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MIDDLEPHASE03 カリー

2017/7/9 指摘があった表現を一部修正

GM:さて、バーベキューとマスタードのことは一旦置いておいて、先にワットとカリーのシーンをやっておこうか。


ワット:はーい


GM:さて、カリーは君をつれて港湾地区まで歩いて来た。そして海沿いに佇む一軒の小屋を指差してこう言うよ。「あの小屋で話そう。あそこなら他人に話を聞かれることは無いだろうからな」


ワット:…他人に聞かれちゃまずい話なのか。


ルーン:…なんか、思ってたより怪しそう。


GM:まぁ、怪しいわな(笑)でもカリーにそんなことを気にしている様子は無く、普通に扉を開けて中に入って行く。


ワット:うーん…まぁ、俺も入ろうか。


GM:小屋の中に入ると、簡素なテーブルと2つの木椅子が目につくね。カリーは片方の椅子に座ると、テーブルを挟んで向かい側にあるもう片方の椅子に座るよう、君を促してくる。


ワット:(怪しみながらも)…じゃあ、座ります。


フィル:あ、まったGM。


GM:はいほい?


フィル:ワットさんが座ったのって出口側?奥の方?


ワット:あ、そこまで気にするの?


GM:まぁ、基本だな(笑)これによってもしもの時に逃げられるかどうかが決まるから。ワットくんが座るのは出口側でいいよ。


ワット:了解。これでもしもの時は逃げやすくなったわけだね。


GM:まぁ、そのもしもが起こるかどうかは知らんけどね。…では、ワットが座ったところから続き。「早速だが…これを見てほしい」そう言ってカリーは君の前に小さな紙箱を置いた。


スイレン:…………紙?


フィル:紙?…他に何か特徴とかは??


GM:箱自体にこれといった特徴は無いが…中からは何やらいい匂いがするね。


ルーン:(カリーだけに)カレー入りか。


フィル:紙箱ぐっちょぐちょやん。


スイレン:ドライカレーかな。


ルーン:ドライカリー


ワット:カリーさん干からびてそう。


GM:ふむ。紙箱の中が気になるようだね。ではワットくん、君には難易度10の感知判定に挑戦してもらおう。成功で紙箱の中に何が入っているのか見当がつくよ。


ワット:カレーじゃないといいなぁ(ダイスを振る)…出目11。達成値は16。


GM:成功だね。


ルーン:さぁ、果たしてどんなカレーが入っているのか!


GM:安心しろ。カレーじゃない。中に入っているのは君たちにとってもっと身近な食べ物だ。


スイレン:…………ん?トマトか?


フィル:……あ(←察した)いや待てそれはっ!!


GM:紙箱の中に入っているのは…とても美味しそうな香りを放つ、『ナゲット』だ。


一同:っ………………………




…………場が凍った。




ルーン:えーっと、ナゲットカレーとか?


ワット:いや、これはもはやそういう問題じゃないんじゃ…


フィル:いや、ま、まだわからない。ナゲットをワットに見せて「これを作り出した組織を追っているんだ」とか言ってくれればまだ希望はある。


ワット:そ、そうだね。じゃあとりあえずカリーさんに話を聞いてみようか。すみません、この箱は一体何ですか?


GM:「その箱の中にはある組織が開発した代物が入っているのだが…実は私は今、その組織に所属していてな」


一同:ダメやんけーーーーーっ!!??(大爆笑)


フィル:き、希望なんてなかった…(震え声)


ワット:え、いやまって?となると今俺が置かれている状況って…


GM:『敵組織に所属している元同僚の恩人と2人だけで人気のない小屋の中にいる』


ワット:え、ちょ…これ、え、え!?(←混乱している)


スイレン:こっちが雑魚の相手をしている間にワットくんの方はとんでもない状況になってたな…


GM:混乱するのもわかるが…とりあえず、この状況下で君が取れる選択肢は大きく分けて3つだ。①カリーの話を聞く②カリーを攻撃する③逃げる


フィル:因みにカリーってワットさんに敵意を向けてたりはするの?


GM:いや、そういったものは一切感じ取れない。むしろ友好的なくらいかも。


ワット:(じっくり考えて)…1人で戦っても勝てるか微妙だし、逃げるにしても【敏捷】はあまり高くないからな…とりあえず、もう少し話を聞いてみよう。


GM:OK。ではカリーは紙箱を開けてこう言うよ。「ナゲットだ。食べてみてくれ」


スイレン:勧めてくるのかよっ!?


フィル:(笑いながら)待って、本当にカリーの行動が読めない。そもそも本当に敵なのかこいつ!?


ルーン:さぁ、どうするワットさん?


ワット:(じっくり考えて)……と、


GM:と?


ワット:トラップ探知!ナゲットをトラップ探知します!!!




……………………お、おう。




スイレン:(大爆笑しながら)これはひどいww


フィル:前回のダンジョンがまだ頭に残ってるな(笑)


GM:ま、まぁ振るなら振ってもいいよ(笑)


ワット:(ダイスを振る)……クリティカルです!


一同:まじかよっ!?(大爆笑)


GM:え、えーとっ、あ、まじか。きづかれちゃったよ(笑)


スイレン:え、何か仕掛けてたの!?


GM:いや、トラップは仕掛けられてないんだけど…ナゲットの中に多少混ぜ物が含まれてまして。


一同:ぶっ!?


GM:クリティカルだったし、どんな物が混ぜられているのか分かってもいいだろう。混ぜられているのは中毒性のある錬金術製の薬物、麻薬の一種だ。


ワット:れ、錬金術?


フィル:たしかカリーさんって、『水霊の憩い』が雇ってた錬金術師たちのリーダー格だったんじゃ……


一同:………………………


GM:……さぁ、カリーはこのナゲットを「食べてみてくれ」と言っているぞ。どうする?


ワット:いや、どうするもこうするも、食べられるわけないけど…


ルーン:(じっくり考えて)…ワットさん、ここは逃げろ。なんかもう、情報がどうとか言ってる場合じゃない気がする。


スイレン:それはある。GMがなるべく気づかれないようにしながら君をとんでもないことに誘っている気がしてならない。


ワット:う、うーん…


GM:「どうした?食べないのか??」


ワット:(…意を決したように)だめだ!やっぱり逃げよう。カリーさんには、用事を思い出したので帰らせていただきます、ナゲットはまたの機会に!みたいな感じで言っておこう。


GM:「…そうか」カリーは残念そうな顔をする。


ルーン:構うな。さっさと逃げろ!


ワット:じゃ、失礼しますと言い残して小屋の外に出ます。


GM:『ドン』


ワット:…………え?


スイレン&フィル&ルーン:(←頭を抱える)


GM:扉を開けて小屋の外に出ようとした瞬間、君は背が高くてガタイの良い、見覚えのある黒ローブの男にぶつかった。


フィル:ぐあーーーっ!?さっきのシーンでいないと思ったら!!!


ワット:嘘だろこっちに出てくるのかよ!?『ケチャップ』!!!


GM:(ニッと笑って)その通り!フードの下に見えるその顔は、邪悪な妖魔『オウガ』のもの。ローブを纏ったケチャップは、君の顔を見て即座に臨戦態勢を取る。


ワット:こっちも、レールガンを構えよう。


スイレン:カリーは!?


GM:カリーは君たちに対してこう言う。「ケチャップ、待て。この男は客人だ。警戒することはない。ワット、その妖魔は私の仲間だ。警戒する気持ちもわかるが、手を出さんでほしい」


ルーン:……戦闘を止めようとしてくれてるのか?


GM:そうだね。だけどケチャップは止まらない。状況が飲み込めていない様子のカリーに対し口を開く。「カリー様、こいつが『尻尾の少女』の誘拐を邪魔したギルドの団員でガンス…」


一同:あっ…


スイレン:カリーはワットが自分たちに敵対してるって知らなかったのか。


フィル:だからあんな友好的に…


GM:単純な『騙し騙され』だけなら【精神】の判定対決でバレる可能性があるからな。みんなには悪いけど、複雑な状況を作らせてもらったよ。


ルーン:そして今、ケチャップから事実を知らされてしまった…と。


GM:そう。ワットが既に自分たち…『ナゲット団』と敵対していることを知ってしまったカリーは、かなり驚いた様子を見せる。「そうか…ワット、お前が例のギルドの……」


ワット:ま、まずくない?これ、早く逃げないと…


ルーン:いや、これはもう……


スイレン:諦めるしかないな。たぶん、詰んでる。カリーについて来ちゃった時点から。


GM:そういうことだ。カリーはワットにまっすぐ視線を向けると、ゆっくり口を開く「…すまぬな、ボルト。少しの間、眠ってくれ」




ーーー瞬間、小屋が消え、周囲が『荒野』になった。

乾燥した地面に無数の石が転がり、植物などは視界に2、3しか映らず、青々しさなど皆無。


そのかわり、10本ほどの『鎖』が、地面から生えて来た。


『鎖』はワットの四肢に巻きつき、胴体に絡みつき、身体の自由を奪い、縛り上げ、吊るし上げ、そして、『意識』すらも捕縛して行き……


……ワットの記憶は、そこで途絶えた。



□■□



GM:…さて、小屋の中(・・・・)では気絶して床に倒れ伏したワットを見下ろしながら、カリーとケチャップが会話をしているよ。「ところでケチャップ、お前はどうしてこの小屋に来たのだ?神殿の方の作戦はどうなった」対してケチャップ「…神殿の方は失敗でガンス。バーベキュー、マスタード両名は捕縛された模様。妖魔であるあっしには神殿への侵入はそもそも困難で、作戦の遂行は叶わなかったでガンス」


フィル:…妖魔や魔族は、ナゲット団とか関係なしに神殿と敵対してるもんな。


GM:「そうか」…カリーは嘆息する。「つくづく使えない部下共だ。ボルトのような優秀な者が、組織に加担してくれると良いのだが…」


ワット:……………


GM:「申し訳ないでガンス」 ケチャップが頭を下げる。それに対してカリー、「あぁ、もういい。お前はボルト…いや、今はワットだったな、こいつを連れて帰ってくれ」


スイレン:……………


GM:カリーは目を細めてこう宣言する。「神殿には、私が行こう」


フィル:……………


ルーン:やっぱり、来るのか


GM:では、カリーのこの発言に対するケチャップの返答をもって、第3話の要である、このシーンを終了しよう。




「了解したでガンス。神殿における、『進化したスキル珠』の確保及び『尻尾の少女』誘拐作戦。あなたに、お任せ致しました……






……ナゲット団幹部 "黄香子(イエロー)" カリー様」






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