MIDDLEPHASE03 ヴァンスター城資料室
GM:フィルのシーンが終わったので、次は…そうだな、スイレンのシーンに移ろうか。
スイレン:私はヴァンスター城の資料室で関係のありそうな単語とか人物を調べますよ。
GM:OK。資料室には見張りの兵士がいたが、バーパスからもらったバッジを見せれば問題なく通してくれる。
スイレン:では…まず手始めに、フィルくんが神殿で調べられなかった情報から片付けますか。『シュガーソンの悪夢』について調べたいです。
GM:OK。それには難易度15の知力判定だ。
スイレン:おや、思ったより難易度高いですね。(ダイスを振る)…でも成功です。
GM:それでは以下の情報を開示します。
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シュガーソンの悪夢
聖暦1002年に起きた、ヴァンスター帝国に併合されたばかりのファットに、シュガーソン公国の軍隊が夜襲を仕掛けてきた事変。
当時、ファット駐屯兵を率いていたヴァンスター帝国軍のノーチル・クラード特別少佐の手によって、シュガーソン公国軍は壊滅的被害を受け、撤退した。
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GM:まぁ、こんな感じで、ファットが帝国に併合された当時の話みたいですね。因みに現在は聖暦1018年なので、16年前の話になります。
※補足
作中でも何度か述べていますが、神聖ヴァンスター帝国は、ここ20年の間に大陸に侵攻して大国となった軍事国家です。ファットもこの大陸進出の過程で併合されていたみたいですね。
フィル:いや待て!何やってんだよノーチルさん!?
ルーン:このおじさん、まだ何か隠してやがったのか。
ワット:てか、クラード?名字はプロミーゼじゃないの?
スイレン:その辺、もう少し詳しく調べてみましょう。過去の兵士の名簿とかありませんかね?
GM:兵士の名簿は結構な量があるが、『シュガーソンの悪夢』の資料から、所属していた大まかな時期がわかっているので調べる時間を短くすることができそうだ。難易度16知力判定でどうぞ。
スイレン:(ダイスを振る)…はい成功!
GM:なら、すぐに見つけることができるだろう。情報は以下。
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ノーチル・クラード特別少佐
聖暦1000年:入軍。ディアモン隊に入隊。
聖暦1002年:ファット併合の際に帝国側の代表として条約を締結。以後ファット駐屯部隊を2年に渡り指揮。シュガーソン公国の襲撃からファットを防衛。
聖暦1004年:ディアモン少将の援軍とともに『アンデッド・パニック』鎮圧。『アンデッド・パニック』の際に戦闘により負った怪我を理由に退役。
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ルーン:伯父さん隊……
スイレン:まぁ、そこはいいでしょう。『アンデッド・パニック』について調べます。(ダイスを振る)…達成値、16!
GM:OK。またすぐに資料が出てくるよ。
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アンデッド・パニック
聖暦1004年に起きた、『死人の沼地』に住む大量のアンデッドがファットに向けて侵攻してきた事件。
ノーチル・クラード特別少佐率いる部隊と、ディアモン少将率いる援軍によって鎮圧された。
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GM:ちなみに『死人の沼地』というのは、ファットの東、ヴァンスター帝国とエルーラン王国の国境にある、多数のアンデッドたちが巣食う湿地帯のことを言います。
フィル:ファット併合の2年後にそんな事件が起きたと…。
ワット:何かに関係のある事件には思えないが……
スイレン:でもこれ、結構な大事件ですよね。GM、私たちはこの事件について何か知識はないんですか?
GM:うーん、じゃあ、知力判定を振ってもらうかな。スイレンだけじゃなくて、みんな挑戦していいよ。地元民ではないフィルとスイレンが難易度16、ファット出身のルーンと、戦争関連のニュースを聞いていた可能性の高い、帝都出身のワットは難易度10だ。
スイレン:(ダイスを振る)…成功。
フィル:(ダイスを振る)…失敗。
ルーン:(ダイスを振る)…成功。
ワット:(ダイスを振る)…失敗。
GM:2人成功か。スイレンは本で読んだ、ルーンは…お母さんから聞いたんだろうな。きっと。…では、2人はこの『アンデッド・パニック』という事件が、他に類を見ない異常な事件であることを知っているでしょう。
ルーン:というと?
GM:ファットは古来より、野菜や作物がよく採れる非常に豊かな土壌に恵まれていたことから、『豊穣の女神アエマ』に愛された土地とされていたんだ。ファットのすぐ東にある『死人の沼地』からアンデッドが溢れ出してこないのも、アエマ様が醜悪なるアンデッド共からファットを守ってくれているからだと、広く信じられていた。しかし、この『アンデッド・パニック』ではその言い伝えがあっさりと打ち砕かれてしまったんだ。
スイレン:なるほど。そういう点ではたしかに異常と取れますね。
フィル:神の力にも抗える何かが発動したとか…そういうことなのかな?
スイレン:えぇ、おそらく。ただ、これ以上のことは今はわからないと思うので、一旦放置ですかね。
ワット:他に何か調べることはあるかな?
スイレン:とりあえず、6話7話で出てきた、帝国編に関係していそうなNPCを全員、片っ端から調べていきましょう。
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この後スイレンが手に入れた情報を以下に示す
ポテトフライ特別少佐
聖暦1000年:傭兵として契約。
聖暦1001年:ディアモン隊に入隊。特別少佐となる。
聖暦1002年:ファット駐屯隊に移籍。
聖暦1004年:契約解除を申請。クラード特別少佐がこれを受理。
シューリン・スパイニー大佐
出身:聖都ディアスロンド
聖暦1015年:入軍。(以降三年間で様々な武勲を上げている)
イルゼ・スパイニー軍曹
出身:ダイワ群島国
聖暦1015年:入軍。(以降あまり武勲は上げていない模様)
尚、バーパスに関しては、第三特務大臣に就任した時期が4年前であることしか有益な情報は得られなかった。
また、ゼダンに関する資料は存在せず、ソーレやゴウラのような神殿関係者に関する資料も、これといって役に立つようなものは見つけられなかった。
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一同:マスターーーーーーっ!!!??
GM:マスター・ポテトフライもノーチルさんとほぼ同時期、1004年に軍を退役しているようだね。
スイレン:というか、さっきから気になっていたのですが、『特別少佐』ってどういう階級なんですか?
GM:正式な軍人ではない者に、軍の少佐と同じ権限を与える場合に付けられる階級のことだ。少佐と特別少佐の違いは、単に正規か非正規かって所だけだね。
ワット:なるほど。
フィル:それとすごーく気になる点が、スパイニー親子の出身地。
ルーン:親父が大陸西方にある、神殿の総本山『聖都ディアスロンド』出身で、娘さんが大陸東端にある『ダイワ列島国』の出身と。
スイレン:ちなみにここ、『神聖ヴァンスター帝国』は大陸西端にあるので、この親子は大陸を一度横断していることになりますね。シューリンさんの方に至っては往復してるまでありますし。…まぁ、転送装置とかを使っているのであれば話は別ですが。
ワット:というか、ディアスロンドって…ついさっきマイケルさんが向かった場所だよなぁ……?
ルーン:…あれ、まさか、今後のシナリオにマイケルさんの動きが影響してきたり…?
GM:(にっこりしながら)さーて、どーだろーなぁ? では、今資料室で調べたい情報は調べ尽くしたと思うので、ここらでシーンを閉じましょう。