OPENINGPHASE02 減給
GM:さて、それではフィルのオープニングを始めよう。まずは君が朝神殿に出勤した場面からだ。君はいつも通り神殿の事務室にある自分のデスクの前までやって来たよ。
フィル:お、おう。そんなものがあったのか…(笑)
ルーン:神殿と言うより会社だな。
GM:まぁ、地球の神殿とは役割からしてだいぶ違うからな。…で、君はそのデスクの上に見覚えのない手紙が置いてあることに気がついた。
フィル:なんだろう。中を読んでみますよ。
GM:するとハンドアウトにあった通りの内容が書いてある。
『フィルくん。娘のことで話がある。本日正午に神官長室に来るように。-ノーチル・プロミーゼ』
GM:…ってね。
フィル:(困ったように)……えーっと、今事務室に、同僚とか、誰かいるよね?
GM:まぁ、いるだろうね。
フィル:じゃあその人に尋ねようかな。すみませーん、ボク、何かマズイことやらかしましたかね?
スイレン(同僚になって):「あはは。お前が何かやらかすなんていつものことだろう」(一同爆笑)
フィル:ちょっと待って下さいよ!?ボクが何をやらかしたって言うんですか!!??
GM:「酒場で歌う神官がどこにいる」(一同爆笑)
フィル:いやっ!でも、神殿での職務中はちゃんと真面目に仕事してますよ!?
GM:「だからといって酒場でアイカツなぞ、神職に就く者としてどうかと思うのだがね」(一同大爆笑)
フィル:えええええええええっ!?
スイレン:まぁ、『歌う神官』ならこの世界けっこういるけど…
ルーン:『酒場でアイドルやってる神官(男)』なんてフィルしかいないからなぁ…。
フィル:それただの《バスカー》で金稼ぐ演出だから!?いや、それ自体神官としてどうなのかって話なんだろうけど!?
ワット:フィルくん、諦めよう。
GM:というわけで正午になりました。
フィル:とりあえず神官長室の前までやってきました。…はぁ、減給かな。バイトのシフト増やさなきゃ。
スイレン:そこで「バイトのシフト増やさなきゃ」って結論にたどり着くあたりもはや何も言えない(笑)
フィル:では、深呼吸をしてから扉をノックし、失礼します!と言ってから入室します。
GM:ではノーチルが「おぉ、フィルくんか。よく来たな。まぁ座りなさい」と、席を勧めてくれるよ。
ワット:そういえば神官長、そんな名前だったな。
フィル:ありがとうございます。(←着席したらしい)
GM:するとノーチルは、君の向かい側の席に座ってくるね。「では、フィルくん。早速だが本題に入ろう」
フィル:……はい。
GM:「最近……娘に変わったことはないかね?」
フィル:この前、攫われてました!(即答)
GM:いや、そりゃそうだけど!?…てか、この人もそれくらいは知ってるから!!すぐ近くにいたし!!
第1話『集いし4人』参照である。
スイレン:あれ?お父様、そんな近くにいたっけ?
ワット:(リプレイを読み返して)…あ、いたわ。それもテールの一番近くに(笑)
ルーン:そうか、あの時の神官長ってこの人か!…あれ?待てよ。神官長=テール父ということはテールちゃんが攫われたときにあの子の一番近くにいたのって…
GM:うん。お父様だよ。
一同:何やってんだよお前っ!?(総ツッコミ)
スイレン:お父様仕事しろーーーっ!?
GM:「あの時は何もできず心苦しかった。昔は冒険者として大陸各地で暴れまわったものだが、膝に矢を受けてしまってな」(一同爆笑)
フィル:ちょっと待て、ハンドアウトにお父様は昔は名うての『ウィザード』だったって書いてあったぞ。膝関係あるのか!?
因みに『ウィザード』とは、メイジの上級職で、威力の高い攻撃魔法を得意とするクラスである。
GM:きっと膝に重要な魔力線があったんだ。多分。
フィル:お、おう。そうか。
GM:話を戻そう。「誘拐以外で、娘に変わったことはないかね?」
フィル:えー、他に変わったことといえば、見習いから神官に出世したのと…あとは…アミーを預けるようになった…?
GM:それだ。
フィル:ん?
GM:「現在娘が預かっている『アミーくん』…大変人柄の良い精霊だが…君たち、アレをどこから連れて来た?」
ルーン:…あ、『紅月』のことがあるから……
フィル:わかってる。遺跡のことは話せないんだよな?…じゃあ、こう答えよう。娘さんから教えてもらった遺跡から連れて来ましたよ〜…って。
GM:OK。その返答に対してノーチルが怪しんでるような気配は感じられない。「そうか…」と、素直に受け取ってくれたようだ。
フィル:よかった。…ところで、アミーがどうかしたんですか?
GM:「うむ、実は…最近娘が部屋でアミーくんと2人きりで話しているのだが…」
フィル:はい、
GM:「その会話を聞いていると、どうも2人だけで会話しているように聞こえなくてな」
ルーン:待て、お父さん。盗聴は良くないぞ!!(一同爆笑)
GM:いや、それはそうだけど、今問題になるのはそこじゃないだろ!?
フィル:(無視して)わかった!つまりお父様は愛娘にかまってもらえなくてアミーに嫉妬してるんだな!!(一同大爆笑)
GM:なんか変な設定生えたっ!!??
フィル:(ニヤニヤしながら)まぁまぁ、安心して下さいよ〜。テールちゃんも別にお父様のこと嫌いになったわけじゃないと思いますよ?
GM:「何の話だっ!?」
ルーン:盗聴してることがバレたら一発で嫌われるだろうけどね。
GM:よけいなお世話だっ!!??(一同爆笑)
フィル:…それにしても『2人だけで会話しているように聞こえない』…か。前のシーンが頭をよぎるけど、ボクはそのこと何も知らないからなぁ。
GM:うん。では君の反応を見たノーチルも「やはり君も何もわからぬか…」と、諦めた顔をするね。
フィル:すみません、お力になれなくて。
GM:「いや、良い。こちらこそ変なことを聞いてすまなかったな。…今日はもういいぞ、午後の仕事も頑張ってくれ」
フィル:はい、ありがとうございます。……では扉の前で一礼してから退室しようかな。
GM:あ、じゃあその前にノーチルが「フィルくん」と、君のことを呼び止めるよ。
フィル:?
GM:「娘のこと……頼んだぞ」
フィル:……!……………はい!!
GM:うむ。ノーチルは満足げに頷いた!!これにてフィルのシーンは終了だ。テールのこと、本当に頼むぞ?(笑)
フィル:わかったよ。じゃあ最後に、失礼しました!って元気よく言ってから、ゆっくりと扉を閉めて、こう言おうかな。
テールのために。
フィルは改めて心に誓った。
何よりも『友達』を大切にする『彼女』のように、ボクも、友達の力になれるように頑張ろう…と。
…….だがまぁ、しかし。朝からの心配事が解消されたのだ、少しくらいは気を抜いても良いだろう。
フィルは安堵と共に、大きなため息をつき、こうつぶやいた。
「…………ふぅ、減給じゃなかった…」