MIDDLEPHASE01 地震、雷、火事、親父よりも伯父の方が怖い。 後編
2018/3/17 誤字訂正
フィル:…ボクが、ディアモンさんを戦闘不能に…? できるの?残りHPが何点あるかもわからないんだよ?
スイレン:できるできないの話じゃない。やるんです。ここでディアモンさんを落とすことができれば《パーフェクトボディ》で復活されても残りHPは100点。そしてこのラウンドは私たち攻撃役は未行動状態です。
ワット:そうか、俺の攻撃でディアモンさんを落とすんじゃなく、復活後に俺の攻撃を入れられれば、かなり勝ちやすくなるのか。
フィル:それはそうかもしれないけど…でもそれ、ボクを無視してルーンちゃんを倒し、《ブルータルムーブ》でワットさん方面に一直線に突撃されたら意味ないんじゃ……
スイレン:そこはきっと大丈夫なはず。先ほどのGMの発言を思い出してみて下さい。特定条件下においてはフィルくんを優先して攻撃すると明言していましたよね。
フィル:え?
GM:…明言はしていないと思うが……(笑)
スイレン:「ディアモンがフィルを殴るのは、フィルのことをぶん殴りたいと思った時だけだ」って。
GM:……ま、まぁ、そんなニュアンスのことは言った…のかなぁ…?
ルーン:言ってたな(断言)
ワット:言ってた(断言)
フィル:…えっと、つまり?
スイレン:考えてもみてください。ディアモンさんがフィルくんのことを殴りたくなる時っていつだと思います?普通に挑発したくらいじゃ動かないでしょう? …でも、もし今ここで、フィルくんがディアモンさんの残りHPを削りきったとしたら…?
フィル:……ぶん殴りたくなるかは知らないけど、殴るべき対象としては見られそうだな。
ルーン:…あ、そうか。伯父さんがそうやってフィルを攻撃してくれれば…
スイレン:…ルーンちゃんに、次の行動を回すことができます。
ワット:それだけじゃない。行動順的に俺、スイレンさん、ルーンちゃんの3連続攻撃を叩き込むことができる。もしかしてこの3発でHP100点、削りきれるんじゃ…?
フィル:………いける…な。
スイレン:…できますよね、GM?
一同:(←一斉にGMを見る)
GM:…可能性が無いわけではない。ただ、若干語弊がある。
スイレン:…というと?
GM:俺が言ったのは『フィルを殴りたくなったらフィルを殴る』ではなく、『フィルを殴りたくなったらルーンとフィルのどちらを殴るかランダムで決定する』…確実にフィルを殴るわけではないんだ。今ディアモンはルーンを殴り飛ばすことを第一目標に動いているからな。
フィル:あー、そうだ思い出した。そういう会話の流れだったな。(※前話参照)
ルーン:つまり…
ワット:完全に…運ゲー……?
GM:そういうことになる。確立は1/2。ただ、この1/2さえ突破すれば君たちの勝ちはほぼ確実になるだろう。
フィル:………ただ、問題はそこだけじゃない。まずその1/2にたどり着くためにはボクがディアモンさんのHPを削りきらなきゃならないんだ。そこがかなり辛い。
ルーン:あぁ…そうか、そうだった。
ワット:…因みに、フィルくんは何点くらいダメージ出せる?
フィル:残りのフェイト全部突っ込んでも6D+4。
スイレン:そこに私のフェイトぶっぱ《チェックメイト》の+8Dが乗ります。
フィル:合計で14D+4相当…期待値53点か。
ルーン:今まで伯父さんに何点くらいダメージ入れた?
スイレン:たぶん…350点くらいですかね。
ルーン:伯父さんのHP、いくつくらいだと思う…?
ワット:………400…とか…?
一同:……………………
ワット:……行ける…のか?
フィル:仮に、もし仮にディアモンさんのHPが400点だとしても、振り直しの効かないダメージロールでほとんど期待値を出さないといけない上に、そもそもの『HP400点』というのが不確定情報。
ルーン:…わからない。もうこれ予測が立つ問題じゃない。
ワット:どうする…?
フィル:…………………
スイレン:(じっくり考えて)…いや、ここはもうやるしかない。そうしないと多分勝てない。ルーンちゃんが倒れた後、《ブルータルムーブ》で離脱されて、私とワットくんが連続で倒されて…これでもう詰みですから。
フィル:……それもそうだね。
ルーン:…やるの?
フィル:やるよ。
ルーン:…わかった。行って来い!!
フィル:よし行くぞ!メジャーアクションで、ディアモンさんに白兵攻撃!!膝の裏にダガーを突き立てるよ!!!
GM:命中どぞ!
フィル:2D+4でファンブルチェック(ダイスを振る)…成功! 続いてダメージロール、フェイトを4点つぎ込んで6D+4!
スイレン:こちらも《チェックメイト》にフェイトを3点つぎ込んで8Dのダメージ増加!!
GM:さぁ、面白いからここでディアモンさんの残りHPを開示しておこう。この人の残りHPは…46点です!!
ルーン:お、期待値下…?
フィル:…いや、確かに期待値下だけど…これは…
スイレン:14Dで42点…『出目平均3以上』が要求されていますね。
ワット:マジかよ!?スイレンさんのさっきの《チェックメイト》…5Dで7点だったから出目平均1.4だぞ!?大丈夫なの!??
スイレン:ちょ、怖いこと言わないで!?
フィル:大丈夫、信じよう。
ルーン:弱気になっちゃいけない。もうここまで来たらやるしかないんだから!
スイレン:…そうですね。行きますよ!!(ダイスを振る)
フィル:ボクも、行くよ…!!(ダイスを振る)
GM:……果たして、結果は………!!
スイレン:ーーーやった、デカい!!36点のダメージ増加!出目平均は4.5!!
フィル:ありがとうスイレンさん!!ボクの目は17点。固定値4点も足してこれで合計57点、物理ダメージ!!落ちろおおおおおおおおおおおおおおっ!!
GM:ルーンの背後から弾丸のように飛び出したフィルがディアモンの膝にダガーを突き立てる。完全に意識の外にいたフィルからの一撃を受けたディアモンはガクッと崩れ落ちる! ディアモン、HP400点が削り切られて…戦闘不能だ!!
一同:よっしゃあああああああああああああい!!!
GM:だが、まだだ。「やってくれたな、フィルよ」…ディアモンの目がギラリと光る。《パーフェクトボディ》…戦闘不能を回復。HP100点で復活!!
フィル:そうだ、まだ第一関門を突破しただけだ。安心はできない。
ワット:ここからのランダム。ルーンちゃんを攻撃するか、フィルくんを攻撃するか…!
スイレン:確率は1/2。《キャスリング》はリビルドで切ってしまったのでもう無い。ここはもう、完全に運頼みです。
GM:ディアモンの行動。ムーブなし、マイナーで《スマッシュ》 …全力で行くぞ。メジャーで《げんこつ》《ボルテクスアタック》!!
ルーン:《ボルアタ》も使うのか!!フィルくんを攻撃するかもしれないのに!!
GM:仮にフィルに攻撃したとしても、《ボルアタ》が無いとルーンに《カバーリング》されて耐えられてこっちが詰むからな。それに、フィルが全力で突貫してきたんだ。こっちもそれ相応の対応をしないと失礼だろう。 というわけで、対象決定ロール行くぞ。1D振って奇数が出たらルーンを、偶数が出たらフィルをぶん殴る。
フィル:偶数出ろ、偶数!!
GM:果たして…(ダイスを宙に放る)……
一同:………………!!
………………出目:6
一同:偶数キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!(拍手喝采)
GM:振り上げられた拳が、フィル目掛けて一直線に振り下ろされる!!「よくもやってくれたな!フィルーーッ!!!!」
フィル:あぁ、もうなんでもいいよ。来いよオラァ!
GM:命中判定5D+12(ダイスを振る)…出た!クリティカル!!
ルーン:ここでか!?
フィル:駄目元 《アンプロンプチュ》!!(ダイスを振る)…無理!クリティカルしない!!
GM:ダメージは聞いて驚け。13D+400だ。「下の階で…寝ていろっ!!」(ダイスを振る)…439点の物理ダメージ! ディアモンの拳がフィルごと床を砕き割り、そのまま下階へ続く穴が開く!!
フィル:そんな馬鹿みたいなダメージを耐える術はもうないので潔く戦闘不能になります…が、まだ終わらんぞ、《ラストアクション》…!! もう一発お見舞いしてやらーーーっ!!!
GM:げ、まだ削るのか!?
フィル:当然!命中判定(ダイスを振る)…成功! ダメージは(ダイスを振る)…11点の物理!
GM:低っ …まぁ入ったけど。
スイレン:いえ、十分です。よく頑張ってくれましたね。ありがとうフィルくん。ゆっくり休んでいてください。
GM:えー、ではフィルくんはイルゼさんに担がれて救護室に運ばれていきました。この戦闘からはこれで離脱ですね。
フィル:あとは…任せた……(ガクッ)
GM:………とりあえず、これで一連の処理は終わったな。 ………さて。(←PLたちの方を見る)
スイレン:(←にっこりしている)
ワット:(←にっこりしている)
ルーン:(←悪鬼羅刹のような笑みを浮かべている)
GM:え~っとぉ、次の行動はぁ~ …ディアモンさん…………だっけ?
スイレン:ふざけるな馬鹿。
ワット:ここで落とさなきゃフィルくんに合わせる顔が無いわ!!俺の行動。ムーブなし、マイナーで《パワーブレイク》、メジャーで《インベナム》乗せ射撃攻撃!!
GM:ちょ、少しくらい手加減しても…
ワット:命中は(ダイスを振る)…クリティカルしない。ダメージにフェイトを2点突っ込んで(ダイスを振る)…41点物理ダメージ+【毒4】【スリップ】を付与!!
GM:それは…バッドステータスを打ち消してると一気に致死圏に入るな。41点だけ受けてバステもそのままもらうよ!
スイレン:次、私の行動! メジャーで《ウォータースピア》!! 命中は(ダイスを振る)…当然成功! ダメージは2D+28で(ダイスを振る)…高め。38点水属性魔法ダメージ!!
GM:魔法防御を差し引いて24点抜けた。残りHPも24点!!【放心】は打ち消さない。
ワット:…そしてここで行動が回ってくるのが…
ルーン:私だよーー!!
GM:ファンブルしろ。可能なら残ったフェイトも全部この判定に突っ込んだ上でファンブルしろ。
ルーン:するかっ マイナーで《スマッシュ》、メジャーで白兵攻撃! 命中判定は(ダイスを振る)…クリティカル!!
GM:おいーーーーーーーっ!!?(一同爆笑)
フィル:さっすがルーンちゃん!
ルーン:伯父さん覚悟っ!ダメージに最後のフェイトも突っ込んで合計9D+35!!(ダイスを振る)…70点、物理ダメージ!!!
GM:無理。全然堪えきれない。最後に満足げな笑みを浮かべて「…強くなったな。ルーン」と言い残し、その場に倒れ込みます。神聖ヴァンスター帝国軍中将"猛虎"のディアモン。これにて戦闘不能、ひいては戦闘終了です!お疲れ様でした!!
一同:お疲れ様でしたーーーっ!!
フィル:か…勝てたーーーーーっ!!