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OPENINGPHASE02 神殿のその後

2018/10/31 誤字訂正


GM:さて、ではフィルのオープニングに入るぞ。


フィル:あー、始まってしまった。ゴウラさんがでてくるんだけ?会いたくないなぁ。


ルーン:まぁ、神殿を裏切ったノーチルさんに会っちゃった手前な。


フィル:それもあるけど、実はゴウラさんから「神官か聖騎士になれ」って言われたまま回答保留にしてるんだよね。


ワット:あぁ、あったな。そんな話。


GM:まぁ、そこらへんの話に一旦決着を付けるためにこのシーンがあると思ってくれ。さて、ディアモンの葬式から二週間が経過した頃の話だ。フィルには外出していてほしいんだけど…


フィル:じゃあ、いつまでもうじうじしていられないし、路上ライブでも開こうかな。今回のシナリオの《バスカー》ぶんを稼ぎに。


GM:了解。では帝都の大通りで一曲歌い終えた君の周りには大勢の見物客が溜まっており、今君は彼らからの大きな拍手を浴びている。


フィル:(両手を振りながら)ありがとーー!!


GM:さて、しばらくして人がまばらになった頃、君が帰り支度をしていると「フィルくん」と、ボロボロな薄茶色のローブマントに身を包み、フードで顔を隠した男が君に話しかけてきた。


一同:怪しいわっ!!


フィル:だ、誰…?


GM:「私だ」 男はフードをちらっとめくり、君に顔を見せた。ゴウラだった。


一同:怪しすぎるよ!!


GM:「すまないが、ちょっと付いてきてくれ」言うとゴウラはフィルの肩をがしっと掴むと、人気のない路地裏へ君を引きずり込んだ。


フィル:え゛


ワット:いや力技じゃねーか!!?


GM:気にするな。さて、周囲に人がいないことを確認してから、ゴウラが話し始めるぞ。「ディアモン中将の死から1ヶ月。我々も独自に色々と調べさせてもらったよ」


フィル:すみませんボクそういう趣味はないんです。


GM:「……………何のことかね?」(一同大爆笑)


ルーン:そりゃまぁ、ボロマント着たおっさんに人気のない所に連れ込まれたらなぁ。


フィル:すみませんでした。話の続きを。


GM:あ、あぁ。えーと(←シナリオに目を落とす)「ヴァンスター城内にナゲット団関係者が潜り込んでいたそうだな。それも上位魔族の"百面相"と来た。全く、よく特定できたものだ」


フィル:そ、そうみたいですね…(←ゴウラの目的がわからないのでとりあえずしらんぷりしている)


GM:「あぁ、それと…結局ノーチル殿はヴァンスター城内にいるようだな。神殿を裏切り、帝国側に付いたか。そして君たちも、現状では帝国の味方をしている…と。すべて神聖皇帝の思惑通りと言ったところか」


一同:バレてんじゃねーーか!!


ルーン:いや、別に帝国の味方しているわけじゃないけど。ただちょっと御子を守るっていう点で協力関係にあるだけで。


GM:まぁそのへんの細かい話はどうでもいい。重要なのはそこではなく、次のセリフだ。ゴウラは「まぁ、良い判断だったと言えるだろう」と君を褒めた。


一同:………は?


フィル:え、良い判断って…帝国側に付いたのが?


GM:「そうだ」ゴウラは頷く。


フィル:な、何故?アンタ神殿側でしょう?


GM:何故かって? …うーん、なら、ゴウラはその質問に答える前に逆にこんな質問を君に投げかけてくるかな。「フィルくん。今回の件をディアスロンドに報告した結果、我々にどんな命令が返ってきたと思う?」


フィル:え? …ノーチルさんを殺してテールちゃんやリネルちゃんを奪ってこい、とか?


GM:「そうだな。普通ならそのような命令を思い浮かべるだろう」


スイレン:いや、神を敬う聖なる組織がそんな命令することが想像できちゃダメなんですけどね。(一同爆笑)


フィル:まぁ勤めてた身で言うのも何だけど、この世界の神殿腐ってるからなぁ。


GM:「…だが違う。今回の件を報告した結果我々に下った命令は、テール・プロミーゼの暗殺(・・)だ」


一同:…は?


ワット:え、何故?


GM:「動物の御子のことについて君もある程度は聞いているのだろう? 御子は死ぬと次の御子が生まれる。御子という存在がこの地上からいなくなることはない。ならば、都合の悪い御子は殺して、次に生まれる御子が自分たちにとって都合のいい存在であることを願うということもできてしまう」


フィル:いや、怖い怖い。そんな淡々と説明しないでくださいよ。


GM:そうか(笑) じゃあゴウラはここで深くため息を吐く。「…神殿には本来、神の意志の元に天罰を執行できる御子という存在を守護する義務があるはずなのだがな。残念なことに、神殿上層部でふんぞり返っている数名の人間が、御子をディアスロンドで保護することを頑なに拒んでいる。…自分が天罰の対象になることを恐れているからだ。だから神殿側が御子を保護したとしても、ファット大神殿のように総本山からは離れた神殿で匿う程度のことしかできない。全く、神を敬う組織が聞いて呆れる」


スイレン:同感ですね。


GM:「その点、帝国側に付いたノーチルは正しかった。神聖皇帝ゼダンはディアスロンドとは違い、ちゃんと御子たちを自身のすぐ近くに置き、最大限の防御を張っている。神殿なんかに付くよりよっぽど安全だろう」


スイレン:そう言われるとたしかに…って、ゴウラさん、こんなこと言っちゃっていいんですか?


ワット:まぁ、人通り無いみたいだし、大丈夫じゃね?


GM:「さて、テール・プロミーゼ暗殺の件だが…端的にいうと、ヴァンスター神殿は現在この命令に反対している」


一同:お。


フィル:……あ、え、なんだ。つまりゴウラさんたちはテールちゃんのためにディアスロンドと戦ってくれているわけか。


スイレン:そうみたいですね。いきなり暗殺とかいって脅かしてきたので一時はどうなるかと思いましたが。


GM:「おかげで今ソーレ神官長がディアスロンドに招集されていて、もう3日も戻ってきていない」


一同:お、おう。


フィル:いや、本当にそんなことしちゃってソーレさんもゴウラさんも大丈夫なの?一応アンタたちヴァンスター神殿のトップだろ?


GM:「なに、我々は我々が正しいと思う方に付いたまでだ。それに、クラン=ベルやカナン(※エリンディル西方地域内にある都市の名前)の神官長も我々に賛同してくれている。ディアスロンドが相手でも、しばらくは保つだろう」


スイレン:それは頼もしい。


ワット:えー、まとめると、現在神殿は大まかに『テール暗殺派のディアスロンド陣営』と『御子保護派のヴァンスター陣営』に分かれていて、帝国に取られたテールちゃんの処遇を巡って内部で意見が割れていると。


GM:そゆこと。7話で神殿周りの事柄だけほとんど決着が着いていなかったからね。こういう形でまとめさせてもらったよ。


フィル:なるほどわかった。つまり暫くの間はヴァンスター神殿から御子を攫いに来るような輩はいないと考えて良いわけだね。


GM:そう。「…だが、フィルくん。これだけは覚えておいてくれ。君たちの身近に存在する御子は今後ディアスロンドから狙われることになる。当然、その御子を守る者たちをも容赦なく殺しにかかるだろう。だからフィルくん。これは『警告』だ。奴らはいつ何時に攻めてくるかわからない。常日頃から油断せず、用心して過ごすことだ。ギルドメンバーにもそう伝えておけ」


フィル:あ、はい。それもそうか。


スイレン:まぁ、少なくともゴウラさんたちが敵ではないとわかっただけで収穫でしょう。これで現状、帝都側に残っている主要NPCに目立った敵はいなくなりましたね。


ワット:…あ、ほんとだ。帝国とヴァンスター神殿を信用していいとなると、もう帝都に特別警戒しないといけないようなNPCいないな。もちろん街中にナゲット団が紛れ込んでいたりするようなパターンは除くけど。


GM:うん。これで真に帝都編の問題は解決したと思っていいだろう。『ディアスロンド』という、新たな問題が発生したけど、ひとまず帝都はそこまで危険な場所では無くなったということだけ把握してもらえればいい。次の冒険に気兼ね無く進むためにもね。


フィル:なるほど、そういう意図でのこのシーンか。


ルーン:なっとく。


GM:そういうこと。まぁ、ディアスロンドとかナゲット団という敵がいる以上、警戒は解けないだろうけどね。「…ではフィルくん。幸運を祈っている」そう言って立ち去ったゴウラの背中を見送りつつ、シーンを終了しよう。


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