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CLIMAXPHASE 前編 ~隙あらば奇襲し隊~

GM:さて、ここからはクライマックスフェイズだ。君たち4人は先行して、魔族フォーゼンがいるシューリンの部屋の前までやってきたぞ。


フィル:待った。その前に全員に《マドリガーレ》だ。(ダイスを振る)…判定成功。歌声が聞こえないように離れたところで歌うよ。


GM:お、おう。周到だな。


スイレン:当然です。できることはできるうちにやっておくべし。


GM:お、OK。では改めて、君たち4人はフォーゼンがいる部屋の前までやってきた。あ、ややこしいので今後こいつの呼び方は「シューリン」ではなく「フォーゼン」で統一するぞ。


ワット:よし。まずは扉にトラップ探知だな。


GM:なんでだよっ!!?(一同爆笑)


スイレン:なんでって、敵がいる事がわかっている部屋ですよ?トラップ探知は必須でしょう。


GM:さも正論のように言っているがここはヴァンスター城内だぞ。だれが扉にトラップなぞ仕掛けるか。


ワット:このGMなら仕掛けてそう。


GM:俺の信用の問題だった!?


ワット:というわけでトラップ探知。(ダイスを振る)低め。達成値15。


GM:トラップはないよ。


スイレン:よし。では奇襲を仕掛けましょう。(一同爆笑)


GM:(まーた何か言い出したぞこいつは)


フィル:とりあえずボクが扉開けるから、ワットさんとスイレンさんがまず遠距離攻撃を叩き込んで、そのあとルーンちゃんが突撃する感じになるかな。


スイレン:そうですね。


GM:(少し考え)…うーん、それだとルーンが攻撃するタイミングが遅れるから、スイレンとワットのみ奇襲攻撃が可能って扱いになるかな。


ルーン:えーーー


スイレン:ふむ。それはいけませんね。


GM:(いけないことはないぞ)


スイレン:GM、フォーゼンの部屋の構造はわかりませんか?


GM:まぁ、周りにある他の部屋と同じ構造になっているってことはわかっていいだろう。だいたい幅5m、奥行き10mといったところか。


ルーン:わたし移動力10以上あるよ?


GM:そういう問題ではない。スイレンたちの攻撃タイミングから1テンポ遅れることが問題なんだ。


ルーン:えーーー


スイレン:GM。


GM:今度は何だ?


スイレン:この部屋、窓はありますか?(一同爆笑)


一同:それだーーーー!!


GM:えー…(そんなこと考えちゃいなかったが、牢屋でもないのに窓がないのは不自然か…)窓、あります。はい。


ルーン:よーし、それじゃあ、私は上の階からロープを使って下に降り、窓ガラスを突き破って侵入するよ。


ワット:窓ガラスが割れた音を聞いた瞬間にフィルくんが扉を開ければ、攻撃タイミングは同時にできるな。


スイレン:どうでしょう、GM。


GM:うるせぇもうそれでいいから早くやれ。


一同:はーーい♪



□■□



ルーン:というわけで、私だけ上階から外壁伝いにロープでフォーゼンの部屋の窓際まで降りてきました。あとはもう、ガラスを突き破るだけで奇襲攻撃ができるよ。


GM:いや、さすがに攻撃役3人には【感知】の判定対決くらいはやってもらうけどな?


スイレン:まぁ、それはそうでしょうね。


ルーン:いちおう、ちらっと部屋の中を覗いてみるけど?


GM:安心しろ。フォーゼンは部屋の中にいるよ。机で書類整理しているみたいだ。


フィル:よし。とりあえず武器持って警戒しているようなことはないな。


ルーン:なら大丈夫。勢いをつけてフォーゼンの部屋に乗り込むよーー!!パリーン!!!


フィル:同時にドアをバッと開け放ちます。


GM:ではここで、フォーゼンが君たちの奇襲に気づけるかどうかの判定を行うぞ。ルーン、スイレン、ワットは感知判定でリアクションをしてくれ。


3人:はーい。


GM:(…まぁ、こっちの感知判定は2D+17。実は簡単に奇襲が成功するような調整にはしてないんだけどな)(ダイスを振る)………



…………出目:1,2



GM:!?!?!?!?!?!?!?!?!?(←達成値20)


ワット:感知判定は2D+13。(←期待値20)


スイレン:私は2D+12。(←期待値19)


ルーン:私は…2D+10か。(←期待値17)


GM:(よ、よかった。まだみんな期待値以下。大丈夫。少なくとも一人くらいは失敗するはず)


ワット:(ダイスを振る)…期待値。達成値20。(成功)


スイレン:(ダイスを振る)…出目11。達成値23。(成功) そしてルーンちゃんに《ドラゴネット:アンスロック》を使用!


ルーン:ありがとうスイレンさん!これで3D+10(期待値20.5)になったよ!(ダイスを振る)…クリティカル(一同大爆笑)


GM:全員成功かよっっっ!?(一同大爆笑) なんでお前らこんなときばっかり出目が走るんだよ!!


ルーン:それはもちろん…


スイレン:(にっこり笑って)楽しいからに決まっているでしょう。


GM:(だめだこいつら。止まってくれねぇ)


ワット:……まぁ、なにはともあれ。


ルーン:奇襲の時間だよ☆



□■□



~奇襲タイム(ダイジェスト)~


ワット:ムーブなし、マイナーで《パワーブレイク》、メジャーで射撃攻撃に《インベナム》。ダメージ直前に《ピアシングストライク》。スイレンさんの《チェックメイト》込でダメージ5D+36(ダイスを振る)…52点物理ダメージ+【毒4】+【スリップ】!!


スイレン:ムーブなし、マイナーで(スキル珠を掲げて)《進化版アドバンスドポイゾネスミスト》(ダイスを振る)…失敗。(スキル珠をしまう)…メジャーで《ウォータースピア》。ダメージ直前に《マジックフォージ》。6D+33で(ダイスを振る)…51点水属性魔法ダメージ+【放心】+回避判定-1D。


ルーン:ムーブでフォーゼンにエンゲージ。マイナーで《バーサーク》+《ソウルヒート》。メジャーで白兵攻撃。ダメージ直前に《スラッシュブロウ》も使用してダメージロール15D+35(ダイスを振る)…94点物理ダメージ+【恐怖】!!


GM:合計で197点も飛んできたんだが!?(一同爆笑)



尚、フォーゼンは付与されたバッドステータスすべてを《バッドステータス無効》で打ち消した。その反動で、さらに50点のHPロスが入った。



□■□



GM:(ごっそり削られたな…)え、えーと、奇襲タイム終わったので演出入れようか。とりあえずフォーゼンは一旦君たちから距離を取るかな。「く、何だ貴様ら。何故"シューリン()"を攻撃する…?」


スイレン:そんなこと、自分で考えてみてはどうですか?


フィル:…"百面相"のフォーゼンッ!!


GM:その名を呼ぶとフォーゼンは目を見開いた。しかしすぐに口角を釣り上げると、「ククッ…クックックッ……」と絞るように笑い始めた。


一同:………


GM:笑うフォーゼンの外見、シューリンの姿が徐々に闇に溶けていく。「…そうか。どうやって調べたのかはわからないが…バレてしまったのであれば仕方があるまい…」やがて闇の奥から人のそれとはかけ離れた、禍々しい上位魔族本来の姿が現れる。タコによく似た触手を生やした、見たものに醜悪な印象を与える顔。それこそが"百面相"のフォーゼンの素顔だ。そしてその姿に、声に、口調に、フィルは改めて確信するだろう。


フィル:………


GM:こいつこそが、5年前父と母を殺し自分と姉を引き裂いた、黒ローブ軍団の親玉。あのクロスボウを持った男の正体であると。


フィル:……………


GM:「さて、気づかれたとなると、私は早急にこの場から逃走すべきなのではあるが…」フォーゼンはあの時と同じ(・・・・・・)クロスボウを取り出しフィルたちの方へ向ける。「…君たちは少々、我々の邪魔をしすぎた。したっぱ共ならまだしも、私の目論見をも邪魔立てするとなると、生かしておくわけにはいくまい」


ワット:やる気か。


スイレン:まぁ、私達としてもヤツを逃がすつもりは毛頭ないですし、やるっていうのならとことん付き合って、最後にはとっ捕まえるだけです。


GM:「威勢のいいことだ。だがしかし、君たちに勝機など無い。一人一発、合計4発で終わりにしてやろう。まずはディアモン中将の姪、君から死ーーー」ね。と、そう言いかけたちょうどその瞬間。


ルーン:…?


GM:「しゅうううううううううううううううううりぃんんんんんんんんんんん!!!!!!!」どごぉん!という轟音と共に部屋の天井が崩れ落ちた。そうして繋がった上階から、獰猛(楽しそう)な笑みを浮かべた破壊神(中将)が、自らがこれから打倒する対象の名を叫びながら降りてくる。


ワット:あ、そういえば…


スイレン:バーパスさんが


フィル:呼んでくるとかいってたなぁ…


ルーン:伯父さあああああああああん!!!!


GM:「がっはっはっはっは!!待たせたなルーン!少々、準備(・・)に手間取った」


ルーン:準備?伯父さんが?


GM:「あぁ、コイツを探していてな」…そういうディアモンの手には2mを超す超大型の両手剣が握られていた。「ーーー斬馬刀"猛虎"」


スイレン:ざ、斬馬刀!?


ワット:ディアモンさんが武器を!?


フィル:それ、もしかしてダメージ400点程度じゃ済まないんじゃ…


GM:対するフォーゼン「ちっ、かつて帝国の大陸進出の際に一人で敵の砦を落としたと言われている伝説の兵士、"猛虎"のディアモンが本気モードでご登場か。…さすがにこれは分が悪い」


スイレン:分が悪いっていうか…


フィル:コレに勝てるヤツなんかいないだろ。


GM:「ヤツの相手は…先刻、猫に渡された『新兵器』とやらに任せてみるとしよう」…言うとフォーゼンは懐からスキル珠を取り出した。


一同:あ。


GM:「《模倣版(イミテイト)召喚》! 出よ、作られし牙の王"ウェポンフェンリル"よ!!」珠がパリンと割れると同時、部屋の中に白い光が充満する。光は床や壁を破壊し、同時に君たちも下階まで落ちていくだろう。


フィル:床や壁を破壊!? エネミースキルの《召喚》で!?


GM:《召喚》する対象が《超大型》持ちでな。今の部屋じゃ狭かったんだ(笑) ちなみに《召喚》は本来モブエネミーを呼び寄せるスキルなんだが、今回はソロエネミーを呼ばせてもらったよ。


スイレン:はぁ…


GM:さて、光が収まった頃、君たちの目の前に現れたのは剣の怪物。大斧の爪に剣の尾、無数の剣槍でできた四足に胴体、そしてギラリと研ぎ澄まされた短剣の牙を持った、"武器でできた大狼"ウェポンフェンリルだ。


スイレン:あの狼、体が剣でできている…!?


ルーン:血潮は鉄で心は


GM:違うやめろ。(一同爆笑)


フィル:…まぁようするに、ディアモンさんと協力しながらこのデカ狼とフォーゼンを倒せばいいってことでいいんだよね?


GM:そのとおり。ただし、今回の戦闘終了条件は「ウェポンフェンリルの戦闘不能」とするよ。フォーゼンは倒さなくても構わない。


ワット:なるほど。


スイレン:いえ、だからといってフォーゼンの逮捕が目標であることは変わりません。なるべくフォーゼンの方も倒せるように狙っていきましょう。


ルーン:そうだね!


GM:…よし、それじゃあここから戦闘を開始していこう。ディアモンがルーンの隣に並び、にっと笑いかけてくる。「行くぞ、ルーン!」


ルーン:(にっと笑い返して)「うん、伯父さん!」


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