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MIDDLEPHASE04 第三特務大臣

2018/3/25 誤字訂正

GM:さて、他にやりたいことがなければこのまま帝都に到着しちゃうけど、大丈夫かな?


フィル:とりあえず、先に進んでもらって大丈夫よ。


GM:了解。それでは君たちは3日半の旅程を経て、帝都ヴァンスターの中心部、皇城にまでやってきました。入口には出迎えの兵士が数人。「ディアモン中将、お疲れ様です!」と整列、敬礼している。


ルーン:私たちに対する出迎えじゃないのかよ。


GM:もちろん君たちだって無視されるわけじゃない。「ようこそいらっしゃいました。ファットから遥々、ご足労頂き感謝します」…そう言って君たちの前に現れたのは帝国軍の軍服に身を包んだ男、シューリン・スパイニー大佐だ。


スイレン:……スパイニー?


ワット:あれ、イルゼさんと同じ名字だな。


GM:お察しの通り。シューリンはイルゼの父親ですね。「ただいま戻りました、お父様」「あぁ、ご苦労だった」とか話してる。


フィル:本当にご苦労してそうだったもんなぁ。


スイレン:ええ、まぁ、往復で1週間程とはいえアレの監督業務ですからね。


GM:さて、ではここでシューリンが改めて君たちに向き直り「早速ですが、既に会談の準備はできておりますのでご同行願います」と言い出します。「それと、決まりですので入城の際は武器を預からせていただきます」


ルーン:え、また武器預けるの…?


GM:いや、その必要は無い。シューリンに対しディアモンが「良い良い。こいつらは大丈夫だ」と言ってくれる。というわけで武器持ったまま入城することが中将権限で許されました。シューリンは苦い顔してるけどね。


ワット:おぉ、さすがだ。


スイレン:まぁ、別に城内で暴れるつもりは無いので預けても構わなかったんですけどね。


GM:シューリンは「はぁ」とため息を付いた後「イルゼ、皆様を会議室へお連れしろ」と諦めたような顔で命じるね。そんなわけでイルゼが「了解です。ではみなさん、私についてきて下さいね」って感じで君達を案内してくれるようだ。


フィル:……ここで鼻歌まじりに《マドリガーレ》しておいた方が良いかな。


スイレン:……下手なことはしない方が良いかと。


GM:…というわけで会議室にやってきた。イルゼがノックして扉を開ける。「失礼します。件のギルドのメンバーをお連れいたしました」


フィル:失礼しま〜す。


GM:中には既に人がいるね。見た目50代くらいの、そこそこ恰幅の良いヒューリンの男性だ。「ようこそお来し下さいました。私、ナゲット団関連の捜査を担当しております。バーパスと申します」


スイレン:はじめまして。ギルド『テールちゃんを取り戻し隊』のスイレンと申します。こちらがワット、フィル、そしてギルドマスターのルーンです。


ワット&フィル&ルーン:はじめまして~


GM:「では、おかけになって下さい」と、バーパスは君達を長椅子に座るように促し、自分はその対面に座った。イルゼはバーパスの後ろで控えてるかな。


フィル:まぁ、こっちは4人全員横並びで座ろうか。


GM:了解。では君たちが腰掛けたことを確認するとバーパスが「早速ですが、あなたがたがナゲット団を捕まえた際の状況についてお聞かせ願えますか?」と尋ねてくる。


ルーン:本当に早速だな。


ワット:何か急いでるのか?


スイレン:…まぁ、こちらは慎重に受け答えしていきましょう。その質問に対してなら、とりあえず第3話のミドルフェイズで起きたことだけ話せば良さそうですね。


フィル:3話ミドル…何があったっけ…w


ルーン:えーと、たしかアレだ。バーベキューとマスタードがアミー買いに神殿に乗り込んで来たんだ。


フィル:あぁ、そうだった。そんなこともあったなぁ。


GM:「アミー…? ……なんですかそれは」


スイレン:神殿が所有しているマジックアイテムです。我々にもまだ解明できていない、未知のアイテムなのですが、ある日ナゲット団の2人組がそれを買い取りたいと言ってきたのです。しかし、交渉は決裂。最終的に力ずくでアミーを奪おうと暴れ出したナゲット団を我々が制圧して…今に至る、というわけです。(ここで素になって)ハイ、嘘はついてない!


ワット:すげぇ。『スキル珠』という単語を一回も使わずに説明しきったぞ。しかも地味にナゲット団の商談の相手が自分たちだったことまで隠してやがる!


フィル:さすがすぎる(笑)


ルーン:というかなんでこういうのそんなに上手いんだよお前っ!?


GM:「なるほど…わかりました」バーパスは納得してくれたようだ。「しかし…連行したナゲット団は3名のはずでしたが、残りの1人は?」


フィル:ケチャップのことか。


ルーン:アレは…どうしたんだっけ?


GM:"黄香子イエロー"に連れ去られたテールちゃんを追いかけて船に乗ったやろ?そこで戦闘して、最終的にマイケルが捕まえた。


一同:そうだった!!(爆笑)


ワット:これは、俺ら知らんぷりしちゃっていいんじゃない?


スイレン:そうですね。最後の1人、オウガを捕まえたのは私たちではないですよ。


GM:「はて、あなたたちではないとすると、一体誰が?」


スイレン:マイケルさんという、神殿に雇われているサハギンの傭兵さんです。




自分たちの情報は渡さないのに、マイケルの情報は全て渡してしまう女、スイレン。




GM:(ひでぇなこいつ)…「オウガはその方が捕まえたと…?」


スイレン:はい。なので私たちは管轄外です。


GM:うーん、その受け答えは微妙だな。ケチャップを倒したのが君たちである以上、全くの管轄外というわけでもなかろう。スイレンは精神判定だ。バーパスの値より低いと怪しまれることになるよ。


スイレン:ぬ、駄目でしたか。…ところでこの判定、交渉系の精神判定にボーナスが付く《オピニオン》は乗りますか?


GM:ん?…うーん、まぁ乗せていいとしようかな。(こちらの値は…と(PLに隠してダイスを振る)…出目5。達成値17か。まぁ十分だろう)


スイレン:(ダイスを振る)…達成値18。


GM:へ?


スイレン:18。


GM:………………えー、全く怪しまれている様子はありません。(一同爆笑)


ルーン:駄目だったんだな。バーパスさん(笑)


GM:うるさいわ。スイレンの出目が高かっただけだ。しかしこうなると…そうだな。バーパスはイルゼに対して「おい、ナゲット団を逮捕した人を全員呼んでこいと言ったろ。どういうことだ」とか言いだすかな。イルゼは「え、あれ、お、おかしいな…すみません」ってなってる。


ワット:あー、まぁ、イルゼさんには申し訳ないがここは少し犠牲になってもらうか。


GM:(少し考え)…あと、バーパスはイルゼに対してこうも言うね。


スイレン:ん?まだ何かあるんですか?


GM:「さっさとそのマイケル氏という方をここに連れてこい」(一同超爆笑)


ルーン:マイケルさーーーーーーーん!!?(爆笑)


フィル:しまった!これはミスった!!マイケルさんの身の安全までは考えてなかった!!(爆笑)


スイレン:うーん、ミスりましたねぇ(笑)


ワット:…というか、マイケルが何でもかんでもベラベラ吐いちゃったら俺たちが隠す意味なくなるんじゃ…


ルーン&フィル&スイレン:あ。


フィル:…しょうがない。あとでボクがソーレさんに頼んで一時的にマイケルさんを保護してもらおう。最悪彼のディアスロンド行きも覚悟せねば。


スイレン:帝国外に移動させればさすがに手は出せないでしょうからね。


ルーン:惜しいやつを無くした…


GM:(まぁ、その件に関してはあとで片付けよう)「…えー、他にナゲット団に関して知っていることなどあれば教えて頂きたいのですが」


ルーン:他に…何かある?


スイレン:うーん、ぶっちゃけそもそも我々だってナゲット団に関して掴んでいる情報は少ないですからね。


フィル:『テールちゃんを狙っている』って情報は持ってるけど言えるわけないし。あとは…『ナゲットがヤバイ』とか?


ワット:あぁ、そういえば。あのナゲット、薬物が混入されてたな。


スイレン:そういえばあの組織、薬物中毒者の集まりでしたね。この情報は言っても良さそう…というか、むしろ言った方が良いですね。これ以上犠牲を出さないためにも。


ワット:他には…『"黄香子イエロー"という幹部がいる』『猫がいる』くらいか。


スイレン:あと一応、『水霊の憩いが関わっているかもしれない』という情報は持ち合わせていますが、これも言えませんね。私の実家に何されるかわかりませんし。


ルーン:とすると言えるのは…ナゲットがヤバイってことと幹部の情報くらい?


スイレン:うーん、幹部の方は私たちもよくわかってませんからね。言えることも少ないですし、とりあえず放置でいいかと。猫に至っては幹部なのかどうなのかすら知らない…というか本名すら明らかになっていませんし、"黄香子イエロー"のことに関しても、詳しい人なんてこのギルドにはいるわけないですしね。


ワット:ははは。


スイレン:というわけで、かくかくしかじかとナゲットのヤバさについて解説します。


GM:OK。帝国はその情報を掴んでいなかったようだ。「なるほど、薬物によって無理矢理部下の統制を取っている組織ですか。厄介ですね」…あと、ほぼ同じタイミングで「失礼します!」と部下が1人入って来て、「先ほど引き取った囚人3名ですが、薬物をキメているようで言語という言語を話せる状態にありません」と報告してくれるね。


スイレン:……話だけ聞いてるとあの3人ヤバそうですね。心配になってきましたよ。


フィル:でもまぁ、薬抜くには監禁し続けるしかないからねぇ。


GM:バーパスはこの件を重く受け止めたようだ。「国内での薬物ナゲットの流通は我々が食い止めます。貴重な情報提供、感謝いたします」


スイレン:いえいえとんでもない。なんなら友好の証としてナゲットの1つでもご提供できればよかったのですが、生憎手持ちがなくて…


GM:あれ、なんで無いの?"黄香子イエロー"からドロップしたやつが5個ほどあった気がするんだが


フィル:ギルドハウスに置いてきちゃいました。


GM:お、おう…それは…仕方ないな……


フィル:一番の証拠になる『ナゲット団の証』とかは売りさばいちゃったもんなぁ(一同爆笑)


ワット:奇跡的に残ってたグラサンも今回売っちゃったしな。


スイレン:真面目に帝国に提供できるものが何も無い。


GM:ま、まぁその辺はバーパスさんも気にはせんよ(笑)…さて、それじゃあ最後に「貴重なお話をありがとうございました。御礼に…と言いますか、今後とも我々のナゲット団関連の捜査にご協力頂くこともあるかもしれませんので、我々が現在掴んでいるナゲット団に関する情報を提供したいと考えております。どなたか代表者1名、この後お時間頂けないでしょうか?」と言ってきますかね。


スイレン:…ほぅ?頼んでもいないのに情報を頂けると。それはありがたいですね、私が行きましょう。


GM:「ではスイレンさんはこの後『錬金研究所』にご同行願います。他の方々は『宿』に荷物を置いて、旅の疲れを癒して下さい」


ワット:…?なんだ、割とすんなり帰してくれるんだな。


ルーン:まぁ、それならそれでいいじゃん。まずは宿探しからしないといけなくなるけど。


GM:「いえいえ、宿を探す必要はございませんよ」


一同:は?


GM:バーパスはにっこり笑ってこう言った。「部下に最高級の宿を予約させました。ごゆるりとお過ごし下さい」


スイレン:待った。その宿、安全か!?


フィル:夜襲されるやつや。これ夜襲されるやつや。


GM:…うーん、じゃあここで難易度14の精神判定に成功すればバーパスの意図を読めるとしよう。


スイレン:(ダイスを振る)…成功。


GM:「まだファットには帰さない」…こう考えているようだ。この周到さから察するに、きっと船の出航時間なんかにも手を加えているだろう。


スイレン:…なるほど、ね……さすがは帝国の大臣様というわけですか…


フィル:まぁ、ちょっと拘束されるくらいなら受け入れても良いだろう。


ワット:やべぇ…普通に油断ならないなこれ。


GM:にしし。こちらとしてはかなり有意義な会話ができて満足だ。以上でこのシーンを終了します。



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