MIDDLEPHASE13 3年前
2018/8/29 誤字訂正
猫が去った後、PCたちは当初の予定通り、二手に別れて行動した。
スイレンとワットのチームは街で一般人からマンティコアの目撃情報について聞き込みを行ったが、そもそもマンティコアを見たという人が少なく、役に立つ情報は手に入らなかった。
スイレン:となるとマンティコア関連の手がかりはゴウラさんの心当たりだけですね。
ワット:やっぱりヴァンスター城か。ルーンちゃんとフィルくんが何か情報を掴んでくれてるといいけど。
スイレン:あ、そうだ。ワットくん。私達もお城に向かいませんか?あなたに会わせたい人がいるんですよ。
ワット:会わせたい人?
スイレン:えぇ。錬金研究所の所長の方です。エレキさんっていうんですけどね?(一同大爆笑)
ワット:いや、えっと、その…またの機会に……(笑)
□■□
GM:じゃ、次。ヴァンスター城内の演出行くぞ。登場はルーンとフィル。とりあえず、2人が合流するところから始めようか。
ルーン:遅いぞフィルー!!
フィル:ごめんごめん。ちょっと宿の前で猫と会っちゃって、かくかくしかじかなんてことがあったんだ〜…って感じで、何があったか共有しておきますね。
GM:OK。
ルーン:へー、そんなことがあったのかー。まぁ、わざわざ猫に言われなくてもテールちゃんに傷とか付けさせないけどね。
フィル:きゃー!ルーンちゃん男前♡
GM:…ミドル長くなってるし、先に進めたいんだがいいかー?
フィル:あ、はい。すみません。さっさとリネルちゃんの部屋行きます。
GM:OK。では昨日同様リネルの部屋の前までやってきた。衛兵もいるね。
フィル:その衛兵さん、昨日と同じ人?
GM:いや、違う人だね。
フィル:じゃあ、今日の衛兵さんに少し伝言を頼みたい。昨日この部屋の見張りしていた人に、ピンクのガキが「昨日はお世話になりました」って言ってたって伝えといてください!
GM:「ん? あぁ、わかった。あいつには俺から伝えておこう」
フィル:ありがとうございます! …さて、それじゃあ、行きますか。コンコン(←扉をノックした音)リネルちゃん、入るよー?
GM:「…どうぞ」中からリネルの返事が返ってくる。昨日と比べて落ち着いた声だ。
フィル:よし。扉を開けて中に入ろう。
ルーン:私も入るよ。あと、帝国の人に話聞かれたくないから、扉はしっかりと閉じる。
GM:OK。…リネルは部屋の中央に立って、君たちの方を見ている。
フィル:やぁ、また来たよ。
GM:「うん」…リネルはこくりと頷くだけだ。話の先を促しているように見える。
フィル:そっかぁ……(考えながら)……じゃあ、個人的にこれだけは聞いておきたいってことを、聞いておこうかな。
GM:どうぞ。
フィル:君は…ハルを知っている?
GM:「うん。…とてもよく知っている」
フィル:…今は、一緒にいないんだよね?
GM:(ゆっくりうなずく)
フィル:…お姉ちゃん、元気にしてた?
GM:「…元気、とは言い切れないかもしれないけど、でも、いつも『希望』を持っていたわ」
フィル:……そっか。なら、よかった。 …これでボクが聞きたいことは全部聞けたよ。
スイレン:…え、それでいいんですか?
フィル:うん。個人的には満足した。ただ、これだとシナリオ絶対進まないよなぁ…この後どうしよう…
GM:(…いや)「……あなたは、ハルお姉ちゃんのことが大好きなのね」リネルが柔らかく微笑みながら君にそう聞いてくる。
フィル:もちろん。
GM:(なら…いいだろう)「…そこに座って」リネルが部屋の端にあるテーブルと椅子を指す。「私が知っていること、全部話すわ」
フィル:お
ルーン:おっ
スイレン:これは…?
GM:…どうやら、リネルは君に心を開いてくれたみたいだね。
一同:おおおおおおおおおお(拍手)
GM:まぁ、そもそも昨日フィルがリネルの部屋から追い出された理由自体が大したことではなくて、大好きなハルについて話せる相手を見つけたと思った直後に、いきなり話が噛み合わなかったことが少しばかりショックだったってだけなんだよね。
スイレン:なるほど。今は一晩経って冷静になったから話せるようになったと。
フィル:そっかぁ…昨日部屋追い出されたときはボクかなーり絶望したんだけどなぁ(しょんぼり)
GM:まぁ、リネルはまだ11歳だし、3年間城暮らしだったこともあり、同年代の友達もいない。
ルーン:え?
GM:(ルーンを無視して)…リネルはまだ実年齢も、精神的にも子供なんだ。許してやってくれ。これでもリネル的にフィルを追い出したことに対する罪悪感は感じてるんだぞ。性格的に「ごめんなさい」のひとことが言えてないが。
フィル:大丈夫。わかってるから。怒ったりはしてないよ(笑)
GM:ならよかった。
ルーン:よーし。じゃあ、リネルちゃんに言われたとおり、座って話をするとしますか。
GM:リネルがルーンにジト目を向ける。「なんでアンタが座ろうとしてるのよ」
ルーン:えー?いいじゃん友達なんだから!私にもお話きかせてよー!!
GM:「だから友達じゃないって言ってるでしょ!?」
ルーン:リネルちゃん辛辣!!
GM:「一昨日からずっと言ってるじゃない!!」
フィル:あれ、2人は仲悪かったんだっけ?
GM:「仲悪いどころか最悪よ」
ルーン:仲いいよ!友達だもん!!
ワット:見事に食い違ってるな…(一同爆笑)
フィル:ごめんねリネルちゃん。騒がしくて。
GM:「いや、べつに」(重いため息を吐きながら)「…なんか、慣れてきたし」(一同爆笑)
ワット:慣れてしまったか…可哀想に……
GM:まぁ、椅子は3脚以上あるから別にルーンも座っていいんだけどね。
ルーン:じゃ、座りまーす!
フィル:ボクも座るよー!
GM:はいはい(笑)…リネルも座って話始めるよ。「私とハルお姉ちゃんは3年前まて…」
ルーン:あ、ちょっと待った。
GM:(ルーンにジト目を向けて)「……なに?」
ルーン:帝国の人に話を聞かれたくないから、なるべく筆談で話せってスイレンさんが言ってた!筆記用具貸して!!(一同爆笑)
GM:「なんでそんな面倒な事しないといけないのよ!!!」
……と、怒ったりもしたが、リネルは渋々ながら筆談に応じてくれた。
大まかな内容は、昨日の探索でイルゼ及びエレキから聞いたものと同じで、リネルとハルは動物の王からの加護を受ける動物の御子であり、3年前までナゲット団に捕まっていたが、ハルの助力を得て、リネルのみ脱出に成功したというものであった。
フィル:(筆談中)ちなみに、リネルちゃんたちが捕まってた基地の場所ってわかる?
GM:(筆談中)「わからない。逃げ切った後に少し漂流したり、空飛んだりしてるうちにこの島までたどり着いたから」(※ヴァンスター帝国はもともと島国であり、帝都は大陸ではなく島にある)
ルーン:(筆談中)じゃあ、ハルさんが何の御子か聞けたりする?
GM:(筆談中)「ハルお姉ちゃんは"毒持つ蛇の王"ヨルムンガンドの加護を受けた"毒の御子"よ。皮膚からいろいろな毒を出す能力があるみたい」
スイレン:やっぱり蛇でしたか。私達の予想、当たりでしたね。あと、動物の王の能力とその御子が持つ能力に関係があるってことも、確定でいいでしょう。
GM:《サモン:シームルグ》は回復スキル、《サモン:ヨルムンガンド》はダメージと【毒】を与えるスキルだからな。シームルグの加護を受けているリネルは『超回復能力』を持っていて、ヨルムンガンドの加護を受けているハルは皮膚から毒素を分泌できる。まぁたしかに、関係性があると思って間違いなさそうだ。
ルーン:だとすると、テールちゃんの能力っていったいなんなんだろう…?
フィル:(筆談中)…ちなみに聞きたいんだけど、ナゲット団に捕まっている間に『天罰』って執行できなかったの?そんな超常的な力が使えるなら簡単に脱出できそうなものだけど。
ワット:それはたしかに。
GM:それにはリネルは首を横にふる。(筆談中)「何故だかわからないけど、シームルグとの『つながり』が切れたみたいになって…牢屋にいる間は、シームルグとおはなしすることもできなかったわ。天罰を下すことを決定する権利は親の方にあるから、そうなると私には何もできない。この翼と、超回復能力だけは残ってたんだけどね」
フィル:……(筆談中)まった。シームルグと会話できるの!?
GM:今度は首を縦にふる。(筆談中)「うん、御子なら誰でもできるはずよ。ただ、親は神界にいるから実際に会うことはできないんだけどね」
ルーン:(筆談中)じゃあ、どうやって会話するの?
GM:(筆談中)「私たち御子と親には『つながり』があるから、それを頼りにテレパシーを送っておはなしするの」
フィル:(筆談中)それって今もできるの?
GM:それには難しい顔をしながら(筆談中)「…できなくはないけど、両目を閉じて意識を集中させる必要があったり、ちょっと疲れるからあまりやりたくないわ。それに、用もないのにシームルグに話しかけるのも何か変だし」
フィル:(筆談中)あぁいや、そういうことならやらなくても大丈夫だよ。ありがとう。
ワット:ふーん。親と子なんて言われてる割にそんなに仲良さそうではないんだな。
ルーン:君がそれを言うのか…
GM:べつに仲悪くはないけどな。ただ、親子と言っても家族的な親子じゃなくて契約関係的な親子だから、ぶっちゃけ赤の他人同士なんだ。母と娘のそれに重ねるのはちょと違うかもしれない。まぁ、本当の親子みたいに接している王と御子がいないとは言わないけどね。
スイレン:なるほど…
フィル:…まぁ、御子に関する情報はこれで全部集まったかな。お姉ちゃんに関する話も聞けたし、ここでやるべきことはやりきった気がする。他にやることってないよね?
ルーン:うーん、そうだな…(考え始める)
GM:んー、いやすまん。そろそろ最後のイベント挟んで、このシーンを終了しよう。
ルーン:え、何かあるの?
GM:ある。どかどかどかどかどかと扉の外から足音が聞こえてくる。どうやらこの部屋に向かってきているみたいだね。
ルーン:…伯父さんかな?
GM:いや、ディアモンだったらズシン!ズシン!って感じの足音だから全然違う。(一同爆笑)
フィル:ディアモンさん、恐竜か何かかよ(笑)
ルーン:てか、マズイ。筆談に使った紙がテーブルの上にあるはず。
一同:あ。
GM:なっはっは!さぁ、バレないようにその紙を急いで隠す必要があるぞ!難易度15の感知判て…
ルーン:じゃあ、その紙を食べます。
GM:………えっ?(一同大爆笑)
ルーン:(もしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃ)
フィル:ルーンちゃんナイス!
スイレン:超ナイス!!
ワット:完璧な証拠隠滅!
GM:(悲しそうな顔をしながら)…えー、隠すことには成功したみたいですね。じゃあ、部屋に入ってきた男には何もバレません(一同爆笑)
ルーン:(もしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃ)
フィル:…で、誰が入ってきたの?
GM:バン!と勢いよくドアを開け放ち、「おいおいおい、待て。どうして部外者がこの部屋に入っているのだ!!」と騒ぎながら入ってきたのはシューリン・スパイニー大佐だ。
一同:は?
ルーン:なんでこいつが急に?てか私達のこと部外者って…バーパスさんから何も聞いてないの?
フィル:いや、ボクたちの目的は帝国城内にいる内通者の発見だから、ごくごく一部の人達以外ボクたちが城の中に出入りできる理由を知らないんでしょ。とりあえず、シューリンさんにバーパスさんからもらったバッジを見せるよ。
GM:ならシューリンは「全く、第三特務大臣殿はいったい何をお考えになられているのだ」とボヤきながら部屋の外へ出ていった。
ルーン:………何しに来たんだ?あの人。
フィル:さぁ?
GM:(筆談してた紙を見つけるために登場させたんだが…まぁ、いいか)シーンを終了するよー。