表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/367

MIDDLEPHASE02 淡く光る虫たちの領域

GM:では次のシーンに入ろう。騎士をチョチョイと片付けた君たちは先行したジャニアリーを追いかけて霧の森の中へと入っていった……が、森の中は想定よりも霧が濃く、中々ジャニアリーを見つけることができない。


スイレン:あら、それはまずいですね。逸れると二度と合流できなさそう。


GM:いや、それ以前に、まず君達自身の心配をした方が良いと思うぞ。


フィル:え゛


ルーン:…というと?


GM:ある程度森の深いところまで進んだ頃、不意に周囲から声が聞こえてくる。「おや?人間がいるぞ」「本当だ。人間だ」「こんなところに、珍しい」


ワット:誰だ?


GM:周囲に人影は無い。…が、そうだな。難易度12感知判定でも振ってもらおうか。


ワット:(ダイスを振る)…成功。


GM:では君は周囲に淡い光を放つ無数の『虫』たちがいることに気がつくだろう。「人間がいるって?」「道に迷っているのかな?」などとのんきに会話しているのはどうやら彼ららしい。


スイレン:…なるほど。さすがは蟲の御子が暮らす森。珍しい虫が生息していますね。


ルーン:今回、せっかく動物とお話できる《アニマルエンパシー》を取得したのに、なくても虫の話し声が聞けるとか…


フィル:どんまい。ルーンちゃん。


スイレン:まぁ、虫たちから遠巻きに見られているのは気にしなくてもいいでしょう。今の所害もなさそうですし。そんなことより、私達はこれからどう動けば良いんでしょうか。虫たちに御子がいる場所を聞いてみるとか?


GM:あぁ、いや。それはやってみてもいいが、やらなくてもいい。…そうだな。先に今君達が置かれている状況を説明してしまおう。君たちが今立っている空間は便宜上10m×10mの正方形のエリアとなっており、そこから西、南、北方向に向けてこれまた便宜上通路が伸びている。


スイレン:…エリア?


ルーン:…通路?


フィル:(少し考え)……うわっ!!ダンジョンだこれ!!!(一同爆笑)


GM:正解(笑) 本来は遺跡や洞窟のような壁で区切られた部屋をダンジョンとするのだが、今回は木々が茂り深い霧に包まれ暗く湿ったこの森をいくつかのエリアに分け、便宜的にダンジョンへと仕立て上げたこの空間を探索してもらうよ!


一同:まじかあああああああああああああああああっ!!(絶叫)


スイレン:いや、まぁ、ポジティブに捉えれば「エクスプロージョン」とか「火炎放射器」とか「クリアウォール」みたいな人為的なトラップは無いとも考えられますけど…


ワット:…そのかわり「毒キノコ」とか「蜘蛛の巣」とか「霧による何らかのデバフ」とか色々ありそう。


一同:………………


ルーン:よし帰ろう。


GM:なるほど。ではそうしてくれたまえ。帰り道がわかるならね。


一同:………………


スイレン:…帰りの転送石って誰が持ってます?


GM:ジャニアリーさんですね。


一同:………………


ワット:(心底嫌そうな表情で)………進むかぁ。


スイレン:(心底嫌そうな表情で)………ですねぇ。


フィル&ルーン:(←心底嫌そうな表情でうなずく)


GM:虫たちの声が聞こえる。「おや、なんだか人間たちの様子が変だよ?」「本当だ。まるでここから先に進むのが心底嫌だと言わんばかりに暗い顔をしているね」


ワット:本当に心底嫌なんだよ!!!(GM大爆笑)


フィル:2話の悲劇再びなんてことにならないと良いが…


GM:まぁ、君たちのステータスも2話のときより上がっているし、あのときほど酷いことには(たぶん)ならないだろう。


スイレン:おい今たぶんって言ったぞこいつ。


GM:知らない。…さて、ではここで方針を固めたらしい君たちに対し虫たちが声を掛けてくる。


ルーン:固めたっていうか、固めざるを得なかったんだけどね。


GM:「…先へ進むのかい?」


ワット:…あぁ、まぁ、それしかないからな。


GM:「そうか」「進むのか」「勇敢な人間だ」「いや、もしかしたら無知なだけかも」「どちらにせよ、気をつけて」「そう。気をつけるんだ」「油断は禁物」


スイレン:心配して頂きありがとうございます。しかし大丈夫。我々も慣れていますので。


GM:「そうかい?」「なら、安心だ」「馬鹿、安心なもんか」「そうさ。何せこの森は暗い」「暗いし、寒い」「寒いし、それに…人の身にはあまりにも過酷だ」「そう、過酷だ」「過酷な環境だ」「ゆめ忘れるな。人間よ」「君たちは森で暮らすに相応しくない生き物だ」「森には森のルールがある」「森には森の秩序がある」「それを乱す者に、森は必ず牙を剥く」


フィル:…なんか、すっごい不穏なことを言っているな。


ルーン:また、一筋縄ではいかなそうなダンジョンだなぁ…


GM:「あぁ、せめて僕らは、僕らだけは君たちの安全を森に願おう」「森よ、森よ」「これから森を進む人間たちを」「愚かな人間たちを」「どうかお救いください」「どうかお導きください」




「ーーー彼らが、霧の魔物に惑わされぬように」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ