OPENINGPHASE04 そういえばそんなヤツいたなぁ
2018/10/31 誤字訂正
GM:さて、オープニングフェイズ最後のシーンを始めよう。ディアモンの葬式から1ヶ月という、今回予告で提示した時間にようやく追いついたぞ。このシーンにはPC全員出演してくれ。
一同:はーい。
GM:君たちはバーパスさん及びノーチルさんに、頼みたいことがあるから会議室に来てほしいと言われた。
スイレン:お仕事ですね?では4人全員で行きますよ。
GM:ありがとう。全員集まったことを確認すると、バーパスが君たちを集めた理由を説明し始める。「この1ヶ月、"百面相"のフォーゼンの行方をずっと追っていたのですが、帝国の情報収集能力でも未だに奴の居場所を特定できずにいます。しかし、このままやられっぱなしという訳にもいきません。フォーゼン討伐が無理でも、せめてナゲット団の基地の場所を発見するくらいでなければ、今回受けた被害に釣り合いません」
フィル:…そうですね。前回は痛み分けみたいな感じで終わったけど、受けた被害を見るとこっちのほうが圧倒的に重い。
GM:フィルの発言にノーチルが頷き、言葉を続ける。「そこで、以前神殿関係者に伝えられた情報を頼りに、ある女性を探し出そうと思っている」
スイレン:女性ですか。それはどのような方で…?
GM:「"蟲の御子"ソフィ…『霧の森』に住む、齢300を超えるエルダナーンだ」
ワット:300…すげぇな。
フィル:長命のエルダナーンの中でもかなり年をとっている方だね。
ルーン:…で、どうしてその"蟲の御子"さんを探すの?
GM:それに関してはバーパスが解説してくれる。「"蟲の御子"には『魂繋ぎ』という能力があります。世界中にいる虫たちと文字通り魂を繋ぎ、感覚を共有するという能力です。この能力を使用すれば、いかに上手く隠れている者でも簡単に見つけることができます。ナゲット団の基地も、きっと容易に発見できることでしょう」
スイレン:はー。それはまたとんでもない能力ですね。リネルちゃんの『超回復』も中々にチートな能力でしたけど、これもかなりヤバイですよ。
ルーン:えぇ…トンボの複眼とかも共有しちゃうの?人間の頭じゃ処理が追いつかないような…
フィル:そこは頭のいいエルダナーンだし、大丈夫なんじゃないかな?
ワット:そういう問題か…?
GM:(笑) …ノーチルが話を続けるぞ。「ただし、問題もある。"蟲の御子"は既に神殿に居場所が特定されている御子だ。ソフィさんの住む霧の森にはディアスロンドから派遣された兵士が常駐して警備に当たっている。…とくに、帝国とナゲット団が御子を狙っているとわかっている今の状況では普段よりも警備は厚くなっているだろう」
ルーン:それはそう。
ワット:ディアスロンドの兵士なら倒しちゃっても構わない気がするけど…
フィル:ゴウラさんクラスの猛者がいたらさすがに無理。
GM:うん。フィルのその意見には、バーパスもノーチルも同意している。「だが、いくらディアスロンドの兵士といえども広い森を、ましてや名前の通り常に濃霧が視界を塞いでいる『霧の森』の全域を警備しきるのは不可能だ」
スイレン:あぁ、なるほど。霧や森の木々を利用して身を隠しながらソフィさんに接近すればいいんですね。
GM:「そのとおりです」
ワット:なるほど。感知判定が重要になりそうだな。
GM:あと、バーパスさんが追加で説明する。「この任務は極めて重要性が高い反面、隠密能力を要求されるため大人数で動くことができません。よって、あなた方4人に助っ人2人を加えた合計6人の少数精鋭で任務に当たって頂きたいと思います」
ルーン:へぇ、助っ人が付くのか。お友達にならなきゃ。
ワット:待て。落ち着けルーンちゃん。
GM:「ははは」ルーンちゃんのその発言に対し、ノーチルさんが笑う。「ルーンちゃん、その心配はいらないよ。何故なら助っ人2人のうち片方は私だからね!」
一同:……はぁ?
GM:「…え、なに?みんな反応薄くない?」
フィル:いや、6人の少数精鋭って言ってたよね?
ワット:言ってた。
フィル:(ノーチルを見て)…精鋭?
GM:(頷きつつ)「精鋭」
ルーン:……………どこが?(一同爆笑)
GM:「ひどいな君!!私一応そこそこには戦えるんだぞ!?」
スイレン:いえ、私達は4話であなたが役立たずだったことを忘れていませんので。
GM:「キッパリ言い切った!?」
ルーン:それと、何?ノーチルさん、ここ1ヶ月間テールちゃんと会話できてないんだって?
GM:「うぐっ、重ねて傷口を抉るような指摘をしてくるとは…!!」
ルーン:傷口は関係ないでしょ。さっきのフィルくんのシーンでディアスロンドがテールちゃんたちの命を狙ってることが分かったんだし、仕事なんかで城の外に出たりしないでずっとテールちゃんの側にいた方が良いんじゃない?
フィル:それはたしかに。ボクたちが森に行くと城の警備は薄くなりそうだしね。
GM:いや、ちゃんと一般兵とか軍将校もいるからな…?
スイレン:名前も出ていないモブキャラに城の守備を任せてはおけませんよ。
ワット:(小声で)ノーチルさんに任せるのもどうかと思うが。
GM:いや、しかし、うーん、まぁ…テールの近くに人がいたほうがいいのは事実だが…(シナリオを確認して)……ノーチルがいなくても…まぁなんとかなるか。「…わかった。私は城に残ろう」
フィル:OK。それがいい。テールちゃんに許してもらえるように頑張ってね。
ルーン:……それは難しいだろうなぁ(一同爆笑)
スイレン:…で、もう1人の助っ人というのは?
GM:あぁ、忘れてた。バーパスさんがもう1人の助っ人の名前を呼ぶ。「ジャニアリー。入ってきなさい」
フィル&スイレン:え゛
ワット:ジャニアリー?
GM:すると、今までは確実に何もなかったワット背後から、唐突に「面妖…面妖じゃのう…」という声が聞こえてくる。
ワット:え、いや怖いわ!!
ルーン:あぁ、そういえばそんなヤツいたなぁ
フィル:忘れてた…。7話ショッピングで出て来たきり放置してた…。
ワット:…とりあえず、振り返ると?
GM:君の背後に立っていたのは、ヴァンスター帝国の紋章の入った『魔導剣』を手に佇む艶美な風情のエルダナーンの女性だ。「妾の名はジャニアリー。今回はそなたらに同行させてもらうぞ」
※説明しよう。ジャニアリーとは!
神聖ヴァンスター帝国の諜報部第13班の元リーダー。ゼダンやソーレ、ゴウラらと共に『エリンディル西方ガイド』で紹介されている公式キャラだ。
スイレン:…なるほど。公式リプレイ『ルージュ』シリーズで大活躍したあの13班のリーダーさんですか。たしかに精鋭と言って差し支えないですね。
ワット(ノーチルになって):「ちょっと、私のときと反応が違いすぎないか?」
フィル:そりゃそうでしょう。(一同爆笑)
GM:まぁそんな感じで、今回は君たち4人にジャニアリーを加えた合計5人で霧の森に向かってもらいます。というわけで、オープニングはこのへんで切り上げて、冒険の準備のためにショッピングフェイズを始めていきましょう。
一同:は~い。