MIDDLEPHASE01 地震、雷、火事、親父よりも伯父の方が怖い。 中編
2018/3/10 誤植訂正
2018/3/12 誤字訂正
2018/3/17 説明補足追加
GM:さて、次はワットくんの行動だ。
ワット:ディアモンさんの後だとダメージ数値とか色々霞むなぁ(笑)…まぁ仕方ない。全力で攻撃しよう。ムーブなし、マイナーで《パワーブレイク》、メジャーで射撃攻撃だ。同時に《インベナム》も使うよ。
GM:よっしゃこい。
ワット:命中判定。ディアモンさんは回避ができないのでファンブルチェック(ダイスを振る)…普通に成功。《ピアシングストライク》を使用してダメージロール5D+13!
ルーン:あれ、低いな。ワットさんの火力ってこんなもんだっけ?
フィル:いや、たしかにリビルドでダメージは下がったけど…
スイレン:そのかわり追加効果がえげつなくなったんですよね。
ワット:(ダイスを振る)…お、高い。34点物理ダメージ!1点でもダメージが通れば【毒4】【スリップ】を付与だ!
ルーン:ひぇっ!?
GM:《デスペラード》の反動で今のディアモンは物理防御力が0なので34点をそのまま全部受けるぞ。【毒4】【スリップ】は《バッドステータス無効》で回復。そのかわり30点のHPロスを受けます……って、合計64点も入ってるじゃねーか!?(一同爆笑)
スイレン:それはまぁ、超強力な毒薬を含んだ銃弾をレールガンで敵を転ばせるほどの勢いで射出してるんですから、そのくらいのダメージは入るに決まっているでしょう。
GM:怖っ!?ワットくん怖ぇ!!
ワット:思ったより入って良かった。俺の行動は以上です。
スイレン:ここで私とルーンちゃんの行動が回ってきますが…とりあえず私から動きましょう。ムーブなし、マイナーで《進化版ポイゾネスミスト》…錬金術判定(ダイスを振る)…まぁ失敗。 珠を取り出して、掲げて、ちょっと光ったけど何も起きなくて、鞄の中に戻す。(一同笑)
ルーン:毎回これやってるの笑うしかないんだよなぁ。
ワット:そろそろ成功しても良いと思うんだけど(笑)
GM:ディアモンが興味を示す。「なんだ?そのタマは??」
スイレン:気にしないで下さい(笑) メジャーで《ウォータースピア》 ! 魔術判定は(ダイスを振る)…ファンブルしないので成功。ダメージロールの直前に《マジックフォージ》を使用して合計4D+28!(ダイスを振る)…お、高め。46点水属性魔法ダメージ!1点でも通れば【放心】を付与!
GM:う、思ったより痛い。魔法防御力を引いてもそこそこ入ったな…みんなダメージの出目が高いので今回の【放心】は打ち消さずに受けておこう。
フィル:打ち消すとHPロス入るもんね。
スイレン:10点ロスくらいあまり効かない気もしますがね。
GM:【放心】の方がもっと効かない。命中ダイスが5Dから4Dになるだけだし。「痛くも痒くも無いわい!」とか言ってそう。
スイレン:うへぇ…
ルーン:それならもっと命中ダイスを減らしてあげよう!私の行動。ムーブなし、マイナーで《バーサーク》 《ソウルヒート》メジャーで白兵攻撃!対象は伯父さん。命中判定は4Dで(ダイスを振る)…成功!
GM:「来てみろルーン!どれだけ強くなったか見せてもらうぞ!!」
ルーン:言われなくても!ダメージロールの直前に《スラッシュブロウ》を使用してダメージ+10D!合計16D+25でダメージロール!!(ダイスを振る)…93点物理ダメージ!1点でも入ったら【恐怖】を付与だよ!さぁダイスを減らせ!!
GM:高えよっ!?期待値は81点だろっ!!
ルーン:伯父さん相手に手は抜けないからね。
GM:…なるほど、ならばこちらも手は抜かん。《ソウルバスター》発動だ。「良い攻撃じゃが…脇が甘い!」ルーンの斬撃を真正面から受け止めつつ、カウンターの拳を顔面にぶち込むぞ。93点のHPロス!!
ワット:させない。《インタラプト》
GM:ぬ、打ち消されたか。それはどうしようもないな。こちらからはこれ以上は何もなし。【恐怖】はそのまま受けるよ。
ルーン:ワットさんすごーい!私の行動は以上だけど、直後のイニシアチブで《ブロウストライカーⅠ》を使って《スラッシュブロウ》をもう1回使えるようにしておくよ。
スイレン:しかし…早々にこちらの防御系切り札を2枚とも切らされてしまいましたね。
フィル:《プロテクション》でどうにかなるダメージじゃなかったもんな。これは真剣に勝ちを狙うなら誰か落ちること前提で動いたほうが良いかもしれない。
ルーン:…そうなると真っ先に死ぬのはどう考えても私なのだが。
フィル:…それは絶対まずい。失う火力がデカすぎる。となると…ボクがルーンちゃんをかばうために前に出よう。ムーブとマイナーで全力移動。10m前進。
GM:これでルーンとディアモンのエンゲージまで残り10m。次の移動で届くな。
フィル:…まぁ、本当はボクが出張るまでもなくディアモンさんが落ちてくれるのが一番なんだけどね。 メジャーで新技 《ジョイフルジョイフル》をルーンちゃんに!呪歌判定は(ダイスを振る)…成功!
GM:OK。ルーンちゃんが未行動状態に戻ったよ!
ワット:強いなぁ。
ルーン:というわけでもう1回私の行動だ!!ムーブなし、マイナー《スマッシュ》、メジャーで伯父さんに通常攻撃。同時に《ボルテクスアタック》を使用!
フィル:今のルーンちゃんの…というかウチの最大火力!耐えられるモンなら耐えてみろ!!
ルーン:命中判定(ダイスを振る)…クリティカルしない。ファンブルでもない。普通に命中。
GM:「来いルーン!完璧に受けきってくれるわ!」
ルーン:ダメージロールの直前に《スラッシュブロウ》を使用。フェイトも3点突っ込んで合計19D+95!
スイレン:《チェックメイト》! (ダイスを振る)…ぶっ!?酷い、5Dで7点!?
ルーン:それでも19D+102点!くたばれ伯父さん!!(ダイスを振る)…166点、物理ダメージ!!
GM:うぉっ!!??ごっそり持ってかれたぞ!?
フィル:やったか!!??
GM:ルーンの全力の一撃が、ディアモンにかつてないほどの大ダメージを負わせる。さしものディアモンもこれにはさすがに膝をつき……
一同:……………
GM:……かけたが、踏ん張った。「…成長したなルーン。だが、まだまだだ…!!」
一同:マジかぁーーーっ!!??
GM:…というわけで、全員の行動が終了したのでディアモンが《二回行動》を宣言。「可愛い姪が全力を見せてくれたんだ。俺も全力で返さねばならないな」
ルーン:あぁ来いよ…耐え切ってやる。……頼むぞフィル!!
フィル:ボク!!?…いや、《プロテクション》の出目次第なのはわかってるけど!!
GM:ムーブなし、マイナーで《スマッシュ》、メジャーで《げんこつ》 対象は当然ルーン!!命中判定は【放心】【恐怖】で2Dまで減ってるけど(ダイスを振る)…ファンブルしないので命中!
ルーン:私も《ソウルヒート》で【狂戦士化】してるから避けられないんだよね。
GM:ダメージは11D+70(ダイスを振る)…111点、物理ダメージ!!
ルーン:《トゥルーアイ》で物理防御と合わせて28点止める。HPが80点だから現状3点オーバー
フィル:あ、よかった。それなら確実に耐えきれる。《プロテクション》(ダイスを振る)…20点軽減。
ルーン:それなら残りHP17点で立ってる。耐えたぞ!!
GM:「ほぅ…中々やるじゃないか…だが、次を耐えねば意味はないぞ」
スイレン:そうなんですよね。ラウンドが回ったら次は行動値最速のディアモンさんの行動ですから、今のままでは確実に耐えられない。
ルーン:いや、『蘇生』を切れば出目次第では普通に…
GM:クリンナッププロセス。ディアモンが《バイオレントヒット》を使用して《ボルテクスアタック》の使用回数を回復。
ルーン:あ、そうだそれがあった、忘れてた!!
GM:にひひ。この伯父さんはまだまだ倒れぬぞ。次のラウンドへ行ってみよー!!
ラウンド2
セットアッププロセス。
ここで一同は『次のディアモンの攻撃でルーンを戦闘不能にさせない』ため、作戦を練ることにした。
しかし、出た結論はかなり深刻なものだった。
フィル:まずいな。本当にまずい。これ、ルーンちゃんの戦闘不能を回避する手段が一切ない。
そう。ディアモンに《ボルテクスアタック》を使われると、何をどう頑張ってもルーンを生かすことができないことに気づいたのである。
スイレン:一応 《模倣版ファイトソング》を使うという手段はありますが…なるべく使いたくはありませんね。今回の戦闘後に元に戻るのはHPとかスキルの使用回数だけでアイテムは含まれませんから。
フィル:個人的には負けるよりかは使う方が良いと思うけど…でもそのスキル珠は切り札みたいなものだから使ったら負け感はある。
ワット:つまり、使わない方向で行きたい。
ルーン:因みに、私が落ちるとまずい理由って何?
スイレン:単純にダメージソースが足りなくなります。まぁ、ディアモンさんの残りHPも僅かだとは思いますが、《パーフェクトボディ》がありますからね。
ワット:あぁ、復活スキルか。
フィル:そう。次の攻撃でルーンちゃんが倒れると、仮にその次のワットさんの攻撃でディアモンさんを落とせたとしても、直後に《パーフェクトボディ》されてHP100点で復活される。そしてその100点をワットさんとスイレンさんだけで削りきらなきゃならない状況に立たされて…
ワット:100点くらいなら2人だけでもどうにかなるんじゃ…?
スイレン:いえ、ディアモンさんは物理防御力こそなくなっているみたいですが、魔法防御力は普通にあるはずなので私の攻撃は大して効いていない可能性があります。その上ワットくんの【毒】を《バッドステータス無効》で消されなかった場合、ディアモンさんは反動のHPロスを受けないためほとんど消耗しません。当然、【毒】は受けるので後でそのぶんのHPロスを受けるのですが、【毒】の発動タイミングはクリンナッププロセスなので、HPロスを受けるタイミングを遅らせられるわけです。
フィル:そしてHPロスのタイミングが遅れると、ディアモンさんは《二回行動》が使えるから…
ワット:あー、自分が【毒】で倒れる前に俺たちを叩き潰せるってわけか。
GM:ちなみに《ブルータルムーブ》を持ってるから【スリップ】もほとんど無意味だよ。ムーブで【スリップ】回復したあとメジャーで攻撃して誰かを戦闘不能にすればその直後に次のエンゲージまで動けるからね。
ルーン:怖っわ。
スイレン:そもそも私たちの中の誰かを一撃で戦闘不能に落とすことを前提条件としている時点で笑えないですよね。
GM:これがディアモン流だ。
フィル:…一応聞いておくけど、ボクがルーンちゃんとディアモンさんのエンゲージに突入したら、攻撃の対象をランダムで決めてくれたりはしない…?
GM:ないね。ディアモンさんがフィルをぶん殴りたいと思うような状況にでもならない限りは勝ち筋を逃すような真似はしないよ。
ワット:よしフィル、ディアモンさんを全力で挑発してこい!
フィル:死ぬわっ!?戦闘不能どころかとどめ刺されるわ!!
ルーン:まぁ、そもそも伯父さんの方が行動が先だからフィルが私達にエンゲージすることはできないんだけどね。
フィル:あ、いやそれはできるよ。リビルドで手に入れた行動値無視の割り込みスキル《カリキュレイト》があるから。
ルーン:ん?あ、そうか。
スイレン:とはいえディアモンさんの攻撃前に《カリキュレイト》で割り込んでルーンちゃんに《ヒール》を撃ったところで焼け石に水なんですよね。
フィル:《ボルテクスアタック》を使われるとHP満タンでも消し飛ぶからね。
ルーン:戦闘不能回復の《ファーストエイド》は?
フィル:使っても《二回行動》でもう1回殺されて終わり。時間稼ぎにはなるけど。
ワット:………詰み…か?
スイレン:…やはり《模倣版ファイトソング》を使うしかないですかね。
一同:……………………………
フィル:まぁ一応 《チェックメイト》もあるし、ダメージロールの出目次第ではまだ勝てる可能性も残っているはず。《ファーストエイド》や《アンプロンプチュ》回避で時間稼ぎができればスイレンさんとワットさんでどうにか削りきれるはずだしね。
ルーン:…………………
スイレン:ルーンちゃんとフィルくんが壁になっている間に私とワットくんで削りきる作戦ですか。悪くはないですが…《ブルータルムーブ》は?
フィル:さすがにルーンちゃんを優先的に撃破しに来ると思うから、離脱までは考えなくていいかと。《ファーストエイド》は《ラストアクション》のタイミングでかければいいから、このラウンドは初手でボクが《カリキュレイト》してルーンちゃんのエンゲージに入ることになるかな…
GM:(…残念ながら………)
……そのアプローチは、ハズレである。
ディアモンの第一目標は『勝利』…勝つことだ。
そのためには防御能力が極端に薄い自分に対して脅威となり得る攻撃役を優先的に倒す必要がある。
つまりディアモンはルーンを戦闘不能にした後、攻撃役ではないフィルを無視して《ブルータルムーブ》でエンゲージを離脱し、《二回行動》のタイミングで攻撃役のスイレンのエンゲージに突入、撃破することを優先するのである。
その隙にフィルは《ファーストエイド》でルーンの戦闘不能を回避することはできるが…実はここでルーンが復活しても、もう遅いのである。
何故ならディアモンの移動力は20。移動力13のルーンでは絶対追いつけないからだ。
3ラウンド目。ルーンがディアモンを追いかけて全力移動している間に、ディアモンは悠々とワットを撃破することができる。
そして《二回行動》のタイミングでルーンに対して一撃。これを『蘇生』を使用して耐えたとしても…
…続く4ラウンド目の行動はディアモンからである。
ここの一撃を耐える手段はルーンにもフィルにも残されてはいない。
それはつまり、ディアモンの勝利、PC側の敗北を物語っている。
GM:(……ディアモンの足止めをするには、フィルはルーンのエンゲージに入らずに、スイレンの前で壁として立ち塞がる必要がある。その判断ができれば時間稼ぎに成功してワットの【毒】が効いてくるが…)
フィル:……よし決めた!ボクが《カリキュレイト》で突撃して《アンプロンプチュ》《ラストアクション》《ファーストエイド》で壁になる方向性で行こう!
GM:………OK。まぁせいぜい頑張れ。
フィル:? …まぁいいや。セットアップは何もなしです!
GM:こちらもなにもないのでイニシアチブからどうぞ。
フィル:《カリキュレイト》! ムーブとマイナーで全力移動してディアモンさんとルーンちゃんにエンゲージ! メジャーアクションは…ルーンちゃんに《ヒール》でも飛ばしておくか。
ルーン:さっきスイレンさんが焼け石に水って言ってたけど。
フィル:何もしないよりはマシでしょ。もしかしたら《ボルテクスアタック》が飛んでこないかもしれないし。
ルーン:そうかー。まぁ、それもそうだねー。
GM:(《ボルアタ》が無くても《ヒール》程度の回復量じゃ間に合わないほどのダメージは与えられるように調整してあるよ…)
フィル:それじゃ、魔術判………
スイレン:……………待った。
フィル:え?
GM:ん?
ワット:スイレンさん?どしたの??
スイレン:フィルくん、ここは《ヒール》じゃない。あなたのメジャーアクションは別のことに使うべきです。
フィル:…《ファーストエイド》とか? いや、もう行動しちゃったからルーンちゃんが倒れるまで待機とかはできないよ?
GM:(……なんだろう。胸騒ぎがする)
スイレン:待機じゃありません。回復系ですらない。
フィル:え、じゃあまさか……『攻撃』しろとでも?
スイレン:そうです。2話で私があげたダガーがあったでしょう。アレを持ってディアモンさんに突貫して下さい。
フィル:いや、いやいや…それこそ焼け石に水でしょう。ボクのダメージロール、2D+4だよ?
スイレン:大丈夫。《ソウルバスター》で反射されたダメージから、今のディアモンさんの物理防御力が0点であることはわかっています。あなたのダメージは通る。 そして………
GM:……!(←ディアモンの残りHPを確認する)
…この時、GMは理解した。スイレンが考えている作戦を。
……理解したが故に、驚かずにはいられなかった。
…これ、運ゲーじゃねぇか!?………と。
まっすぐに辿っていた"負け筋"
敗色濃厚だった戦況を、逆転させられるかもしれない妙手。
戦乱大陸の軍師スイレンが、起死回生の『大勝負』に出る!!
スイレン:…フィルくん。あなたの攻撃でディアモンさんを『戦闘不能』にするのです!!
ーーー次回、決着!!