MIDDLEPHASE04 "黄香子"
2017/7/13 誤字訂正
フィル:途中からなんとなくソウカモナーって思ってはいたけど…やっぱりお前が"黄香子"かよっ!?
ワット:カリーさん、ナゲット団幹部だったのか…
スイレン:…って、それ私の実家にも関係ありません!?実質ナゲット団に商売潰されたようなものなのでは…!??
GM:まぁ、それはそうかもしれないけど、スイレンは今のシーンで起きたことを何一つとして見てないからね。そこまでの考えは及ばないよ。
スイレン:まぁ、それはそうだけど…
ルーン:全く惜しいなぁ…せっかくこのシーンで良い情報取得できたのに、肝心のPCがそれを知らないなんて。
GM:……? そんな良い情報あったか?
ルーン:あったよ。『ケチャップの語尾は「〜でガンス」だ』って情報。
一同:どうでもいいわっ!!(笑)
GM:…ったく(笑)…それじゃあ次のシーンに入ろうか。カリーが神殿に攻め入ると言っていたが、その前にやっておきたい場面があるからね。
フィル:捕まったナゲット団の2人、バーベキュー&マスタードから話を聞くんだな。
GM:その通り。舞台は神殿の地下牢で、シーンプレイヤーは任意。出たい人だけ出てくれればいいよ。
フィル:ボクは行くよ。判定が必要になったときに《マドリガーレ》があると便利だし。
スイレン:私も行きますかね。拷問するなら水攻めできる人が必要でしょうし。
GM:いや、何をする気だよっ!?
ルーン:私は…いいや。今はテールちゃんの近くにいてあげたい。今回は直接襲われたわけじゃないけどね。
フィル:まぁ、さっきのシーンを見てたPLとしてはテールから目を離したくはないわな(笑)
GM:まぁ、それくらいなら構わない。じゃあ地下牢に行くのはフィルとスイレンの2人だけということでいいかな?
フィル&スイレン:はーい!
GM:OK。では、神殿内で暴力沙汰があったという情報を聞きつけて、君たちの元にノーチルお父様がやってくるよ。「フィルくん、君は業務中にいったい何をしておるのだ!!」(一同爆笑)
フィル:えええっ!?何でボクが怒られるのっ!?ボクはただ神殿の平和を守ってただけですよ!!
GM:「なに!?それはにわかには信じがたいな。どうせルーンちゃんがほとんど1人で片付けてしまい、お前は何もしていなかったのだろう?」
フィル:何故バレてる!?
スイレン:いや否定しなさいよ!?
※一応 《マドリガーレ》は使っていた模様。
GM:じゃあ、ここでアミーがフォローを入れる。「ノーチルさん、そんな怒ったりせんでもええやないか。フィルくんだってちゃんと歌っとったで」
フィル:いまいちフォローになっていないような気がするんですけど!?
GM:ノーチルはフィルにとても冷たい視線を向けたあと、「はぁぁ…」と大きなため息を吐いた。
フィル:なんでーーーっ!??ボクはちゃんと仕事してますから!!だから話を聞いてーーーっ!!!!
GM:「コホン」ではここでノーチルが話を切り替えようと咳き込みをした。(一同爆笑)
フィル:ひ、ひどい!?
GM:(フィルを無視して)「私は地下牢に行って襲撃者たちに話を聞く。君たちも付いてくるか?」
スイレン:ええ、ではご一緒させて頂きますわ。
ルーン:私はテールちゃんのところに向かうよ。
フィル:これ…ボクは地下牢行かないで仕事行った方がいいんじゃ…(笑)
GM:逆に考えろ。ノーチルさんに付いて行って、彼の目の前で何か功績をあげたらそれは汚名返上になるのではないかと。
フィル:汚名なんて無い(断言)…でもなるほど。たしかに、ノーチルさんの中に根付いてるボクの悪いイメージを正すためにはここで何か活躍しといた方が良いかもね。よし、神官長に付いていこう!
GM:OK。ではいざ地下牢へ。
□■□
GM:というわけで君たちはバーベキュー&マスタードが捕らわれている牢屋の前までやってきたよ。
スイレン:あれ、ちょっと待てよ…そもそも今この2人ってまともに会話できるの?ルーンちゃんにぶった切られたでしょう?
GM:そこはご安心。ノーチルが《レイズ》というスキルを使用して2人を戦闘不能状態からちょっとだけ回復してくれる。
フィル:お、これでお話しできるようになったね。
GM:相手に会話する意思があればだけどね。
スイレン:まぁ、会話する意思がないのならその気にさせてあげるまで。バーベキューさん、ご協力お願いできますよね?
GM:「あァん!?アンタらに話すことなんて何もないに決まって…」
スイレン:《ウォータースピア》
GM:「がばばびっ!?ぼごっ、ゴボッ!?」
スイレン:(清々しい笑顔で)ご協力…お願いできますよね?
フィル:スイレンさん……鬼畜 (わなわな)
GM:「わ、わかった!なんでもする!!なんでも答えるからっ!!」
スイレン:ん?今何でもするって…
フィル:スイレンさん、そろそろやめてあげて!
スイレン:…まぁ良いでしょう。じゃあ、何か質問してみようかな。…うーん、じゃあとりあえず、ナゲット団のボスは誰で、どのような目的でこの組織を立ち上げたのか教えて下さい。
GM:ふむ。ではその質問にはマスタードが答えるよ。「ボスはチキン・レアフィールドというヒューリンらしい。この組織を立ち上げた理由は俺たちにはわからない」
スイレン:わからない?
GM:「本当だ!信じてくれ!!そもそも俺たちみたいな実働隊はボスに会うことは中々できないんだ!これ以上の情報は持ってねぇよ!!」
フィル:うーん…信じて良いのかな、これ。
GM:嘘かどうかを見抜く判定ならやってもいいよ。難易度12の【精神】だ。
フィル:あ、それなら(ダイスを振る)…達成値16で成功。
GM:では君は、マスタードが言っていることは嘘じゃないとわかります。
スイレン:嘘じゃない…か。思ったよりも簡単に吐きましたね。ボスに対しての忠誠心が薄いんじゃないですか?
GM:「当然だ!」マスタードはこう答えた。
フィル:当然?どういうこと?
GM:「俺たちはただナゲットが好きなだけで、世界で1番美味いナゲットが食えるのがこの組織なんだ。俺たちがナゲット団に所属する理由はそれだけ。上の指令を聞かないとクビにされるから何でもやるが、ぶっちゃけボス自体に興味はねぇ」
一同:はぁっ!?
スイレン:ちょ…何言ってんだこいつ、悪の組織の団員としてあるまじき発言を……
フィル:てかそもそも、ナゲットをもらうためだけに何でもするって、マスタードの感覚がイカレすぎてるんじゃ……
ワット:(少し考えて)………あ、いや、待てよ?俺のシーンで出てきたナゲット、たしか変な薬が混ぜられていたような……
一同:……あっ(←気づいた)
フィル:え、待って?…ということはつまり、ナゲット団はただのナゲット愛好家たちが集まってできた悪の組織ではなく…
スイレン:団員たちを薬漬けにして無理矢理まとめ上げている、違法薬物乱用組織…?
GM:(早口で)さァー!どうなんだろーね!?少なくとも「ナゲットに薬物が混入されている」って情報を入手しているのは現時点ではワットくんだけだし、フィルとスイレンはそこまで考えが及ばないんじゃないかナ?
フィル:いや、それはそうだけど…
ルーン:GMが明らかに誤魔化しにきてるのが逆に怖い。
スイレン:と、とにかく、テールちゃんを攫うのもスキル珠を狙うのも全部ナゲットを貰うためなんですね?
GM:「おぅ、その通りだ」
フィル:うぁ…これ、ナゲット団を更生するのすごく難しそうだな……
スイレン:…他にも何か聞いてみよう。えー、先ほどあなた方が口にされていた「黄香子様」という名前、あれは一体誰なのですか?
GM:お。その名前にはノーチルが反応を示すよ。
フィル:え?何故お父様が?
GM:「何っ!?"黄香子"だと!?奴がこの街に来ているというのか!?」
スイレン:知っているのですか?お父様。
GM:「あぁ…」頷くノーチルの顔にはいつのまにか滝のように汗が流れだしていた。心なしか顔色が悪いようにも思える。
一同:そんなにっ!?
フィル:どうしたというのですかお父様!!"黄香子"ってなんなんですか!?
GM:「あぁ、そうか…フィルくんは知らぬのだな…13年前の悲劇を…」
一同:なんじゃそりゃあっ!?
GM:本当はこっちの情報をメインで話したかったんだけど、少し雑談が過ぎたな…(笑)他の話は一旦忘れて、こちらを本筋として聞いてくれ。
フィル:13年前…ボク今15歳だから知らなくても無理はないかもしれないけど…
ルーン:私とテールちゃんは12歳。生まれる前の出来事か。
GM:「13年前、このファット大神殿に1人の襲撃者が現れた。道化師のような仮面で顔を隠したその男は"黄香子"と名乗り、殺戮の限りを尽くしたのだ…」
フィル:なんだその大事件。"黄香子"は何を目的にそんなことをしたんです?
GM:「目的は分からぬ」ノーチルは言う。「奴が神殿の最深部にたどり着く前に、私が『禁術』を用いて奴の進行を食い止めたからな」
フィル:おぉ、さすがお父様。
ルーン:なるほど。このとき膝に矢を受けて、それ以降魔法が使えなくなったんだな。
ワット:その話蒸し返すのか…(笑)
GM:まぁ、それもあるだろうが…魔法が使えなくなった一番の原因は『禁術』を使ったことだ。その反動として魔術が発動しなくなった感じ。
スイレン:なるほど。自分の身を犠牲にして"黄香子"を攻撃したのですね。
GM:「しかし、そこまでしても奴を倒しきることはできなかった。重傷を負った"黄香子"は目的半ばで《テレポート》してこの神殿から立ち去った。故に何が目的で多くの人を殺したのか、聞き出すことができなかったのだ」
スイレン:……なるほど、とんでもない事件ですね。
GM:「そう。長い歴史を誇るファット大神殿だが、これほどまでに残酷な事件は他に無い。そもそも神殿に攻め入ろうなんて考える輩が少ないからな。だから今日も、敷地内で暴力沙汰が起きたと聞いたときは「また馬鹿な者が現れたか」と思ったものだったが…よもや"黄香子"の部下だったとは…」
スイレン:まぁ、…"黄香子"本人が攻めて来なくて良かったと考えるべきか……と………
フィル:………………
スイレン:………………
フィル:……………ねぇ、スイレンさん。
スイレン:そうね、フィルくん。雑談に夢中で思いっきり忘れてたけど、そういえば……
GM:(ニッと笑って)ではそこで、1人の兵士が「ノーチル神官長ぉぉお!!」と叫びながら上階から階段を転げ落ちてくる!!
フィル:だ、大丈夫ですか!?
GM:全然大丈夫じゃない。その兵士は血まみれで、どこからどうみても重傷を負ったケガ人だ。
スイレン:あー…(頭をかかえる)
GM:「ノーチル神官長、で、伝令です!」ケガを負った兵士が、息を切らしながらも必死に声を張り上げる。「"黄香子"が…"黄香子"が再び、この神殿に攻め入って来ましたっ!!!」
スイレン&フィル:ですよねーーーーっ!!??
フィル:まって、この話聞く前と後とじゃ危機感が段違いなんだけど!?
スイレン:というか今、ルーンちゃんとテールちゃんは上にいるんじゃなかったっけ!?
ルーン:あ。
GM:うん。君たちだけじゃなく、ノーチルもすぐにその考えに至ったようだ。「娘が…神殿が……このままでは、また、13年前と同じ悲劇が起きてしまう…」
フィル:お父様!!こんなとこにいる場合じゃないですよ!早く上行かないと!!
スイレン:ええ、私たちも付いていきます。一緒に"黄香子"を止めに参りましょう!!
GM:「…あぁ、そうだな。直ぐに奴を討取らねばならぬ。君たちが協力してくれるのならば心強い。……だが、絶対に無理だけはするな。君たちに死なれると、テールが悲しむからな」
スイレン:お父様、ご冗談を。死ぬつもりで戦いに臨む者など、ウチのギルドには存在しません。
フィル:そうだね。いつでも友達のために動く。それがボクたち『テールちゃんを取り戻し隊』!!
GM:「…そのギルド名はどうかと思うのだがな」(一同笑)…と、そんな感じでノーチルがフィルとスイレンを引き連れて上階へ戻るところでシーンを終了しようかな。「…では、行こう。憎き悪魔を討つために!!」
フィル&スイレン:はいっ!!