶんきっとこんなオチなんだろうナーとは思ってたけど…!


フィル:マジでこんなオチかよ!?ふざけんなよっ!??(一同爆笑)


スイレン:あぁ、私とワットくんのシリアスが…(笑)


GM:シリアスパートはリプレイ的に大変美味しゅうございました、ありがとね(笑)でもそれはそれこれはこれ。ちゃんとマイケルさんの出番も作ってあげないと。


ルーン:ネタ要員は黙ってろ!!(一同爆笑)


GM:いやいや、それにはさすがのマイケルさんも反論するよ「なぬってんだべおめぇら!オラたづはオラたづ仕事すごと全う(まっとぉ)すただげだべ!どこがさネタ(ぬた)だってんだぁ?」


一同:そういうところだよっ!!?(笑)


GM:ですよね。知ってた(笑)でも、マイケルさんもやるときゃやるんだよ?今回も君たちを脱出させた後、したっぱ達やケチャップも船から出してあげたんだ。現在したっぱ達は船の残骸の木材に乗って漂流中。ケチャップはロープでぐるぐる巻きにされ「うっひょー!オウガだべー!大捕物だべー!!」と、マイケルが嬉しそうにしている。


ルーン:ケチャップ捕まっちゃったよ(笑)


GM:…で、そんなマイケルだが、ここで初めてテールがいないことに気づくね。


フィル:遅い。


GM:そしてこう言ってくる。「そうか。テールちゃんは助げらんねがったか…」その後ワットを見て「んにしてもおめぇ、なんでここさいるんだ?」


ワット:まぁ、確かに(笑)マイケルさんからしたら連れてきてない知り合いが一緒にいるのは奇妙な話だろうな。


GM:いやまぁ、マイケルさんだけでなく、まだ誰もワットが船にいた理由を知らないんだよね(笑)話してる暇なかったから。


フィル:まぁ、船は沈んでたし、脱出とか戦闘とか優先だったからなぁ。


ルーン:いや、そんなことどうでもいいよ。今はとにかくテールちゃんだ。


GM:うん?そうか?色々情報の共有とか大丈夫?


フィル:まぁ、ルーンちゃんの言う通りかな。テールちゃんがどこに連れ去られたか調べるのが最優先。


GM:そうか。じゃあ…「とりあえず、一旦街さ戻るべ。ここさいでも、テールちゃんが戻って来たりはしねぇからな」と、マイケルさんが提案してくる。


スイレン:うーん…それしかない、ですね。


GM:「だべだべ。けぇるべー」と、そう言ってマイケル、ジャック、ソーンの3匹は君たちとケチャップを乗せ、ファットへと進路をとった。したっぱ達はまぁ、沈没する船からは出してやったんだ。あとはうまくやるだろ。


ワット:雑だな(笑)


GM:大丈夫大丈夫。あぁいう敵キャラは古今東西ゴキブリ並みにしぶといって決まってるんだ。漂流したくらいで死にゃしないよ。というわけで、場面移そう。ファットへ帰る途中、唐突にマイケルが「あ、そうだべ!」と、何かを思い出します。


ルーン:本当に唐突だな。どうしたの?


GM:「実はおめぇらが船ん中さ入った後、オラも船底に穴さ開けて中に入ってみたんだべ」


フィル:お、おう。何故そんなことを…w


GM:「テールちゃんがもし船底の方さいたら冗談じゃすまねぇがらな。…まぁ、テールちゃんは見づがらなかったんでげれども、かわりにナゲット団(ぬげっとだん)の『機密書類』っつーもんをみづげてな」


一同:嘘っ!?


フィル:いやでも書類って水に濡れてぐちょぐちょなんじゃ…


GM:「んだ。触ったら破けそうなもんだったから、レータスの店で防水加工(ぼーすいかこー)さした紙に全部書き写しといたべ」


一同:ぶっ!!??


ルーン:なんだそれっ!?マイケルさん有能かよっ(笑)


フィル:というかあの防水加工伏線だったのか(笑)


GM:「ほれ、その書類だべ」


ルーン:読みます読みます!!


ワット:テールちゃんの行き先が書いてあるといいけど…


GM:残念、今回はここでおしまいだ。ルーンがマイケルから機密書類の写しを受け取ったところで、このシーンを終了するよ。


一同:嘘っ!?


ルーン:なんでだよ!今読もうよ!!


スイレン:そんな「答えはCMの後で」みたいな手法使ってるとそのうち飽きられますよ!


GM:バラエティ番組か(笑)…まぁ、今回は前後編なんだからこのくらいの引きはあっても良いだろう。機密書類の中身は第4話『黄影の錬庭師ファントム・ガーデナー 後編』で公開するよ!それまで待っててね〜


一同:まじかーーーーーっ!!??

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