MIDDLEPHASE03 まともな友達
2018/3/24 一部改稿
GM:さて、それじゃあ次のシーンに入るよ。シーンプレイヤーはスイレン。
スイレン:おや、私のシーンですか? …もしかしてイルゼさんと話せたりします?
GM:?…いや、その予定はないが、何か話したいことでもあるの?
スイレン:できれば。
GM:了解。ならこのシーンの後半にイルゼを登場させよう。場所は…そうだな、どこがいい?
スイレン:うーん、自分の個室とかって用意してもらえませんかね?
GM:なるほど?では取り戻し隊の4人には個室が用意されているとしよう。そして君にはその部屋でちょっと考え事でもしていてもらいたい。
スイレン:考え事ですか?
GM:うん。君の視点から見た「帝国の動き」についてね。というのも今回の件、帝国と神殿の間のいざこざに巻き込まれているフィルと違い、スイレンにとっては好機と捉えていい案件だからだ。
スイレン:あぁ、たしかにそうですね。
ルーン:というと?
スイレン:ナゲット団の技術を盗めるかもしれないんですよ。
ルーン:…?
GM:…順を追って説明しよう(苦笑) まず最初に思い出してほしいのは、PC③の基本的な行動指針は『スキル珠の回収』だということだ。
ルーン:…あぁ、そういえば。(第一話ハンドアウトなどなど参照)
スイレン:もちろん最終的な目標は『実用化』そして『量産』…というか『販売』なのですが、そのためにはスキル珠の研究は不可欠です。アミーや《進化版ポイゾネスミスト》を手に入れた今、私的には実はもう実家に帰っても良い段階にはあるのですが…錬金術師団に逃げられた『水霊の憩い』で満足にスキル珠の研究が行えるとは思えないんです。なんなら『模倣版』として量産体制を確立しているナゲット団から技術を盗んだほうが絶対に良い。
ワット:まぁ、たしかにな。
GM:そして、そんなスイレンにとって今回ナゲット団を連行することを決めた帝国の上役との会談は、一緒にナゲット団の技術を研究する体制を築き上げることができる好機以外の何物でもない…ということだ。
フィル:あぁ、それでスイレンさんにとっては好機と…。
スイレン:そういうことです。まぁ、一歩間違えれば私のほうが利用されて軽くエンドなので警戒しつつにはなりますけどね。
ワット:まぁwin-winの関係を築きやすい状況にはあると思うけどな。
GM:そうだね。だけど逆に、今のこの状況に不安を覚えているヤツも当然いる。そいつが君に話しかけてくるね。
スイレン:ん?私今個室にいるのですが。
ルーン:覗きか盗聴か…その類の不届き者?
GM:「なぁなぁスイレンはん。ワイ、今回本当について来て良かったんか?ナゲット団に関する話を聞きたいなんて連中、ワイは信用できへんのやけど」
一同:アミーかよっ!!?(一同爆笑)
フィル:ま、まぁ、そりゃこいつ自体が『喋るスキル珠』なわけだし、警戒する理由もわかるけど…
ルーン:地味にこういうイベント初だからびっくりした。
ワット:2話からずっとにいるのにな…
スイレン:まぁ、大丈夫なんじゃないでしょうか。珠の中に引っ込んでさえいればただの綺麗なガラス球にしか見えないと思いますし。
GM:「そりゃそうなんやけどなぁ、どうも嫌な予感がするねん」
スイレン:考えすぎですよ。
ルーン:まぁ、私達の方から帝国にアミーを渡したりはしないし、もし仮に「没収」なんて言って取り上げられたとしても伯父さんに頼めばガラス球の1つや2つくらい返してもらえそうだしね。
GM:「うーん、まぁ、こーなった以上、何も起こらんことを願う他ないな」
スイレン:とはいえ警戒はしておくに越したことはないので、帝都に着いたらなるべく珠の外には出ないでくださいね。
GM:「了解や!」…と、こんなもんかな。じゃあここからはご要望にお答えして、イルゼさんとの会話シーンを挟もう。不意にコンコンとドアがノックされ、「スイレンさん、お食事をお持ちしました~」と、外からイルゼの声が聞こえてくる。それを聞いてアミーは珠の中に引っ込むね。
スイレン:アミーの珠をバックパックの中に入れてからドアを開けましょう。はーい、あ、ありがとうございます。
ルーン:因みに献立は?
GM:え?(←考えてなかった)…うーん、サンドイッチ?
フィル:ランチだった!
GM:…いや、時間的には晩飯かな。……ピザ?
一同:ピザ!?
GM:いや、イルゼさんサムライだし、東方出身てことでここはおにぎりと熱いお茶にしよう。
ルーン:この…なんていうか…イルゼさんの男所帯で育った感が…
ワット:まぁ若い女性2人で食うもんじゃないわな。
スイレン:別に何でも気にしませんよ。ついでなのでイルゼさんも一緒にいかがですか?と、部屋の中に招き入れます。
GM:「あ、いいんですか?…では、お言葉に甘えて……」
スイレン:じゃあ、おにぎりをパクパクしながら話しかけますよ。それにしてもイルゼさん、いつもディアモンさんみたいな人の相手をしていて大変ですね。よく続きますよ。
GM:(あぁ、こういう話をしたかったのね)「いえいえ。あれはもう慣れですよ。スイレンさんだっていつもルーンちゃんの面倒見てあげているじゃないですか」
スイレン:いえいえ、私なんかまだまだですよ。
ルーン:なんだろう。とっても不名誉な話をされている気がするぞ。
スイレン&GM:気のせいですよ。
ワット:わぁ、息ぴったり。
スイレン:それにしても…アレを制御するのにコツとかってあるんですかね?
GM:「気力・体力・筋力です」(一同爆笑)「…スイレンさんだって気力・体力・根性はすごいじゃないですか」
スイレン:体力はそこまででも…というか、気力もかなり微妙です。
ワット:2人とも子育て中の母親みたいだな…
スイレン:まだそんな年齢じゃありません。(←21歳)
GM:イルゼもな。(←22歳)
スイレン:まぁ、それはそうと、もう少し真面目な話もしておきましょうか。今回の件なのですが、バーパスさん?という方の指示だとおっしゃっていましたが、軍の元帥さんか何かですか?
ルーン:あぁ、そういえば伯父さんがそんなこと言ってたな。
GM:その質問には「いえ、バーパスさんは軍の関係者じゃありませんよ。大臣です」
スイレン:政治家なのっ!!?
フィル:え、嘘、ちょっと待って…(←徐々に顔が青ざめてくる)
スイレン:因みに肩書は…?
GM:「第三特務大臣です」
スイレン:マズイ。それは絶対マズイやつだ。何がやばいって『特務』の部分が尋常じゃなくやばい。
フィル:あ、あれー。ちょっと待って。思っていたよりやばそうなんですが…?
ワット:そんなにやばいの?
スイレン:当然。そもそも『神聖ヴァンスター帝国』自体がやばい国なのにその国の大臣様を相手にしないといけなくなったんですから、やばさは並じゃありませんよ。
フィル:…下手したら何らかの陰謀に巻き込まれている可能性すらあるよ。
ワット:お、おう。
GM:「心配しなくても大丈夫ですよ。バーパスさんはディアモンさんと違って理性的でお優しい方ですから」
スイレン:お…優…しい……? そんな政治家がいるわけないでしょう。(←信用してない)
ルーン:絶対 (身内には) って付くやつだこれ。
スイレン:うーん、これは…それ相応の心構えを持って会談に臨まないといけないみたいですね。
ワット:スイレンさんが警戒モードに入った。
GM:じゃあ、硬い表情になってしまったスイレンを見て、イルゼが「すみません。半ば強制的に連れてくるような真似をしてしまって」と謝ってくる。
スイレン:あぁいえいえ。気にしないで下さい。あなたは何も悪くないんですから。
フィル:…待って。それ、軍の人が言っていいことなの?
GM:ん?…あぁ、謝罪か。たしかに問題発言かもね。でもイルゼはそんなに階級が高くないので、この発言があったからといって特に帝国側の対応が変わるわけじゃない。…それに、この場面じゃイルゼならこう言うかなって思ったので。
フィル:うーん、まぁ確かにな。
ワット:軍人でありながら俺らのことを気遣ってくれているんだな。いい人だ。
スイレン:えぇ、本当に。(少し考え)…ねぇイルゼさん。
GM:「はい?」
スイレン:よろしければ私とお友達になっていただけませんか?(←右手を差し出す)
ルーン:(←ピクっと反応する)
フィル:ルーンちゃんストップストップ。
GM:その言葉にイルゼは「是非!」と頷き、君の右手を両手でがしっと掴む。「あぁ…まともな友達ができたの、何年ぶりだろう…」(一同爆笑)
ルーン(イルゼになって):「2年前のあの日、どうして私は『友達になろう!』と言われてぶん殴られたのだろうか…」(一同大爆笑)
ワット:何やってるんだよディアモンさん!!
スイレン:これから苦労人同士、仲良くしていきましょうね。
GM:「はい!」
フィル:珍しく綺麗にまとまったなぁ。
ルーン:釈然としない。
GM:以上でこのシーンを終了します!