CLIMAXPHASE 後編 ~この伯父にしてこの姪あり~
2018/9/23 誤字修正
GM:さて、まずは配置から説明するぞ。部屋の広さは40m×40m。中央にルーン、ディアモン、フォーゼンのエンゲージ。それを挟んで5mずつ離れた位置にスイレン、フィル、ワットのエンゲージとウェポンフェンリルのエンゲージがある。ちなみに戦闘の終了条件は「ウェポンフェンリルの戦闘不能」だ。
ルーン:いやいや。フォーゼンも倒すから。
GM:こちらはそうならないように動くけどな。それじゃ、戦闘開始前のスキル宣言からどうぞ。
フィル:《ハンズオブライトⅠ》を使用。戦闘中 《プロテクション》に+1Dだ。
GM:OK。それじゃあ戦闘を始めるぞ。
□■□
【ラウンド1】
行動値
フォーゼン…24
ワット…17
ディアモン…17
ウェポンフェンリル…16
スイレン…8
ルーン…8
フィル…7
ワット:…あれ、ディアモンさんと同値だ。
GM:へ?(ワットのキャラシを見て)…うわっ、マジだ。いつの間にこんなに速く!?
フィル:ワットさん、地味に行動値鍛えてるもんなぁ。
ルーン:それに、どうせ伯父さんはこのあと加速するだろうしね。
スイレン:そうですね。あの人 《デスバウンド》持ってましたもんね。
GM:それじゃ、セットアッププロセスから始めていくぞ。まずフォーゼンは《インクリーズデバイス》を発動。自分とウェポンフェンリルの攻撃のダメージに+10点だ。
スイレン:おや、ウィザードのスキルですね。
ワット:火力支援の魔術か…。あ、俺はセットアップ何もしません。
フィル:でもここで『陣形』使っておこう。ワットさんが8m下がって、ボクとスイレンさんはその場でエンゲージを切り離しておく感じで。
GM:OK。次にディアモンが《デスペラード》《デスバウンド》で物理防御-50、ダメージ+25、行動値+15。
ルーン:数字の規模がおかしいよ伯父さん。
GM:続いてウェポンフェンリルが《地獄の咆哮》というスキルを発動するぞ。
フィル:どんな効果?
GM:対象:場面選択、射程20m以内にいる相手と精神判定対決を行う。対象が負けたら、このバッドステータス表を振って、ランダムでバッドステータスを付与するよ。
一同:は!?
□■□
バッドステータス表
1:【威圧】
2:【狂戦士化(2)】
3:【恐怖】
4:【逆上】
5:【衰弱(2)】
6:【スタン】
7:【スリップ】
8:【ノックバック(2)】
9:【縛鎖】
0:【放心】
□■□
GM:まぁ何はともあれ精神判定からだ。対象は取り戻し隊とディアモンの計5人。こちらの判定値は2D+12(ダイスを振る)…達成値18。ディアモンのリアクションは(ダイスを振る)…達成値31で成功(笑)
ルーン:私さっきの奇襲で【狂戦士化】しちゃってるから回避できません。
フィル:(ダイスを振る)…失敗。
スイレン:(ダイスを振る)…失敗。
ワット:(ダイスを振る)…失敗。
GM:失敗者には1D10を振って出た目に対応するバステを与えていくよ。(ダイスを振る)…ルーンからPC番号順に、【縛鎖】【狂戦士化(2)】【スタン】【衰弱(2)】を付与!
ルーン:…あ、セットアップスキル使えなくなった。《プロボック》が使えない!!
フィル:ボクが【狂戦士化】!?いらないよ!回避ができなくなっちゃった!!
スイレン:私の【スタン】は…まぁいいか。
ワット:【衰弱(2)】ってなんだっけ?
ルーン:メジャーアクションで命中判定振る度に10点HPロス。
ワット:つらっ!!?
スイレン:しまった。そういえば今回ショッピングフェイズ中に万能薬を買うのをやめた時、GMが何か言いたそうにしていた気が…。あれ、このスキル対策に万能薬をたくさん買っておいたほうがいいよって言いたかったのか。
GM:まぁ、過ぎた話だ。
ワット:一応、万能薬は俺は一本だけ持ってるから、この【衰弱】はギリギリ回復できるかな。
スイレン:それが救いですかね。私のセットアップ。《プロモーション》をルーンちゃんに。
ルーン:《スラッシュブロウ》のSLに+1だよ!
フィル:ルーンちゃんは【縛鎖】中だから次はボクのセットアップだけど…《クイックソング》は意味がないのでなし。
GM:全員宣言は終わったな?イニシアチブプロセスに移ろう。ここでフォーゼンが《カリキュレイト》を使用。即座に行動するぞ。
フィル:あ、割り込みか。ボクもここで《カリキュ…いや、意味ないな。やめた。
GM:フォーゼンの行動。ムーブで《フェイドアウェイ》を使用。ルーンたちのエンゲージから離脱してウェポンフェンリルのエンゲージに突入。マイナーで《ブルズアイ》メジャーで《連続攻撃》。対象はランダムで(ダイスを振る)…フィルとワット。
フィル:げー。回避できないのに。
GM:一発目。まずはフィルからな。命中判定5D+12(ダイスを振る)…ファンブルしないので命中。ダメージロールは4D+49で(ダイスを振る)…67点物理ダメージ。
フィル:《プロテクション》は…いいや。取っておこう。素で受けます。まだ耐える。
GM:続いて2発目。対象はワット。命中は(ダイスを振る)…また31。
スイレン:新技。《ウィンドバリア》使います。ワットくんの回避達成値に+5。
ワット:ありがとうスイレンさん。ただ、それでも3Dで15必要だな。(少し考え)…いや、ここは普通に。(ダイスを振る)…無理。回避失敗。
GM:ダメージロール。(ダイスを振る)…62点物理ダメージ。
フィル:《プロテクション》(ダイスを振る)…低っ!!?14点軽減!
ワット:41点抜けたけどまだ大丈夫。
GM:「ちっ、しぶとい奴らめ…」
ルーン:さぁ、次は伯父さんの行動だぞー!
フィル:やっちゃえ!バーサーカー!!
GM:「おう!」ムーブでフォーゼン&ウェポンフェンリルのエンゲージに突撃。マイナーで《バーサーク》&《ソウルヒート》、メジャーで《アトミックバッシュ》! 命中したら【ノックバック(2)】を付与する範囲攻撃だ。命中判定5D+18(ダイスを振る)…クリティカル!回避は(ダイスを振る)…ふたりとも失敗。
一同:よっしゃーい!!
GM:ダメージロール直前に《バイオレントアタック》を使用。『猛虎』の重量は40なのでダメージに+40だ。
ワット:へぇ。武器の重さをダメージに足すスキルか。
ルーン:紅月は重量0だから使えないんだよねぇ。
フィル:というか、重量40の武器ってルーンちゃんでも持てないんじゃ…
GM:クリティカル分込みでダメージは13D+135。(ダイスを振る)…175点、物理ダメージ!!「くたばれぃ!!」
ルーン:範囲でしかも《ボルテクスアタック》無しでこの火力か…。
スイレン:怖い。本気ディアモンさん怖い。
GM:(やべぇ。フォーゼンの残りHPがディアモンの通常攻撃圏内だ)…えーと、ウェポンフェンリルのみ《バッドステータス無効》で【ノックバック(2)】を消して10点のHPロス。
ワット:フォーゼンは?
GM:行動済みだから消さない (本当はHPがやばいからだが) さて、次はワットの行動だぞ。
ワット:OK。さらにバッドステータスを叩き込んでやろう。
ワットはムーブで8m後退した後に、マイナーで万能薬を使用して【衰弱(2)】を回復。メジャーの《ワイドアタック》《インベナム》でフォーゼンとウェポンビーストに同時に攻撃を仕掛ける。
《ピアシングストライク》にスイレンの《チェックメイト》も乗ったこの一撃は、二人に十分なダメージと【毒(4)】を叩き込んだ。(尚、この【毒】はフォーゼンもウェポンフェンリルも《バッドステータス無効》で回復している)
続くウェポンフェンリルは、自身のエンゲージにいるディアモンに《破滅の咆哮》という二連撃スキルを放つ。先程のスキルと同様にランダムで追加効果が決まるこのスキルによって、ディアモンは10点のHPロスを受け、5m吹き飛ばされてルーンのエンゲージに戻った。しかし被ダメージの方は《ウェポンガード》とフィルの《プロテクション》で、合計98点にまで抑え込み、残りHPも302点とまだ余裕。
そうして回ってきたスイレンの行動。ここではフォーゼンを無視してウェポンフェンリル単体にスイレンの最大火力を叩き込む。
スイレン:《ウォータースピア》《リゼントメント》《マジックフォージ》に各種装備品のダメージ上昇効果も重ねて合計6D+108!(ダイスを振る)…134点水属性魔法ダメージ!
これには巨大な武器の狼もたまらず悲鳴を上げる。GMにとっても予定外の大ダメージであった。
そして続くルーンの行動は…
ルーン:ムーブでエンゲージに突撃。マイナーで《スマッシュ》、メジャーで白兵攻撃+《ボルテクスアタック》!命中は(ダイスを振る)…クリティカル!
GM:まじで!?ディアモンといいルーンといいお前らはあああああ
スイレン:なんというか、『この伯父にしてこの姪あり』って感じがひしひしと伝わってきますね。
GM:スイレンの《マリッドストリーム》の影響でウェポンフェンリルは回避してもクリティカルはできない。よって命中だ。
ルーン:ダメージ直前に《スラッシュブロウ》! 17D+115でダメージロール。(ダイスを振る)185点、物理ダメージ!!(一同爆笑)
GM:期待値の10点くらい上なんだが!?というか、さっきのディアモンのダメージ越えたし!!
ワット:さすが親戚(笑)
ルーン:いえーい!
フィル:これは…ディアモンさんも負けてられないね。
GM:「あぁ、次は俺も全力攻撃を仕掛けてやろう」
フィル:お願いしまーす!ボクの行動。マイナーで【狂戦士化】を解除して、メジャーでディアモンさんに《ジョイフルジョイフル》!
GM:というわけで未行動状態になったディアモンさんの行動だ。ムーブでフェンリルとフォーゼンにエンゲージ。マイナーで《フルスイング》メジャーで《アトミックバッシュ》《ボルテクスアタック》。対象はウェポンフェンリルだ。命中判定は(ダイスを振る)…クリは無し。達成値33。
スイレン:ウェポンフェンリルは引き続き回避無理と。
GM:です。まぁディアモンも《バイオレントアタック》は使っちゃったので、今回のダメージは…11D+465。
一同:はァ!?
フィル:これ、500点行くんじゃない?
ワット:500ってまじか。
ルーン:500…私は何レベくらいで到達できるかな…
GM:「吹き飛べ!犬っころが!!!」(ダイスを振る)…512点、物理ダメージ!!!
ワット:500超えた!!!
GM:ぬぅ、まだ耐えてるがこれは…
ルーン:さて、全員行動終わったから次のラウンドだな。
GM:あ、いやまだ。ここでディアモン、フォーゼン、ウェポンフェンリルが《二回行動》を使用。全員未行動に戻ります。
一同:ぶっ!!?
フィル:ま、まぁ、10レベル超えるとこれがデフォになるし、ディアモンさんたちのエネミーレベルを考慮すれば…
スイレン:じょ、上級戦闘…
GM:というわけで、処理していくぞい!
この《二回行動》のタイミングで、ディアモンは《アトミックバッシュ》を用いて範囲攻撃を発動。それを受けてウェポンフェンリルがフォーゼンを庇ったため、フェンリルに132点の2倍のダメージが入った。
フェンリルにかばわれたフォーゼンは、《フェイドアウェイ》でエンゲージを離脱し、《連続攻撃》でルーンとディアモンに攻撃するが…
ルーン:《トゥルーアイ》
フィル:《プロテクション》
GM:ディアモンは《ウェポンガード》使うよ。
堅牢な防御スキル郡に阻まれてほとんどダメージが通らない。
そんな中、クリンナッププロセスでディアモンが《バイオレントヒット》を発動し、《ボルテクスアタック》の使用回数制限を回復しそのまま2ラウンド目に突入。
セットアッププロセスでウェポンフェンリルが《ヘルネスワークライ》を使用しようとするも、ワットが《インタラプト》でそれを阻止。
そして行動値最速ディアモンの行動で、今度は《ファストセット》《スマッシュ》《フルスイング》《アトミックバッシュ》《ボルテクスアタック》という真・全力攻撃をぶちかまし、519点の大ダメージを叩き出した。
ルーン:伯父さん、すごーーい!!
GM:「なに、これくらいどうということはない。デカイだけが取り柄の犬っころじゃ、俺は止められんぞフォーゼン!」
ワット:これで狼さんは死んだかな?
GM:いや。こいつHP1600点あるからまだ死なんが…
スイレン:(今までのダメージを計算して)…防御力を考慮しなければ既に1700点くらい入ってますね。防御力がいくらあるかは知りませんが…まぁ、瀕死でしょう。
GM:……………
ルーン:それに対してこちらの被害は?
フィル:ルーンちゃんが微妙に、ボクとワットさんが7割くらいHP削れてて、ディアモンさんも1/3くらいHP削れてるけど、『蘇生』を始め《アフェクション》《パーフェクトボディ》等の防御系切り札はほとんど残ってる。《カバームーブ》もあるし。
GM:………………
スイレン:どうですGM。投降するつもりはありませんか?
GM:しない。なにより次はフォーゼンとフェンリルの四連撃だ。お前たちにはここでくたばってもらおう!
ルーン:おう。
この四連撃は『蘇生』を切った取り戻し隊に難なく耐えられた。
GM:……………
ワット:さて…(←にっこりしている)
スイレン:次は…(←にっこりしている)
ルーン:私達の三連撃だね!(←悪鬼羅刹のような笑みを浮かべている)
GM:い、いや。まだ諦めんぞ俺は!!
フィル:そっかー。じゃ、頑張って耐えてね(ニッコリ)
ワット:《パワーブレイク》《インベナム》付き射撃攻撃!命中判定(ダイスを振る)達成値22!
GM:させるか!フォーゼンが《インターフィアレンス》!(ダイスを振る)…達成値32で成功。レールガンから放たれた銃弾をクロスボウから放った矢で撃ち落とすぞ!
ワット:おっと。まだそんなスキルを残していたか。
スイレン:ならば私の攻撃で。《ウォータースピア》を撃ちますよ。命中判定(ダイスを振る)…達成値24!
GM:(ダイスを振る)…回避失敗。
スイレン:45点水属性魔法ダメージ!!
GM:大丈夫まだ耐えてる。
スイレン:…と、【放心】に回避判定-1Dペナルティを付与!
GM:それが痛いんだよルーンの攻撃避けられねぇ!!
ルーン:ムーブなし、マイナーで《スマッシュ》、メジャーで白兵攻撃!命中判定は…(ダイスを振る)
GM:15以上なら命中するよ。
ルーン:余裕。達成値33。ダメージ直前に《スラッシュブロウ》を使用して、17D+45でダメージロール。(ダイスを振る)…112点、物理ダメージ!!!!!!
GM:この期に及んでまだ100点超えるか!?それは耐えきれない。ウェポンフェンリル戦闘不能。よって戦闘終了です。お疲れ様でしたー!!
一同:お疲れ様でしたーー!!!
□■□
GM:…さて、このシーンだが、もうちょっとだけ続くぞ。ウェポンフェンリルが倒れたことにより、フォーゼンが一人で君たちと対峙する形となった。
スイレン:大人しく投降しなさい上位魔族。それとも、この状況から生きて帰れるとまだお考えで?
GM:「ちッ…」さすがのフォーゼンもマズイ状況だと思っているのか、何も言い返してこない。
ルーン:余裕なさそうだな。じゃ、さっさとロープで捕まえて兵士さんたちに引き渡そうか…
GM:と、その時。
ルーン:ん?
GM:「お、とう…さん……?」
この瞬間、部屋の温度が下がったことを、GMは確かに感じた。
フィル:来ちゃったかー…なーんで来ちゃうんだよイルゼさん。
ワット:これ、イルゼさんにはなかなかキツイ光景でしょ。
GM:赤髪ポニーテールが特徴的な、シューリン・スパイニーの娘イルゼは、自分の父がディアモンや君たちに囲まれている光景を見て固まった。おそらく、どこかでディアモンが戦闘していると聞いて加勢にでも来たのだろう。その手には二本の刀が握られている。
ルーン:…その戦闘の相手が自分のお父さんだとは思わなかっただろうけどね。
スイレン:ですね。まぁ実の父ではなく、父の姿をした魔族ですが。………………………あれ?
GM:イルゼはそのままディアモンに近づいてくる。顔面蒼白な彼女に対し、ディアモンが言う。「イルゼよ。こいつはお前の父ではない。シューリンに化けて城に潜入していた上位魔族だ」
スイレン:GMGM。今フォーゼンって、シューリンさんの姿をしているのではなく、魔族としての本来の姿に戻っているんですよね?
GM:あぁ、そうだよ。
スイレン:イルゼさん、なんでフォーゼンがお父様だとわかったんですか…?
一同:え? …は?
GM:(静かに笑って) ーーーーーぐさり。
ルーン:…いや待て。
ワット:ちょ、まさか…
GM:それは、何の前触れもない、ためらいすらもない、誰も予期できない出来事だった。
「…ガ……フッ……」
イルゼの持つ二振りの凶刃が、ディアモンの心臓を、静かに貫いた。